「弄って」の読み方と意味とは?
「弄って」と目にしたとき、あなたはこの言葉をどう読みますか? あまり見慣れない漢字なので、もしかすると読めない方も多いかもしれません。本記事では「弄って」の読み方、意味、漢字の由来や使い方を丁寧に解説していきますので、ぜひ覚えてください。
「弄って」の読み方は二通り
「弄って」は、もとは「弄る」という動詞です。読み方は二通りあり、一つ目は<いじる>で、「襟を弄って」「機械を弄って」「庭を弄って」「後輩を弄って」などと使われ、それぞれ別の意味があります(詳細は次項で解説)。二つ目の読み方は<まさぐる>で、手先であちこち触ったり、探したりする様子、もてあそぶさまを表します。
「弄って」の意味
「弄って(いじって)」と読む場合は、次の4つの意味があります。では、一つひとつ解説していきますので、見ていきましょう。
(1)指先や手で触れたりなでたりすること
まずは「弄って」の基本的な意味です。指先で何かを触ったり、なでたりすることを指します。「襟を弄って」や「髪を弄って」などと使われる言葉です。
(2)物事を少し変えたり、動かしたりすること
ある物に手を加えて変更する事や動かすことの意味。例えば、機械などの仕様を「弄って」使いやすいようにしたり、スマホを「弄って」調べ物をしたりする時などに使われます。
(3)趣味として楽しむために、あれこれと手を加えたり、操作したりすること
「弄って」は、趣味の場面でも使われます。例えば「庭を弄って」は、趣味として庭の手入れをしたり園芸などをすること。「プラモデルを弄って」は、趣味のプラモデルを作ったり直したりすることです。
(4)おもしろ半分に、いじめたり、からかったりすること
からかうという意味の「弄って」は、バラエティ番組やネットなどでよく使われ、時に「イジって」とカタカナで表記されることも多いです。但し、執拗に「弄って」、相手を傷つけるようなことは決してしてはいけません。いじめと紙一重ですので、気を付けましょう。
漢字の由来
「弄」という漢字は、玉(宝石)を両手でもって捧げている様を表しており、「持ってあそぶ」から「弄ぶ(もてあそぶ)」という意味を持つようになったとされています。漢字の形や由来を知ると、意味や読み方も理解しやすいでしょう。
「弄って」の使い方を例文でチェック
では、いろいろな意味を持つ「弄って」という言葉を使って、例文をご紹介します。
「無意識に毛先を弄ってしまう癖はいますぐやめなさい」
指先で毛先を触る様子を表しています。あまり品のある行為ではないので、人前ではできるだけ控えた方が無難といえるでしょう。
「車を弄っていたら、手を怪我してしまった」
車の修理などで、いろいろと手を加えている様子です。他には「パソコンを弄る」など、機械の修理や改造などの場面で比較的多く使われます。
「庭を弄っていたら、うぐいすの鳴き声が聞こえ春の訪れを感じた」
趣味を楽しむ場面で使われるフレーズ。他には、「骨董品を弄る」などがあります。
「後輩を弄っていたら、本気で怒ってしまった」
こちらは、人をからかうという意味で使われる「弄って」になります。バラエティ番組では芸人さんなどに対して面白おかしく使われますが、必要以上に「弄る」ことは、相手を傷つけかねません。受け取り方次第では、いじめと捉えられてもおかしくありませんので、執拗な行動には気をつけましょう。
「家の鍵が見つからず、カバンの中を弄った」
こちらの例文は<まさぐった>と読むパターン。カバンの中を手であちこちかき回す様子を表します。
「弄ぶ」「弄する」の読み方と意味とは?
「弄」には、さらに次のような読み方や意味もあります。一つは、「弄ぶ(もてあそぶ)」です。手であれこれ「弄る」という意味の他、心の慰みとして愛することや、好き勝手に扱うこと、なぶることを意味します。二つ目は、「弄する(ろうする)」と読み、もてあそぶこと、からかう、なぶりものにするという意味です。
<例文>
・「人の心を弄ぶ人は、いつか必ず痛い目を見る」
・「若い人に弄ばれている姿は、見ていられない」
・「詭弁を弄する政治家が後を絶たず、うんざりする」
・「あらゆる策を弄したが、結果的に勝つことができなかった」
さまざまな読み方と使い方を覚えてシーンに合わせて活用を
「弄って」について解説しました。「弄」という漢字には、様々な読み方や使い方があります。「弄る(いじる)」「弄る(まさぐる)」「弄ぶ(もてあそぶ)」「弄する(ろうする)」と、送り仮名も変化するため、使用する場面に応じて、ひらがなやカタカナで表記するなど工夫すると、相手にも伝わりやすいでしょう。
また、状況によっては、あまりいい意味をなさない言葉になりますので、一般常識として、ぜひ、覚えておいてください。
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