お腹がパンパンに張って苦しい…。気持ち悪い…。そんな辛い症状を引き起こす便秘は、お腹の症状だけでなく、お肌の調子も悪化させることがあります。
ポッコリした下っ腹や吹き出物ができやすくなる便秘は女性の大敵ですが、20~40代の女性は便秘に悩む人が男性よりもはるかに多いとの調査結果もあるんです。
【目次】
・【便秘 解消法】食べるといいものって?
・【便秘 解消法】飲むといいものって?
・【便秘 解消法】即効性のある薬ってある?
【便秘 解消法】食べるといいものって?
そもそも、便秘はどのような原因で引き起こされるのでしょうか?
便秘とは、便を十分かつ快適に出し切れていない状態のことを指します。便は大腸で作られています。飲食物は胃、十二指腸、小腸などを通って細かく液状に消化され、大腸に送り込まれると大腸の粘膜で水分が吸収されて固形の便が作られるのです。通常は、大腸の先にある直腸に便が入り込むと便意を感じて排便行動に至りますが、これらの過程のどこかに異常があると便秘を引き起こすことになります。
■便秘の原因として多いのは、水分不足
体内の水分が不足した状態が続くと、大腸で水分が過剰に吸収され、通常よりも硬い便になります。その結果、便が排出されづらくなって便秘になってしまうのです。
その他にも、大腸内で作られた便を直腸へと送りだす蠕動(ぜんどう)運動が弱まると、便が大腸内にたまって便秘を引き起こします。大腸の運動は自律神経に司られているため、ストレスや疲れなどによる自律神経バランスの乱れが便秘の原因になることも少なくありません。
また、妊娠中や産後の女性に多い「痔」も便秘の原因になります。
このように、便秘には様々な原因がありますが、便秘を改善するにはそれらをひとつずつ改善していく必要があります。
■日常生活で気をつけたい食べ物
水分を多く含み、腸内の環境を整えて腸の運動を促すような作用のある食べ物を積極的に摂りましょう。具体的には以下のような食べ物がおススメです。
食物繊維
便が硬い人は、便を柔らかくする作用のある水溶性食物繊維を多く摂るようにしましょう。海藻類、こんにゃく、果物などに多く含まれています。
一方、豆類や根菜類、キノコ類などに多く含まれる不溶性食物繊維は、便のカサを増して大腸を刺激し、蠕動運動を促す作用があります。ダイエット中などで食事量が少なく、大腸に十分な刺激を与えられないことが原因で便秘になっている場合には不溶性食物繊維がおススメです。
しかし、十分な食事を摂っている便秘の人が不溶性食物繊維を多く摂ると大腸内に溜まった便が更に大きく硬くなることでかえって便秘が悪化することもあるので注意が必要です。
乳製品、発酵食品
腸内の善玉菌であるビフィズス菌を多く含む乳製品や納豆、みそなどの発酵食品は、腸内環境を整え、大腸の運動を整える働きがあります。過剰な摂取は下痢を引き起こすこともありますので適度な摂取を心がけましょう。
刺激物
香辛料や炭酸飲料、適度のアルコールなどが大腸を刺激して排便を促すこともあります。しかし、同時に胃の粘膜などにも負担をかけることになりますので、胃痛や吐き気などの症状があるときや、胃炎になりやすい人にはおススメできません。
【便秘 解消法】飲むといいものって?
便秘に悩んだときは、食事だけでなく飲み物にも注意してみましょう。コンビニで手軽に購入できるおススメの飲み物は次の通りです。
■牛乳、ヨーグルトドリンク
牛乳やヨーグルトドリンクには腸内環境を整えるビフィズス菌が多く含まれています。ホットミルクよりもよく冷やした牛乳を飲むと、消化管が刺激されて腸の動きも活発になります。起床時などに飲むのがオススメです。
■コーヒー
コーヒーにはビフィズス菌などのエサとなるオリゴ糖が多く含まれており、腸内環境を整える働きがあります。また、コーヒーに多く含まれるカフェインには大腸の運動を促す作用もあるとされています。
しかし、飲みすぎにはくれぐれも注意しましょう。カフェインには利尿作用もあるため、飲みすぎると水分が失われ、かえって便秘が悪化することもあります。便秘の時は、一日に2~3杯ほどを目安としましょう。
■抹茶ラテ
抹茶には豊富な食物繊維が含まれており、抹茶ラテには腸内環境を整える乳成分も含まれているので便秘対策には一石二鳥です。よく冷やして飲むとより効果的です。カロリーが気になる場合にはデザートとしていただくのがオススメです。
便秘に効く飲み物はコンビニでも多く販売されています。しかし、便秘対策の上で最も重要なのは飲み物の種類ではなく、飲み物の「量」です。便秘に効果的な飲み物を摂取したからと言って、全体的な水分量が不足した状態では便秘は改善しません。
便秘になりがちな人は、一日に1.5~2リットルの水分を摂るよう心がけ、汗をかいた後などは特に多く摂ることが大切です。
【便秘 解消法】即効性のある薬ってある?
便秘がひどい時は、思い切って便秘薬に頼ってみるのも一つの方法です。
現在、広く使用されている便秘薬は大きく分けて3つのタイプがあり、排便を促すメカニズムが異なります。いずれも即効性がありますので、医師や薬剤師に相談して自身に適した便秘薬を処方してもらいましょう。
■便秘薬の特徴
酸化マグネシウム
大腸での水分の吸収を阻害して、便を柔らかくする作用を持ちます。便が硬くなりがちな人に適した便秘薬ですが、依存性がなく長く服用を続けても特に問題がないため、様々なタイプの慢性的な便秘に対して広く使用されています。
センナ、ダイオウ、ビコスルファートナトリウムなど
大腸を刺激して蠕動運動を亢進させる作用を持つため、大腸の運動が低下しがちな人に適した便秘薬です。しかし、依存性があり、長く服用を続けていると効果が出にくくなったり、服用しないと排便できなくなったりすることがあります。
アミティーザカプセル
小腸での水分分泌を促す薬で、大腸内での便の移動をスムーズにする効果があります。比較的新しいタイプの便秘薬で高価なのがネックです。また、妊婦さんの服用は禁忌とされているので、妊活中の人も含めて服用する際は注意が必要です。
成田亜希子先生
一般内科医。プライベートでは二児の母。
保健所勤務経験もあり、医療行政や母子保健、感染症に詳しい。
国立医療科学院などでの研修も積む。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属。