妊活を考え始めたら、気をつけたい3つの大事なこと
■1.喫煙のリスクを知って早めの禁煙対策を!
様々なNG行動の中でも、1番注意していただきたいのが、「喫煙」です。喫煙は、妊活に限らず、妊娠後にも悪影響を与えてしまいます。
なぜ喫煙はこのように様々なリスクの要因となってしまうのでしょうか。
これは、「女性ホルモン」と関係があります。喫煙することによって体内に吸収されるニコチンは、卵巣の血流減少による酸素欠乏を引き起こします。これが原因で女性ホルモンが作られにくくなってしまうのです。また、女性ホルモンが血液を通して卵巣から子宮へと流れるのも、たばこの成分によってはばめられてしまいます。
女性ホルモンへの悪影響が、卵子の成熟の阻害などにつながります。卵巣の機能低下や早発閉経の誘発、卵子の質が悪くなり体外受精成功率の低下など、妊活の落とし穴と作ってしまうのです。更に、妊娠後も、流産などのリスクを高める要因となってしまいます。
禁煙は、今日から始めよう、と思ってもなかなか始められるものではありません。将来子どもが欲しいな、と思ったら、少しずつ、まずは節煙から始めてみませんか?
■2.お酒もほどほどに! 適正量を知って楽しい「飲みライフ」を
お酒が毎日の楽しみ、という方も多いのではないでしょうか。仕事の後の一杯、最高ですよね。
しかし、妊活においては、摂取量に注意が必要です。特に考えて欲しいのが、「赤ちゃんへの影響」です。アルコールは胎児の奇形を起こす可能性があります。母親が摂取したアルコールが胎盤を通り、胎児へ流入してしまうのです。
アルコールによる障害に「胎児性アルコール・スペクトラム障害」と呼ばれる障害もあります。この障害は、先天性の病気として、ダウン症の次に多いとされている国もあるのです。
とはいえ、リフレッシュに飲みたいときもあると思います。この量を越えなければOK、といった正確な決まりはありませんが、目安として一日でビール大瓶1本程度であれば大丈夫、といわれています。控えるに越したことはありませんが、飲む際には、適量を心がけるようにしてくださいね。
■3.カフェインも影響? 取りすぎには注意して!
カフェインの摂取については、直接的な影響は無いものの、多量に摂取すると妊娠までの期間が延びてしまう、という検証結果があります。
考えられる要因としては、カフェインの利尿作用が子宮を冷やしてしまったり、夜に摂取することで眠れなくなり、妊活に最も重要な生活習慣が崩れてしまったり、といったことが挙げられます。
WHOでは、一日のコーヒー摂取の適正量を3∼4杯、と定めています。普段あまりにも飲みすぎている方や、つい夜なかに飲んでしまいなかなか寝付けないという方は、一日の取り方を見直してみてくださいね。
■妊活・妊娠ばかりに気をとられず、たまには息抜きを
さて、今回は3つの注意事項をご紹介しましたがもう一つ、大切なことがあります。それは、妊活を意識しすぎて、ストレスをためない、ということです。このページに来られた方の中には、ネットで「妊活」というワードを検索することが日常化している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
妊活をされた方の中には、「妊活からいったん離れよう」と意識を変えたら妊娠できた、という方もいらっしゃいます。ついついネガティブな情報を検索してしまったり、周期のちょっとしたズレに敏感になりすぎたり…もしかしたらストレスがたまっているかもしれません。
妊活に励まれる際には、息抜きの時間や他のことに熱中する時間を設けることもおすすめです。3つのNGと共に、気にかけてみてくださいね。
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医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。