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そもそも「虚言癖」とは?
人の性格や性質を表す「虚言癖」。あまりいい印象は持たれない表現ですよね。「虚言癖」は、<きょげんへき>と読み、意味は「どうしても繰り返し嘘をついてしまう性質」です。
社会の中で不特定多数の人と接していると、人間関係を円滑に進めるために、ときには自分の本心と裏腹な発言をしたりすることがありますよね。ですが「虚言癖」の人の場合、嘘をつくのに明確な理由はありません。言葉の通り、嘘をつくこと自体が癖になってしまっているのです。
「虚言癖」の人の特徴とは?
それでは、具体的にどのような人が「虚言癖」の持ち主なのでしょうか? 代表的な特徴から見ていきましょう。
八方美人
相手によってコロコロ態度を変えて愛嬌を振りまく「八方美人」な性格の人は、一歩間違えると嘘をつきやすいと見られてしまうことも。自分に興味を持ってもらいたい、楽しい人だと思われたいという気持ちから、相手が喜びそうな嘘や綺麗事を言ってしまう…そんな経験、ありませんか?
そのため、あまりに都合が良すぎる、よく考えると辻褄が合わないと感じる話は、もしかしたら嘘の可能性も。相手の発言が嘘か本当か、冷静に見極めることが大切です。
勘違い・思い込みが激しい
「虚言癖」の人は、勘違いや思い込みの激しい傾向も見られます。たまたま話しかけられなかっただけで、「仲間外れにされている…」と被害妄想に陥ったりする人や、中には、少し親切にされただけで「この人は自分に好意がある」と思い込んで好きになってしまう、といった人も。周りから「それは誤解だよ」と説明されても、聞く耳を持たないことも。
一旦、自分で思い込んだら、簡単に考えを変えない頑固な性格でもあるでしょう。あまりに勘違いが頻繁だと、相手からうんざりされてしまうかもしれませんね。
目立ちたがり屋
「虚言癖」の人の中には、目立ちたがり屋な性格の人も。他人から注目されたい、すごいと思われたいという承認欲求が強いため、大げさに話を盛ってしまったり。職場や学校では、組織のリーダーに立候補したり、チームワークが重視される場面であっても一人で結果を出そうとします。積極性があることは長所でもありますが、あまりに独断的だと周りから煙たがられてしまう可能性も…。
人より上に立ちたいという気持ちから「虚言癖」になる場合もあるため、男性に多い特徴といえるかもしれません。
「虚言癖」がある人の心理や原因とは?
嘘をたくさんつく人は、どうして嘘を重ねてしまうのでしょうか? その心理や原因を見ていきましょう。
コンプレックスやトラウマがある
「虚言癖」の人の中には、コンプレックスやトラウマを抱えている人もいます。例えば外見にコンプレックスがある人の場合、「この間、知り合いに可愛いといわれた」などと自慢することがあります。また、恋人がいないことをコンプレックスに感じている場合、それを隠したいという思いから「昨日○○に告白された」などと嘘をついてしまうことも…。
幼少期、親から充分に愛情をもらえなかったなどのトラウマがある人は、周りの人の気を引きたいために、不必要な嘘をついてしまうことがあるのです。
隠し事や秘密にしていることがある
人は隠し事や秘密にしたいことがある時、一番嘘をつきやすいものですよね。その嘘がバレないように、さらに嘘を重ねてしまうと、「虚言癖」になってしまう可能性があります。
人は嘘をついていると無意識に目が泳いだり、行動が挙動不審になります。自分ではうまく隠せたつもりでも、相手にはとっくにバレているかもしれません。これ以上迷惑をかけないためにも、早い段階で素直に謝ることが大切です。
見栄っ張り
「虚言癖」の人は、見栄っ張りな性格でもあります。「頭が良く見られたい」「お金持ちに見られたい」「カッコイイ彼氏を連れていたい」など、理想の自分像があり、高い理想と現実のギャップを埋めたいという心理から嘘をついてしまうのです。「○○さんてすごい!」と周りの人に羨ましがられることで、ますます自慢話に拍車がかかってしまうことも。
気がついたら後に引けなくなっていたために、嘘を繰り返してしまうのかもしれません。
「虚言癖」の人への対応方法とは?
職場や身の回りに付き合いづらい「虚言癖」の人がいる、といった場合。そのような人とは、どう接したらいいのでしょうか? 対応方法を紹介します。
話を鵜呑みにしない
身の回りに、「この人、虚言癖かも?」と思う人がいたら、あまり話を鵜呑みにしない方がいいでしょう。「虚言癖」の人は、周りの人の関心を引きたいという気持ちから物事を誇張したり、聞き手に気を持たせる嘘をついたりします。そのため、期待して待っていたら、後から嘘だとわかってガッカリ… なんてことも。
特に仕事の話や誰かの噂話だった場合、信じ込んだために自分に被害が及ぶ可能性もあります。相手の言動を見て「嘘かもしれない」と感じたら、うまく聞き流しましょう。
適度に距離をとる
「虚言癖」の持ち主は、自分の言動で周りの人々を混乱させている、という自覚がありません。あまり共感して話を聞きすぎると、調子に乗って嘘や誇張がよりエスカレートしてしまうかもしれません。
もし、職場に嘘つきの人がいる場合、「最低限の挨拶と業務上のやりとりはする」「プライベートでは深く関わらない」など、自分なりのルールを決めるのが吉。「虚言癖」な人の、その場限りの嘘に振り回されないよう心がけましょう。
冗談っぽく、嘘に気づいていることを伝える
仲が良い友達や同僚が会話の中で嘘をつく人で、リアクションに困っている… そんな悩みを抱えている方におすすめの対処法です。相手の言っていることが明らかに嘘だと思った時には、「ほんとに〜??」などと冗談っぽく疑っている様子を伝えて〝嘘だとわかっているよ〟とアピールしてもいいかもしれません。
また、仲の良い友達があまりにも嘘を重ねていると「大丈夫?」と心配になりますよね。過剰な場合は、「パーソナリティ障害」などの心の病気であることも考えられます。様子を見て判断しましょう。
「虚言癖」を治す方法はある?
無自覚なことの多い「虚言癖」ですが、特徴を読んで「私も当てはまるかも」と感じた人もいるかもしれませんね。一緒に「虚言癖」を改善させる可能性をチェックしましょう!
何に対して嘘をついているか自覚する
もしかしたら、私も嘘つきかも… と思ったら、まずは自分が何に関して嘘をついているのか探りましょう。外見や性格、職業や恋愛面、失敗した出来事など、どの部分で嘘をついているか振り返ってみてください。自分自身がどこにコンプレックスやトラウマを感じているのか、嘘の原因に気づくことが大事です。
嘘がバレていると自覚する
「虚言癖」の人は、大抵自分の嘘はバレていないと思っている傾向が。しかし、その場ではうまく隠せたと思っても、身近な人は話の辻褄が合わないことに気がついているはず。まずは、自分が嘘をつくことで相手に嫌な思いをさせているという自覚を持ちましょう。
「自分がどう見られたいか」より、「今の自分がどう見られているか」を冷静に客観視してみましょう。それができれば、おのずと嘘の回数も減っていくはずです。
自尊心を高める
嘘をついてしまうのは、自分に自信がないからかもしれません。自分を大きく見せるための嘘が多いなら、自尊心を高めて自信を持つことが大切です。理想の自分に見せるために嘘をつくのではなく、理想の自分になれるように努力してみましょう。
まずは今の自分を否定せず、簡単な目標を決めて挑戦してみましょう。自分の本心に素直になり、受け入れることができれば、嘘をつくこともなくなっていきます。
まずは上手に距離を取るのが吉。自覚がある人は、あらゆる角度から自分を見つめてみて
今回は、「虚言癖」の人の特徴や、心理・原因を解説しました。身近に嘘をつく人がいると、どう接したらいいのか困ってしまいますよね。まずは適度な距離感を保ちつつ、様子をみてみましょう。
また、自分も嘘つきかも… と感じた場合は、落ち着いて自分の言動を見つめ直してみてください。嘘をついてしまう原因が分かれば、改善策もきっと見えてきます。嘘でごまかさず、できることから始めていきましょう。
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