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生理痛にツボ押しがいいのはなぜ?
ツボとは、東洋医学において「経穴(けいけつ)」と呼ばれ、体内をはり巡る「経絡(けいらく)」の上に点在するものとされています。
毛細血管や神経が集中しているツボを刺激することで、脳内から鎮痛効果のある神経伝達物質「エンドルフィン」が分泌されるため、体の痛みやコリなどを改善すると考えられているようです。
ツボ押しには、生理痛を緩和させる効果もあり、手や足など、体の部位ごとにさまざまなツボが存在します。
即効性がある生理痛に効果的なツボ12選
全身に約700ヶ所も点在しているツボ。ここでは、その中でも生理痛の緩和に期待ができるツボの場所や効能をご紹介します。
手・足・耳・腹部にある効果的なツボを集めてみました。
生理ツボ【1】手編
合谷(ごうこく)
場所:手の甲側の親指と人差し指の骨の間にある三角形のくぼんだ部分。
効能:万能のツボと呼ばれる合谷を押せば、血行を促進するため、生理痛や頭痛、ストレスなどの緩和にも最適です。
内関(ないかん)
場所:手のひら側の手首にあるしわから指3本分下の位置。
効能:自律神経を整える効果があり、生理中に起こる胃の不快感や頭痛、不安やストレスなどを軽減してくれます。
労宮(ろうきゅう)
場所:握りこぶしを作ったとき、中指と薬指の先が当たるほぼ手のひらの中央部分。
効能:自律神経を整え、血流を促すため、生理痛の緩和、不安やストレスの軽減といった効果があります。
生理ツボ【2】足編
血海(けっかい)
場所:膝の皿内側から指3本分上の位置。
効能:血液に関する疾患に効果がある血海は、生理痛の緩和、排血量や生理周期の調整、貧血予防など、生理全般への作用が期待できます。
足三里(あしさんり)
場所:膝の皿外側(くぼみ部分)から指4本分下の位置。
効能:血流を促進し、生理痛の緩和や生理周期の調整、胃腸虚弱や便秘に効果を発揮します。
三陰交(さんいんこう)
場所:内くるぶしから指4本分上(約5cm)の位置。
効能:肝・腎・脾と3つの経絡が交わった三陰交は、生理痛の緩和、月経の促進、冷え性やむくみを改善してくれるツボです。
生理ツボ【3】耳編
子宮(しきゅう)
場所:耳上部の三角窩(さんかくか)の耳輪中央にあるくぼみ部分。
効能:子宮のコンディションを整える効果があり、生理痛の緩和、生理不順の改善などが期待できます。
神門(しんもん)
場所:耳上部の三角窩(さんかくか)の内側中央部分。
効能:自律神経を整えるため、生理痛の緩和、生理時に感じるイライラやストレスを軽減する際に効果的です。
内分泌(ないぶんぴつ)
場所:耳の穴付近にある下側のくぼんだ位置。
効能:ホルモンバランスを整える内分泌は、生理不順、新陳代謝の促進やデトックスなどに期待ができるツボです。
生理ツボ【4】お腹編
関元(かんげん)
場所:おへそから指4本分下の位置。
効能:血液を下腹部に送り出す効果があるため、生理痛の緩和や冷え性の改善、生理不順を整える際などに役立ちます。
気海(きかい)
場所:おへそから指2本分下(約2cm)の位置。
効能:全身の気が最後に流れ込む海のようなツボとされる気海は、生理痛や生理不順、腰痛や便秘に効果的です。
中極(ちゅうきょく)
場所:おへそから指5本分下の位置。
効能:肝機能を活性化させ、血行を促進するため、生理痛の緩和、生理不順の調整、膀胱炎の改善に効果があるとされています。
生理痛にやさしいツボの押し方・注意点
生理痛対策にツボを押す場合、正しい力加減や適切なタイミングを守らなければ、効果が半減したり、返って体調不良になることもあるようです。
ここからは、生理痛にやさしいツボの押し方や注意点をご紹介します。
力加減は心地よさを重視
ツボを押すときは、垂直に指圧することを心がけてください。
力加減は「痛気持ちいい」程度を目安とし、あくまでも心地よさを重視することです。
あまりに強い力で押してしまうと、体がリラックスできなくなってしまいます。深呼吸にあわせて押せば、より効果的です。
満腹時や前後の飲酒はNG
消化不良につながる恐れがあるため、満腹時のツボ押しは避けましょう。
食後にツボ押しをする場合1時間以上空けることをおすすめします。
また、ツボ押し前後の飲酒も、血行が促進されることから、悪酔いする可能性があるため、控えた方が無難です。
妊娠中のツボ押しはやめるべき
妊娠中や妊娠の可能性がある場合、生理痛対策のツボ押しは、極力控えましょう。
ツボの場所によっては、子宮を収縮させるため、流産の原因や早産を誘発することなどが考えられるからです。
妊娠中にツボ押しを実践する際は、担当医や助産婦に必ず相談してください。
生理痛をやわらげるツボ以外の対処法
生理痛がつらいとき、ツボを押す以外の対策も知っておきたいものです。ポイントは、日常生活の心がけや生活習慣の改善になってきます。
ここでは、生理痛をやわらげるツボ以外の対処法を見ていきましょう。
食べ物
常日頃の食生活を見直すことが、生理痛対策における重要なポイントです。生理痛が酷い場合は、積極的にタンパク質の摂取を心がけましょう。
肉類や魚介類、卵、乳製品などのタンパク質は、血液や女性ホルモンを生成する栄養素のため、生理痛をやわらげる体質改善につながります。
タンパク質の吸収力を高めるバナナも一緒に摂取するのがおすすめです。
飲み物
飲み物を意識することも、生理痛対策に有効的な手段です。体内の血行を促進するため、普段から白湯やホットミルク、ハーブティーなどを飲み、体を温めるように意識しましょう。
ツボ押し後30分以内に飲めば、老廃物を効果的に体外へ排出できます。
体勢
体勢を変えるだけでも生理痛をやわらげることができます。腹痛を緩和したい場合、胎児をイメージし、体を横向きに曲げて寝てみましょう。
また、腰痛対策には、仰向けで膝の裏にブランケットなどで高さを作り膝を楽に「くの字」状態にすると効果的です。
着席時に痛みを感じるときは、正座で座って両手の平を床に付けたまま身体から離れるように上方へスライド、つま先を外に開き(逆ハの字)、膝を外に向けた状態で屈伸運動をすると血行がよくなるため、生理痛が緩和する可能性があります。
腰痛マッサージ
生理痛の悩みには、腹痛や頭痛とともに、腰痛も挙げられます。生理中の腰痛を緩和したい場合、上髎(じょうりょう)と次髎(じりょう)と呼ばれるツボをマッサージしてみましょう。
上髎が背骨下部の仙骨にある1番上のくぼみ、そこから親指1本分下の位置が次髎です。両手を腰に回し、この2ヵ所を中指で3秒ほど押し、それを3分ほど繰り返せば、腰痛をやわらげることができます。
手軽にできるツボ押しで生理痛対策を
ツボ押しは、生理痛の緩和に効き目があるとされています。
その効果は、医学的見地において世界保健機関のWHOが有効性を認めている治療法です。仕事の休憩時間や家事の合間、テレビの観賞中など、簡単に実践できる点がツボ押しの大きなメリットといえるでしょう。
正しい力加減や適切なタイミング、体調などを考慮し、ぜひ実践してみてください。ツボの場所が分かりづらい場合、押したいツボの辺りをカイロで温める方法もおすすめです。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
監修者:THE CONDITIONING ROOM トレーナー 竹内なおき先生
整体師・内臓マネジメント/コンディショニング・トレーナー。「内臓環境が人間のパフォーマンスを左右する」という理論から、内臓機能を高め、その為の全身の骨格・筋肉を正しく連動させる調律法を開発。運動機能・免疫機能の向上だけでなく、ビジュアルの悩みも解決する技術は、整体セミナーや専門学校の講師を務めるなど、プロ施術家からの信頼も厚い。