生理周期が短い。これって大丈夫? 原因はなに?
終わったばかりなのにまた出血…そんなお悩みを抱えていませんか? そして、悩みながらも、「ちょっとした体調不良かな」とその症状を放置し続けてはいませんか?
もしかしたら、ただの体調不良ではないかもしれません。どのような原因が考えられるのか、
前回の生理が終わってからまだ日が浅いのに、出血している…その際に考えられる要因は様々ありますが、大きく「不正出血」と「頻発月経」の2つに大きく分かれます。それぞれどんな症状があるのか、それぞれ解説していきます。
■少量でも受診をお勧め! 不正出血の可能性
生理以外の出血を「不正出血」といいます。この場合、次のような原因が考えられます。
《子宮頚管ポリープ》
この症状は40代に最も多く見られます。この症状が発見されたら、不正出血を防ぐためにも切除をすることをお勧めしますが、状態によっては切除が不要と判断される場合もあります。また、一度切除しても、再発する可能性も高い病気です。まれに悪性になることもあるため、経過を観察するためにも可能であれば定期的に産婦人科を受診されることをおすすめします。
《子宮内膜症》
子宮内膜症というのは、一言でいうと、子宮内膜の組織が子宮内膜以外の場所にできてしまう病気です。この症状を治療せず放置しておくと、不妊やがんの原因となる可能性があります。そのため、薬の服用や手術などの治療を早期におこなうことをお勧めします。
《子宮がん》
様々な出血の原因の中でも特に怖いのが、子宮がんである可能性です。様々ながんの中では比較的生存率が高いとは言われているものの、「がん」であることには変わりません。全身に転移する可能性もあります。自覚症状が少ない中で、不正出血は重要ながんのサインかもしれません。
ご紹介した他にも様々な原因が考えられますが、子宮がんをはじめ、身体に大きな影響を及ぼす可能性があるため、出血が少量でもまずは受診をおすすめします。
■妊娠を望む場合には早期治療を! 頻発月経の可能性
不正出血の他に、前回の生理周期から24日以内に生理が来てしまうことを「頻発月経」と呼びます。頻発月経は、性周期の中で「卵胞期」や「黄体期」が短縮してしまうことで発生します。
卵胞期が短縮することを「卵胞期短縮症」、黄体期が短縮することを「黄体機能不全」と呼びます。頻発月経は、妊娠を望まない場合は特に治療は必要ありません。
しかし、この2つの症状はどちらも不妊原因となる可能性があります。「卵胞期」が短い場合、卵胞が未成熟のままとなってしまうため、受精できたとしても受精卵の成長が不十分となる可能性があります。また、「黄体期」が短い場合には、受精卵の着床の妨げや、流産につながるおそれがあります。
そのため、将来妊娠したい、と思ったら早期に治療に取り組むことが必要です。
生理はどうしても個人差がありますし、その時の体調やストレスにも左右されるため、周期が短くても「まあいいかな」と放置するケースが多く見られます。しかし、生理周期が短いことは、原因は何であれ、「普通の状態ではない」ことなのです。
将来の妊活への不安を少しでも取り除くためにも、気になる出血が続くようでしたら、一度病院で検査をすることをお勧めします。
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医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。
東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。
監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。