目次Contents
この記事のサマリー
・「確認致しました」と「確認いたしました」の2つのうち、表記は「確認いたしました」が推奨されます。
・「確認いたしました」は謙譲語。
・目上の人には「承知いたしました」「拝見いたしました」などの使い分けができます。
「確認いたしました」という一言は、ビジネスのやり取りでよく見聞きする表現です。便利な言葉ですが、せっかくなら、相手に「丁寧に対応してくれた」と感じてもらえるような使い方ができるようになりたいですよね。
この記事では、正しく使うだけでなく、温かみのあるやり取りができる言い換え表現も紹介します。確かな知識を身につけて、自信を持って言葉を選べるようになりましょう。
「確認いたしました」の使い方と注意点
最初に「確認いたしました」という表現について、使い方と気をつけたいポイントを紹介します。
「確認致しました」と「確認いたしました」、どちらの表記が正しい?
「確認いたしました」は、「する」の謙譲語である「いたす」を使った表現です。「いたす」は、相手への敬意を込めて、自分の行為をへりくだって述べます。
なお、「確認致しました」と「確認いたしました」の表記についてですが、『新選国語辞典第九版』並びに『大辞泉 増補・新装版』(ともに小学館)を参照すると、いずれもひらがなにすることを推奨しています。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

「確認いたしました」をメールで使う場合の例文
「確認しました、問題ありません」のように一言だけも伝わりますが、事務的に感じることがありますよね。そんなときは、相手への感謝や理解を示す一文を添えると、やり取りに温かみを加えることができるので、使い方を確認しましょう。
ここでは、報告・依頼・謝罪、3つのシーンの例を見ていきます。
・報告
例文:「ご送付いただいた資料、確かに確認いたしました。問題ございません。ご対応、ありがとうございます」
・依頼への対応
例文:「ご依頼いただいた件につきましては、担当部署で確認いたしました。追ってご連絡申し上げます」
・謝罪
例文:「このたびのご指摘につきまして、内容を確認いたしました。今後は同様のことがないよう徹底いたします」
「確認いたしました」の言い換え表現を確認
「確認いたしました」は便利な言葉ですが、心地よく受け取ってもらえる表現を知っておくと役立ちますよ。ここでは、代表的な言い換え表現と、その使い方を紹介します。
「拝見いたしました」
「拝見」は「見ること」の謙譲語で、目上や社外の相手への返信に適しています。「確認いたしました」より、柔らかく上品な響きで、敬意を明確に伝えられます。
例文:「ご提案書、拝見いたしました。ご丁寧にありがとうございます」
「承知いたしました/承りました」
「承知いたしました」や「承りました」は、依頼や指示を理解し、その対応を約束する表現です。社内外を問わず幅広く使えます。「確認いたしました」より親しみを感じる印象になります。
例文:
「ご連絡の件、承知いたしました。対応を進めてまいります」
「ご注文の件、確かに承りました。発送準備を進めます」
「拝受いたしました」
「拝受」は「受け取ること」をへりくだって言う表現です。かしこまり度が強め、ともいえます。
メールや書類を正式に受け取ったことを伝える際に用い、特に社外の相手に対して効果的ですよ。
例文:「ご提出いただいた原稿について、拝受いたしました」

英語で「確認いたしました」はどう言う?
海外の人とのやり取りにおいて、「確認しました」の英語表現は押さえておきたいもの。スムーズにコミュニケーションがとれるように、定番のフレーズを覚えておきましょう。
“check”
“check” には、「確認する」「検査する」などの意味があるので、日本語のチェックと同じような使い方ができます。
例えば、資料を確認しましたと伝えたい場合には、“I checked the document.” “I’m done
checking the document.”などと表現してみるといいでしょう。
“done”(すでに、完全に)を使うことで確認が完了したことを強調することができます。
例文
“I have checked the reservation.”
(予約を確認いたしました。)
“confirm”
“confirm” は、「〜を確認する」「承認する」などの意味を持つ単語です。“check”よりもかしこまった表現なのでビジネスシーンで使うこともできます。 “confirm” は動詞なので、過去形で表す場合には“confirmed”になります。
例文
“I’ve confirmed the document.”
(資料を確認いたしました。)

「確認いたしました」に関するFAQ
ここでは、「確認いたしました」に関する、よくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「確認いたしました」は敬語として正しい表現ですか?
A. 正しい謙譲語です。
Q2. 「確認いたしました」と「承知しました」は置き換え可能ですか?
A. 置き換えが可能です。
「承知しました」は依頼・指示への了解を示す表現です。
Q3. メールで「確認いたしました」だけ書くのは失礼ですか?
A. 失礼ではありません。
ただし、一文だけでは、そっけなく感じることもあります。後に「問題ございません」「ご対応ありがとうございます」などを添えると丁寧です。
最後に
「確認いたしました」という言葉は、事実を伝えながら、相手に安心感も届けられる言葉です。正しい使い方を押さえたうえで、「ありがとうございます」「よろしくお願いいたします」などの一言を添えるだけで、やり取りに柔らかさが加わりますよ。
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