【目次】
・コーヒーの嬉しい健康効果とは?
・コーヒーの飲みすぎは健康に悪い?
・コーヒーを健康的に摂取する方法
コーヒーの嬉しい健康効果とは?
抗酸化作用が老化や生活習慣病を予防してくれる
コーヒーには「クロロゲン酸」という物質が豊富に含まれています。これはポリフェノールの一種で、主な役割が〝抗酸化作用〟です。
医学博士である増富健吉先生によると、このクロロゲン酸が老化や生活習慣病の原因となる「ゴミ」や「毒」を生体内から掃除してくれるといいます。
「生命維持に必要な全ての営み(これを代謝ということができる)に伴い、『ゴミ』や『毒』も作られる。
こうした『ゴミ』や『毒』が、いわゆる、がん、老化、糖尿病、生活習慣病から引き起こされる慢性炎症といった病気の原因だと考えられている。こうした、生体内にできる『ゴミ』や『毒』を掃除してくれるのが、ポリフェノールの一種である、クロロゲン酸。
クロロゲン酸のもつ抗酸化作用が、がん、糖尿病、老化、炎症、アレルギー、などの予防や改善に効果を発揮します」(増富先生)
さらにクロロゲン酸は長寿に繋がるという仮説もあるのだそう。
「究極的には、長寿にも繋がるという仮説すらある。そもそも、ポリフェノール自体が、抗老化、長寿作用ということで注目されてきた物質でもあるので、まあ、驚いたことではない」(増富先生)
筋トレや運動のパフォーマンスが上がる
コーヒーには〝カフェイン〟という物質も含まれています。カフェインには運動のパフォーマンスを上げる効果もあると増富先生はいいます。
「このカフェインという物質は、筋肉仲間達の間では密かなブームでもある。筋トレ前に摂取すれば、運動のパフォーマンスが上がるというのだ。最近は、コーヒーのカフェイン作用を期待して、筋トレジムでは、マッチョ兄さん達は、ブラックコーヒー飲みながらやっています」(増富先生)
興奮作用で頭がすっきりする
コーヒーに含まれるカフェインには〝興奮作用〟もあります。
そのため眠ってはいけないときなどに摂取すると、頭がすっきりしパフォーマンスがアップします。
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胃腸の働きを良くする
コーヒーには〝オリゴ糖〟も多く含まれています。内科医である成田亜希子先生によると、このオリゴ糖が便秘解消に役立つといいます。
「コーヒーにはビフィズス菌などのエサとなるオリゴ糖が多く含まれており、腸内環境を整える働きがあります。また、コーヒーに多く含まれるカフェインには、大腸の運動を促す作用もあるとされています」(成田先生)
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リラックス効果も期待できる
コーヒーの香りによってリラックス効果が得られるともいわれています。これはコーヒーの香りを嗅ぐと〝α波〟という脳波が多く出現することからもわかっているのだそう。
ストレスを感じたときやリラックスしたいときは、浅煎りよりも深煎りのコーヒーを嗅ぐのがおすすめです。
コーヒーの飲みすぎは健康に悪い?
安眠を妨げることがある
コーヒーに含まれるカフェインには興奮作用があるため、頭をスッキリさせたいときやパフォーマンスを上げたいときには最適ですが、この影響で夜の安眠を妨げてしまう可能性もあります。
医師である蘆田英珠先生によると、実際カフェインによって不眠になっている人が多いのだそう。
「意外かもしれませんが、カフェインが原因で不眠が続いている人も多いです。人によって排出力は異なりますが、カフェインは8~14時間、体内から排出されないので、昼に飲んだコーヒーの影響で眠れなくなっている場合も。不眠でお困りの方はカフェイン断ちをおすすめします」(蘆田先生)
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便秘が悪化する可能性がある
大腸の運動を促す作用があることは先述しましたが、飲みすぎると便秘を悪化させることがあると、内科医である成田先生はいいます。
「カフェインには利尿作用もあるため、飲みすぎると水分が失われ、かえって便秘が悪化することもあります。便秘の時は、一日に2~3杯ほどを目安としましょう」(成田先生)
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副腎疲労になることも
コーヒーに依存してしまうと、副腎疲労をまねくことがあるようです。そもそも副腎とは、腎臓の上にあるストレスを消すホルモンを分泌している臓器のこと。
ストレスを過剰に感じると、副腎は大量にホルモンを作り出さなければならない状態になり、その状態が続くとホルモン分泌が減り、ストレスに対抗できなくなってしまいます。
この状態が「副腎疲労症候群」といわれています。
\副腎疲労症候群の症状の一部/
・疲れがなかなか取れない
・体力が減少する
・無気力、無関心
・集中できない
・眠れない(または熟睡できない)
・むくみやすい
コーヒーには、副腎から分泌されるホルモン「アドレナリン」「ノルアドレナリン」「コルチゾール」の分泌を促す作用がありますが、これらのホルモンが過剰に分泌されることで副腎疲労を招いてしまいます。
その他、タバコ依存やストレスによっても起こってしまうことも…。
副腎疲労の状態が続くと、副腎不全という病気にかかる可能性もあるようなので、疲れが抜けずついコーヒーに頼ってしまうという人は、特に注意した方がいいかもしれません。
コーヒーを健康的に摂取する方法
1日の目安は3~4杯
WHO(世界保健機関)は、1日のコーヒー摂取の適正量を3~4杯と定めています。
思い返すとコーヒーを飲みすぎている人や、夜中に飲んでしまいなかなか寝付けない人は、1日の摂取量を見直してみましょう。
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インスタントよりドリップ
コーヒーを飲むならインスタントコーヒーよりも、ドリップコーヒーの方がおすすめです。その理由は、栄養素の含有量にあります。
たとえば抗酸化作用を持つクロロゲン酸。インスタントコーヒーと比べて、ドリップコーヒーには5倍近くの量が含まれているといわれています。
カフェインの含有量は同じなので、コーヒーをよく飲むという人はインスタントコーヒーよりもドリップコーヒーを積極的に選んでみてはいかがでしょうか。
生理中は控えるのが無難
コーヒーには「チラミン」という成分が含まれていますが、実はこのチラミン、血管や子宮を収縮させる成分で、生理痛を増強させてしまう可能性があります。
さらにコーヒーに含まれるカフェインは体を冷やすといわれているので、生理中は避けるのがベストです。
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睡眠4時間前は控える
睡眠を妨げるものの代表がコーヒーに含まれる「カフェイン」です。
カフェインの覚醒作用は4~5時間持続するといわれているため、睡眠に不安のある方は、特に寝る4時間前のカフェイン摂取は避けるのが無難です。