眠たくなるメカニズムとは?
まずは眠気が生じる原因について理解を深めましょう。睡眠は、脳内の体内時計と密接な関係にあり、睡眠欲求と覚醒力という2つのバランスから成り立っています。
睡眠欲求と覚醒力
起きている時間が長いと、疲労によって体が睡眠を求めます。普段あまり寝付けない人でも、長時間起きていれば睡眠欲求により自然と眠気が生じるはずです。一方で、覚醒力は一定の時刻に増大したり、減少したりします。起床後徐々に覚醒力が強まり、就寝時に向けて急速に弱まるために、私たちは毎日同じ時刻に眠気が生じるのです。
ドリンクでカフェインを摂取しましょう
疲労が蓄積すると、体内でアデノシンという物質が生産されます。そのアデノシンが脳内のアデノシン受容体と結びつくことで眠気が生じるため、眠気を覚ますにはこの結合を阻止しなければなりません。その役目を果たすのがカフェインです。
カフェインは、アデノシンとよく似た形状のため、アデノシンの代わりに受容体と結びつくことができます。そうすることで眠気を生み出す過程を阻止してくれるのです。カフェインには、他にも疲労感を減少・抑制する効果や、血流をよくする効果があります。
目が覚める飲み物とは?
眠気が生じるメカニズムについて理解できたところで、早速カフェインの含有量の多い「目が覚める飲み物」について紹介していきます。王道のコーヒーから、コーヒー以外のものも紹介しているのでぜひチェックしてくださいね。
コーヒー
眠気覚ましの王道アイテムですね。100mlあたりのカフェイン含有量は60mg。インスタントのコーヒーよりもドリップコーヒーの方がカフェイン含有量が多く、効果が出やすいと言われています。摂取の目安は1日1-2杯。
また、甘いものよりも無糖のコーヒーの方がおすすめです。糖分を摂取してしまうと血糖値が上昇し、インスリンの分泌量が増えます。そうすると、連鎖的にメラトニンという眠気を促す物質も増加するため、眠気が生じてしまうのです。
紅茶
紅茶は100mlあたり30mgのカフェインが含まれています。コーヒーの半分ほどのカフェイン含有量ですが、コーヒーが苦手な方は紅茶を代用しても良いかもしれません。1日に3-4杯を目安に飲んでみてくださいね。
緑茶
緑茶の中でも、特にカフェイン含有量が多いのは玉露です。一般的な緑茶は、100mlあたり大体20mgのカフェイン含有量であるのに対して、玉露はなんと100mlあたりに160mgもカフェインが含まれているのです。茎よりも新芽に多く含まれるため、苦味の多い玉露や抹茶、上級煎茶は眠気覚ましに効果的といえるでしょう。アイスよりホットで飲む方がオススメです。
エナジードリンク
エナジードリンクには、栄養補給を目的とするものや、眠気覚ましの効果があるものなど、様々な種類があります。その中で眠気覚ましの効果があるものは、「モンスター」、「レッドブル」、「眠眠打破」などです。
これらはどれも1缶あたりのカフェイン含有量が100mgを超えており、手軽にカフェインを摂取できるようになっています。ただし、ジュース感覚で飲みすぎてしまうと、カフェインの過剰摂取になってしまうだけでなく、糖分も気になるところなので、注意が必要です。
目が覚める食べ物とは?
次に、目が覚める食べ物について紹介していきます。身近で買える食べ物なので参考にしてみてください。
チョコレート
チョコレートにはカフェインと、カフェインによく似た働きを持つテオブロミンが含まれています。この2つの成分はどちらも覚醒効果やリラックス効果があるため、眠気覚ましには最適です。ハイカカオチョコレートであればさらに効果が期待できます。
ミント系のガム
噛む動きは、脳を活性化させ、血液の循環をよくしてくれます。ミントやメンソールのガムであれば爽快感も感じ、よりスッキリした気分に。ガムは口に含みながら作業できるため、運転や勉強中に手軽に摂取できそうですね。
大豆
大豆に含まれるアルギニンという成分は、カフェインの覚醒効果をさらに高める働きがあります。さらに銅とパントテン酸という成分も含まれており、疲労回復効果やストレス軽減にも効果があるようです。コーヒーと一緒に食べるとより眠気覚ましになります。
アーモンドやナッツ
アーモンドやナッツは低GI食品です。皆さんは食後急に眠たくなることはありませんか? これは血糖値が急激に変化し、インスリンが分泌されることが原因となります。低GI食品は血糖値の変動が緩やかであるため、摂取しても眠気が生じにくいのです。
また、アーモンドやナッツにはチロシンというアミノ酸が豊富に含まれています。これがドーパミンやノルアドレナリンという神経伝達物質の合成を促し、やる気を起こす働きも担っているのです。
カフェインの正しい取り方
ここまで、カフェインを含む飲み物や食べ物をいくつか紹介してきました。とはいえカフェインを摂取する際には、作用時間や摂取量に注意する必要があります。ここではカフェインの効果的な摂取の仕方や、注意点についてまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
効果的な摂取の仕方
カフェインは摂取してから、約30分後に効果が現れるといわれています。また、ストレスホルモンの分泌量が少ない午前10時、午後3時から4時に摂取することでより効果が強まるそう。飲んですぐ効果が出ないこと、そして時間帯によって効果の出やすさが変わることを覚えておきましょう。
摂取する時の注意点
カフェインの過剰摂取は、めまいや心拍数の増加、不眠症、吐き気などの健康被害を引き起こす可能性があります。カフェインは1日あたり400mg、1回あたり200mgまでの摂取にとどめましょう。
また、空腹時にカフェイン摂取すると、胃の粘膜を刺激しお腹を壊したり下痢をするケースがあります。食事の後に、できれば乳製品と一緒に摂取することで、ゆっくり持続的な吸収が可能になります。
最後に
今回は、眠気覚ましの効果のある飲み物や食べ物について紹介しました。コンビニや自販機で買える商品ばかりですので、ぜひ皆さんも眠気を覚ましたい時に使ってみてくださいね。ただし、カフェインの取り過ぎには気をつけましょう。
TOP画像/(c)Adobe stock