「仕分け」ってどんな意味?
「仕分け作業」や「仕事を仕分ける」というように使われる「仕分け」という言葉。ビジネスシーンで使われる機会が多いですが、具体的にはどのような作業のことを指すのでしょうか? そこで今回は、「仕分け」の意味や「仕訳」との違い、使い方や英語表現などを解説します。
「仕分け」の意味
「仕分け(しわけ)」とは、「物事を区別して行うこと」。主に、仕事場で品物などを種類別、宛先別に分類する時に使われます。「仕分け」の「仕」は、「つかえること」、「分」は「わけられた部分」という意味です。
例えば、作業を区別して分けることを「優先順位の高い仕事を仕分ける」といったり、品物を種類や値段ごとに分類することを「商品を仕分ける」というように表現します。
仕訳との違い
「仕分け」と同じ読み方をする言葉に「仕訳」がありますが、意味の違いは知っていますか? 「仕訳」は、主に簿記や会計で使われる用語です。具体的には、簿記上の取引を貸方と借方に分けて、仕分帳に記入することを指します。「仕分け」と仕訳には、「分類する」という意味がありますが、使われる場面に違いがあるのです。
使い方を例文でチェック!
「仕分け」の意味や仕訳との違いは理解できましたか? 続いて、「仕分け」の使い方を例文をあげて説明します。会話の中で使う時の参考にしてみてくださいね。
1:作業を始める前に、仕事を仕分けた方が効率的だ。
「仕分け」は、主に仕事の現場で使われます。仕事には、発注作業や企画、クライアントとのやりとりなどがあり、優先順位や締め切りの有無なども異なります。
そのため、複数の仕事を効率的に行うためには、ある程度作業ごとに仕事を分ける必要が出てくるのです。ビジネスシーンでは、作業の効率性を重視した時に「仕分ける」という言葉が使われることが多いでしょう。
2:俳優たちとともに役柄の仕分けについて話し合った。
「仕分け」は作業や商品だけでなく、人の役割や役柄を分ける時にも使います。複数の人が集まる中で、適切な人物をそれぞれの役職に振り分けていくこともあるでしょう。そんな作業に対しても「仕分け」という言葉は使えます。
「仕分け」作業とは?
「仕分け」作業とは、倉庫内にある荷物を配送場所や品種別に分類することです。「仕分け」作業をすることによって、倉庫内が整理され、荷物が探しやすくなったりトラックに積みやすくなります。「仕分け」作業がある仕事として代表的なのが、コンビニやスーパーなどの小売店に配達する配送センターと宅配便の配送センターです。
一般的な配送センターでは、届けられた商品を、配送するエリアや配達先別に分けていきます。一方、宅配便の配送センターでは、トラックからおろした荷物を、種類別にベルトコンベアーに流し、担当する荷物を荷引きしていく流れになるようです。また、職場によっては、ピッキングや検品、梱包なども「仕分け」作業に含まれる場合もあります。
類語や言い換え表現とは?
物事を分けるという意味を持つ言葉には、「分別」「分類」「選り分ける」などがあります。それぞれの違いや使われるシーンに着目してみていきましょう。
1:分別
「分別(ぶんべつ)」とは、「種類によって分けること」。区別することとほぼ同義語として扱われます。日常生活では、家庭ゴミを種類別に分ける時に「分別する」と言いますよね。「分」と「別」には、ものとものを分けるという意味があるので、「分ける」ことを強調した言葉ということができるでしょう。
・家庭ゴミを燃えるゴミと燃えないゴミに分別した。
・部屋にあるものをいらないものと必要なものに分別しなさいと言われた。
2:分類
「分類(ぶんるい)」とは、「物事を種類・性質・系統などに従って分けること」。大抵は、同類のものをまとめて、いくつかのグループに区別する時に使われます。「五十音順に分類する」「5つのグループに分類する」など、様々なシチュエーションで使われる傾向がありますね。
・リスは齧歯類に分類させる。
・カードはアルファベット順に分類されていた。
3:選り分ける
一定の基準に従って区別することを「選り分ける(えりわける・よりわける)」といいます。
例えば、段ボールに入ったりんごをある基準に沿って選別する時に、「りんごを選り分けて、市場に出荷する」と表現します。単にものを分ける作業である「仕分け」とは違い、「選り分ける」には、いいものと悪いものに分けるといった意味合いが含まれているのです。。
・不良品を選り分けるのにとても時間がかかった。
・ここにいる生徒は、数多くの受験生の中から選り分けられたエリートだ。
「仕分け」の英語表現とは?
「仕分け」を意味する英単語には、「sorting」「classification」などが挙げられます。「sorting」は、「区分、分類」という意味。郵便局の分局のことを「the sorting office」といったりします。
また、「classification」は、「分類、類別、区別」などの意味があり、等級分けをしたり、格付けをしあう時などにも用いられます。「sorting」よりもやや格式ばった表現といえるでしょう。
・He sorted the jobs in order of priority.(彼は優先順位の高い順に仕事を仕分けた)
・The product sorting work continued until late at night.(商品の仕分け作業は深夜まで続いた)
・job classification(職務分類)
・classification schedule(分類一覧表)
最後に
今回は、「仕分け」の意味や使い方から、実際の「仕分け」作業の内容までをみていきました。「仕分け」とは文字通り、物事を区別して行ったり、分類別に分ける作業のこと。
一方で、意味を混同しやすい「仕訳」は、簿記や会計で使われる用語なので、使われる場面は限られます。「分類」や「分別」などの類語も覚えて、うまく使い分けてみてくださいね。
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