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2022.06.16

「早い」と「速い」の違いとは? 正しい意味や使い分け方のポイントを解説

同音異義語である「早い」と「速い」の違いは理解できていますか? あらかじめ使い分けのポイントを押さえておくことで、手紙やビジネスメールで表記の仕方に迷うこともなくなるはずです。両者の意味の違いや使い方、対義語、英語表現をチェックしましょう。

「早い」と「速い」の意味と違いとは?

メールを打つ際に、「早い」と「速い」どちらを使ったらいいか迷ったことはありませんか? 特にビジネスでは「仕事がはやい」「対応がはやい」などの表現を使う機会が多いため、正しい使い分け方を押さえておきたいものです。「早い」と「速い」には、どのような違いがあるのか、しっかりとチェックしていきましょう。

(c)Shutterstock.com

「早い」の意味

「早い」は、主に時間の経過がはやい場合に使われ、大きく分けると意味が3つあります。1つ目は「基準となる時間があり、それよりも前のこと」という意味。使い方の例は、「今年は梅雨入りが早い」「1年早く卒業した」などです。

2つ目は、「まだその時期ではないこと」。例を挙げると「結婚するにはまだ早い」「あきらめるにはまだ早い」などがあります。3つ目は、「簡単なこと。手っ取り早いこと」で、「迷っているより他人に聞くのが1番早い」というように使います。

「速い」の意味

対して「速い」は、「物事の進行や動作がはやいこと」を指します。「足が速い人」「川の流れが速い」「理解が速い人」などが代表的な例です。スピードの速さや所要時間の短さに意味が限られているため、「早い」に比べると、使われる場面がやや限定されている傾向があるでしょう。

「早い」と「速い」はどう使い分ける?

「早い」と「速い」の意味の違いを理解したところで、使い分けのポイントも一緒に覚えておきましょう。迷った時の判断基準として参考にしてみてくださいね。

(c)Shutterstock.com

時刻や時期がはやい場合は「早い」

・早く勉強しなさい。
・早いうちに手を打とう。
・出勤時間がいつもより早い。
・調べるよりも人に聞いたほうが早い。

物事を始めるタイミングや時期がはやいときには、「早い」を使います。動作そのものではなく、あくまでも定められた時間よりも前に終わった・おこなったことを表すのがポイントです。

スピードがはやい、かかる時間が少ない場合は「速い」

・クラスのB君は走るのが速い。
・彼はいつもメールの返事が速い。
・今回の新入社員は行動が速くて優秀だ。
・先輩はパソコンを打つのが速い。

行動が速やかで、短期間で終わらせることができるときに「速い」を使います。「走るのが速い」「頭の回転が速い」など、動作が基準となっていることが使い分けるコツです。

ビジネスシーンでの「早い」と「速い」の使い方

迅速な対応が求められるビジネスシーンでは、「はやい」の意味の違いは重要です。例えば、「仕事がはやい」という場合には、「早い」と「速い」の両方に変換することができますが、意味が若干異なります。

「仕事が早い」場合には、「仕事が終わった時刻が基準よりも前だ」という意味となり、具体的には、終業時間前や締め切り前に終わることを指します。一方、「仕事が速い」は、仕事をこなす動作そのものがすばやいことを表し、決められた時間内により多くの仕事を処理することを言うのです。

「疾い」や「捷い」という漢字も

「はやい」を表す漢字には他にも、「疾い」や「捷い」があります。いずれも「動きがはやい、すばやい」という意味があるため、「速い」と同じ意味合いで使うことが可能です。

そのため、「スピードが速い」「走るのが速い」は、「疾い」や「捷い」と書き表すことができます。「疾走」や「敏捷」などの熟語にも使われ、「速い」よりもさらに瞬間的なはやさを強調した表現です。

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「早い」と「速い」の対義語とは?

「早い」と「速い」の対義語は、どちらも「遅い」が当てはまります。しかし、使う状況や場面によって意味合いが変わってくるため、詳しく理解しておきましょう。

「早い」の対義語

「早い」の対義語は、「遅い」です。「早い」の対義語として使われる場合には、「一定の時間よりも後に行われること」という意味になります。例えば、「例年より寒くなるのが遅い」「遅い時間に朝食をとる」などが挙げられます。通常よりもかなり時が経っていることや時期が遅れているという意味です。

「速い」の対義語

続いて、「速い」の対義語は「遅い」と「鈍い」です。「速い」の対義語として使われる場合には、「一定の時間内に行われる動作が少ない」ことを表します。「歳を取ったからか行動が鈍い」や「事故のせいで車の進み具合が遅い」などがその例です。

「早い」と「速い」の英語表現とは?

英語の「はやい」も、日本語と同じように意味合いによって使う単語が異なります。シチュエーションに合わせて正しい英語表現ができるよう、チェックしておきましょう。

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「早い」の英語表現

時間の経過が「早い」ことを表す場合には、「early」が適切です。「early」には、「(時間が)早い」「(通常よりも)早めに」など、日本語の「早い」と同じ意味合いがあります。

・early in the morning(朝早くに)
・early in November(11月上旬に)
・She was early for her appointment.(彼女は約束の時間より早く来た)
・She started working early.(彼女は早い時間から仕事を始めた)

「速い」の英語表現

物事の進行や、動作が「速い」ことを表す場合には、「fast」「quick」を使ってみましょう。

「fast」は、「(人・物の動きが)速い」「時間がかからない」などの意味。

「quick」は、「(行動が)俊敏な」「急速に動く」という意味で、素早い行動や迅速な対応などにも使うことができます。

とにかく、短時間でより多くのことをこなすことができる人やものに対して、使うことを押さえておきましょう。

・My brother has a fast head rotation.(私の兄は頭の回転が速い)
・That medicine works fast.(あの薬は速く効く)
・Seniors are quick to write emails.(先輩はメールを打つのが速い)
・She responds quickly.(彼女は応答が速い)

最後に

「早い」と「速い」の違いは理解できましたか? どちらを使ったらいいか迷った際には、「早い」は、「一定の時間よりも前に行うこと」。「速い」は、「一定の時間内の動作の多さ」を判断基準にしてみましょう。手紙やメールで書くときには、意味と違いをしっかりと理解して、自信を持って使い分けてみてくださいね。

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