「独身貴族」とは?
「独身貴族」の意味を知っていますか? もちろん独身の貴族、ではありませんよ(笑)。
独身生活を謳歌しているように見える男性を指す「独身貴族」という言葉。一見幸せそうな彼らは、本当に満足しているのでしょうか。本記事では「独身貴族」の特徴と、彼らが寂しさを感じるシーンについて紹介していきます。
「独身貴族」の意味
「独身貴族」とは、結婚せずに独身生活を存分に楽しんでいる人のことを指します。
家族がいると、時間やお金など何かと制約がつきまといますが、独身であれば、時間もお金も自分のためだけに使うことができます。そんな悠々自適な雰囲気が「貴族」っぽいと表現されたのでしょう。
ちなみに、「独身貴族」という言葉は男性によく使いますが、女性にはあまり使われません。
「独身貴族」の特徴
では、独身の男性すべてが「独身貴族」なのかというと、そうでもありません。独身生活を謳歌している場合にのみ、そう呼ばれます。具体的な特徴を挙げてみますね。
お金に困っていない
「貴族」というからには、お金に余裕がなくてはなりませんよね。高級車に乗っていたり、ブランドものの服を好んで着ていたり…。一目見て経済的に困っていないということがわかるのが「独身貴族」の特徴といえるでしょう。
仕事がライフワーク
「独身貴族」と呼ばれる人は、天職ともいえる仕事についていることが多い可能性が。もはやライフワークといったほうが良いかもしれません。お金のために働くのではなく、自分の使命として働く。そんな雰囲気を醸し出しているのです。
ちょっとわがまま
プライドが高く、ちょっとわがままな感じも「独身貴族」には感じられます。そういうところも「貴族」っぽいのかもしれません。プライドが高いがゆえに、自分の考えは常に優先されると思っている節があるかも。
趣味が多い
「独身貴族」は、時間にもお金にも余裕がありますから、多彩な趣味を持っています。おしゃれにも敏感ですし、おいしいお店や、話題のレストランのチェックは怠りません。会話の引き出しが多いため、一緒にいるとけっこう楽しいのが「独身貴族」です。
身なりがきちんとしている
「独身貴族」と呼ばれるからには、ビジュアルにも気を使っている可能性が高そう。服装はもちろんのこと、グルーミングやヘアケア、お肌のお手入れなどの清潔感にも気を使っているからこそ、周囲から”貴族”認定されるのでしょう。
結婚する気はさらさらない
「独身貴族」は独身生活を謳歌していますから、それを捨てるつもりはさらさらありません。長く付き合っている彼女がいてもです。そこが「独身貴族」のずるいところです。
女性の「独身貴族」はいないの?
少し前までは、女性は早く結婚して家庭に入るという感覚が普通でしたから、女性が独身でいると「何か問題があるのか?」と勘繰られたり、「いきおくれ」などとひどいことを言われたものです。ですから、女性が独身生活を謳歌すること自体があり得ない状況でした。
しかし、最近ではそんなことは言われなくなりましたし、実際、独身を楽しんでいる女性も多くなってきました。ただ「独身貴族」という言葉より「おひとりさま」といった言葉の方が、女性に対して使われることは多い傾向に。
実際「独身貴族」ってどのくらいいるの?
総務省統計局の国勢調査によれば、30代男性の未婚率は30歳から34歳で47.1%、35歳から39歳で35.0%とされています(内閣府 令和2年版 少子化対策白書「3.婚姻・出産の状況」)。つまり、30代男性の4割が独身ということですから、結構多い気がしますね。
そして、30代男性の平均年収は484万円(平均年収.jp「30代社会人の平均年収はどれくらい!?」)と言われているため、ひとりで暮らすには十分といえそうです。
つまり、30代男性の大半が「独身貴族」だと言ってよい状況のよう。そう考えると、日本にたくさんの「独身貴族」がいるといえそうです。
「独身貴族」に悩みってないの?
独身生活を楽しんでいる「独身貴族」たち。彼らに悩みはないのでしょうか?
病気や災害に見舞われたとき
「独身貴族」が最も孤独を感じるとき、それは、病気や災害に見舞われた時かもしれません。いざというときに頼りになる家族がいない、ということに直面することに。
友人に子どもが産まれたとき
仲のいい友人に子どもが産まれて、とても幸せそうな様子を見たとき、「ひとり」を楽しんでいる「独身貴族」であっても、寂しさを感じる様子。
いつも一緒に飲み歩いていた友達が、赤ん坊の寝顔を見るためにそそくさと家に帰る様子を見て呆れ顔をしつつも、どこかうらやましい気持ちになったりもするのではないでしょうか?
老後を考えたとき
上記内容と少し重なるところがありますが、独身を貫くということは、老後も一人で暮らすということでもあります。年老いて体が言うことを聞かなくなった、あるいは重い病を患ってしまった、そんなときにひとりでやっていけるのだろうかと、ふと考え込んだりもするのです。
親が亡くなったとき
多くの親が、子どもに対して幸せな家庭を持って欲しいと思っているものです。そんなプレッシャーを押しのけて独身生活を謳歌してきた「独身貴族」ですが、親が病気になったり、亡くなったりしたときに、親の願いを叶えてあげられなかったことに後悔をしたり、天涯孤独になってしまったと感じたりすることがあるようです。
時間とお金の使い道が思いつかなくなったとき
常に自分の要求を満たすために、お金と時間を使ってきた「独身貴族」も、その用途がなくなったとき、心に穴が空いたような、やり場のない虚しさを感じたりするのです。
お金で手に入れられるものもあれば、お金で買えないものもたくさんあります。そこには、どうしても踏み込めないのが「独身貴族」なのかもしれません。
最後に
一見楽しそうな「独身貴族」にも孤独を感じるシーンがたくさんあるようです。人が「独身貴族」という言葉を使うとき、単純にうらやましいとか、憧れるというニュアンスではなく、ちょっと皮肉を込めて使うほうが多いわけは、その「孤独感」が透けて見えるからかもしれません。
人と感情や経験をシェアすることの大切さや、幸福感を知らない人という意味で、「独身貴族」という言葉を用いる人が多いのではないでしょうか?
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