あなたの身の回りに「目が据わっている」人はいますか? じっと1箇所を見つめたまま、動かない様子は見ていて、なんだか怖い… と感じることもあるかもしれません。そこで今回は、「目が据わる」の意味や使い方、「目が据わっている」人の特徴などを解説します。身近に当てはまる人がいる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
「目が据わる」ってどういうこと?
「目が据わる」とは、瞳がじっと一点を見つめて動かなくなること。お酒に酔ったり、怒ったりしているときになりやすい傾向があります。「据わる(すわる)」には、「しっかりと定まる」という意味があることから、目線が動かず、一点を凝視している状態を「目が据わる」と言うのです。
ちなみに「目が据わる」ではなく「目が座る」と書くのは誤り。「座る」は、「腰を下ろす」「ある地位につく」ことを表す言葉なので、意味合いが異なります。
「目が据わっている」人の特徴や心理とは?
それでは、「目が据わっている」人には具体的にどのような特徴があるのでしょうか? 「目が据わっている」人によくみられる特徴や、その心理を探っていきましょう。
ポーカーフェイス
「目が据わっている」人は、ポーカーフェイスであることも。笑ったり泣いたりする感情表現に乏しいので、目つきまできつく見られてしまうのです。また、口はペラペラ喋っているのに目が笑っていない人も、怖いと思われる傾向が。本人はそういう気がなくても、怒っている、話しかけにくいという印象を抱かれることが多いでしょう。
何事にも動じない
目の動き方にもその人の性格が現れていることが多いです。例えばいつも目が泳いでいたり、キョロキョロとあたりを見渡している人は、自分に自信がなく自己主張をしない傾向があります。一方、視線が一点に定まっている「目が据わっている」人は、何事にも動じない性格。周囲の意見に振り回されず、自分は自分というしっかりとした軸を持っています。落ち着きがあり、心が安定している人が多いでしょう。
何かに怒っている
心が安定している「目が据わっている」人がいる一方で、心の中で何かに怒っている人もいます。一見静かに見えるものの、心の中では怒りの炎がめらめらと上がり、沸点ギリギリの状態。必死で怒りを抑えようとしているために、あえて一点を見つめているのかもしれません。話しかけたり、謝ったりするのは、相手の感情がおさまってからの方がいいでしょう。
使い方を例文でチェック!
「目が据わる」という慣用句は、どのようなときに使うのでしょうか? 使い方を例文でチェックしてみましょう。
1:彼は、お酒を飲むと目が据わって怖い顔になる。
あなたの周りにもお酒を飲むと「目が据わる」人はいませんか? 飲み会などで盛り上がっている中、一人でじっと一点を凝視している姿はなんだか怖い… と感じますよね。端から見れば、何かあったのかな? と心配になりますが、案外眠くて意識が朦朧としているだけ、という可能性も。理由が気になる場合は、ストレートに「どうしたの?」と聞いてみましょう。
2:彼女は僕の浮気を悟ると、途端に目が据わった。
何かを聞いたり、見たりした途端に「目が据わった」場合は、怒っていることが考えられます。特に目の色が変わったり、目に光がなくなったりするように見えたら危険なサイン。きつく問い詰められ、怒鳴られることもあるかもしれません。
3:兄は酒を飲むと目が据わってしまう癖がある。
中には、お酒を飲むと「目が据わって」しまうという癖を持っている人もいます。初対面の人からすれば、怖いと感じるかもしれませんが、家族や友人は「また、目が据わっているよ」と思って流していることも。前もって癖だとわかっていると、「もしかして怒ってる?」なんて余計な心配をすることがなくなりますね。
類語や言い換え表現とは?
「目が据わる」に似た言葉には、酔ったことを表す「酔眼」や、軽蔑している目つきである「冷眼」などがあります。それぞれの言葉の意味を理解しておきましょう。
酔眼
「酔眼(すいがん)」とは、「酒に酔ったときの目」です。酒に酔って焦点の定まらない目つきのことを言います。「目が据わる」は、酒の酔い以外の原因も考えられますが、「酔眼」は酒に酔ったときのみに使える言葉です。また、そのような様子のことを「酔眼朦朧(すいがんもうろう)」と表現します。
・父は酒を飲み過ぎて、酔眼朦朧としていた。
冷眼
「冷眼(れいがん)」とは、「人を蔑んで見る、冷ややかな目つき」のこと。冷たい眼と書くことからも、その冷ややかさが伝わってきますね。相手を軽蔑して、見下している時の冷たい視線と考えていいでしょう。
・セクハラをする上司のことを彼女は冷眼視していた。
肝が据わる
「目が据わる」と似た言葉に「肝が据わる」という言葉があります。こちらは、「落ち着いていて滅多なことでは驚かない様子」を表します。先述したように「据わる」には、「しっかりと定まる」という意味があるので、心や感情がどっしりと安定していて、度胸がある人という意味になりますね。
・彼女は歳の割に落ちついていて、肝が座っている。
睨み据える
「睨み据える(にらみすえる)」とは、「視線を動かさないで、強く睨む」こと。「目が据わる」は、一点を見つめているだけですが、「睨み据える」は意志を持って何かを強く睨んでいるさまを表します。明らかに怒りの感情を抱いているのが分かりますね。
・彼女は一歩も引かずに、彼を睨み据えた。
最後に
「目が据わる」とは、どんな状態なのか理解できましたか? 「目が据わる」ことがない人からすれば、目つきが変わらず何かを凝視している姿は、少し不気味に感じるもの。何かに怒っている場合もあれば、酔っ払ってボーッとしているだけ、ということもありますので、心配な場合は相手に確認してみるといいでしょう。ただ眠かっただけ、という答えが返ってきて、ほっとするかもしれませんよ。
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