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「メタ」の意味とは？
あなたは、「メタ」というという言葉を聞いたことがありますか？ Facebook社が2021年10月28日に社名変更した「Meta社」、仮想現実空間の「メタバース（metaverse）」などを思い浮かべるというビジネスパーソンは多いかも。
実はこの「メタ」、社会人として身に着けておきたい、重要なスキルのひとつでもあるってご存知でしたか？ そんな「メタ」について、基本的な意味や使い方など、役に立つ知識を丸っとまとめてみました。
基本的な意味
ネットスラングで「メタ」は、「メタフィクション」の略称です。元々「メタ」は、ギリシア語の「meta」を由来とする言葉であり、「高次の」「超える」といった意味を持っています。
そこに、「作り話」や「創作」を意味する「fiction」が組み合わさったのが、「メタフィクション」。フィクションは元々虚構の世界であることが前提であり、現実世界の私たちが虚構の世界を楽しむために存在します。
そんなフィクションの中で、「これはフィクションである」ということを意図的に描写することを、「メタフィクション」というのです。「メタフィクション」の例を挙げると、「映画の中で、登場人物が視聴者に向かって話しかけている描写」や、「登場人物が、その作品の説明を行う描写」などがあります。
その他の意味1：接頭語
「メタ」の由来となった「meta」ですが、本来は接頭語のため、単体で使用されることはありません。そのため、ネットでは主に「メタ○○」といったように、他の単語と組みあわせて使われます。
「meta」自体に、「高次の」という意味があることから、接頭語として「メタ」を使う場合には、「一段高いところに立って考える」「俯瞰的にものを見る」といった意味になりますよ。
ちなみに「メタバース（metaverse）」はMetaとUniverse、つまり「超」と「宇宙」が組み合わせられた造語です。
その他の意味2：メタファーの略語
「メタ」は、「メタファー」の略語として使われることもあります。「メタファー」の意味は「暗喩」。具体的な比喩表現を使わない例えのことを指していますよ。
最近聞かれる「メタ認知」とは？
冒頭で、「メタ」は社会人として身に着けておきたいスキルのひとつだとご紹介しました。それがこの「メタ認知」。
「メタ認知」とは、「自分が認知していることを客観的に把握して、制御をすること」、すなわち「自分が認知していることを認知すること」です。
また、「メタ認知」の中には、「何かを考えるときにある見方をするのが当たり前、という考え方をせずに、その見方そのものを見直す観点を持つこと」も重要です。こういった、思考について考えることを、「メタ的な思考」「メタ的な視点」と呼びます。
「メタ認知」の能力の高い人は、人とうまくコミュニケーションをとることができたり、仕事などの目標を適切に定めたりする能力が優れていると言われていますよ。
ネットスラングの「メタ」の使い方と意味
「メタ」の意味についてのご紹介でした。続けて、「メタ」を用いたネットスラングについて、いくつかご紹介していきます。
メタ発言
「メタ」を使ったネットスラングの中でも、一番聞くことのある言葉がこの「メタ発言」ではないでしょうか？
この「メタ発言」は、基本的な意味でご紹介した、「メタフィクション」な発言のことを指しています。主にアニメや小説、ゲームなどのフィクション作品の登場人物が、作者や視聴者にしか知り得ない事情を作品内で発言することです。
メタ推理
「メタ推理」は、推理することで楽しむゲームや映画などで、作品外の情報から推理を行うことを指しています。
「まだ放送時間が残っているから、この容疑者は犯人じゃない」「この作家がこんな簡単なトリックを使うとは思えないから、このトリックはミスリードで、実際は別のトリックを使った」といった考え方はこの「メタ推理」に当てはまりますよ。
メタメッセージ
「メタメッセージ」とは、「メッセージで本来伝えるべき意味を超えて、別の意味を伝えること」という意味がある社会学用語です。
例えば、知り合いの苦労話を聞いて、「それは大変だったね」と伝えたいとき。スマホを触っていて、相手の顔を一切見ずに伝えると、「そんな話に興味はない」という気持ちを暗に伝えることができます。このことを、「メタメッセージ」と言いますよ。
メタゲーム
「メタゲーム」は、「メタ推理」を使ってゲームを行うこと。例えば、カードゲームなどで、相手の使用するカードの構成を考えた上で、自分のカードの攻勢を相手の構成に有利なものにすることなどがあります。
メタい
「メタい」は、「メタ発言」を形容詞として表現する際に使われるネットスラングです。「メタ発言」に対し、読者や視聴者が「これはメタ発言だ」と言いたいときに使われます。
メタる
「メタる」は、「メタゲーム」を行うことを動詞として表現した言葉です。特定の相手に対して対策をとることを指しています。人に対して「メタる」ときは、「対人メタ」とも呼ばれますよ。
メタ発言の例を知ろう
「メタ」が使われているネットスラングについてのご紹介でした。ご紹介した中で出てきた「メタ発言」について、どのようなものがあるのか例を挙げてご紹介したいと思います。
1：「このタイミングで○ボタンを押してね」
ゲームやアプリで見かけることの多い「メタ発言」です。キャラクターがゲームをプレイするにあたって必要な操作説明をすることも、この「メタ発言」に含まれます。
2：「もうちょっとだけ続くんじゃ」
世界的に有名な少年漫画、「ドラゴンボール」に出てくる「メタ発言」です。
読者の中には、物語が一区切りつくと、そのタイミングで作品そのものが終了してしまうと感じる読者もいます。そんな読者に対して、まだ作品が終わらないことを伝えるための「メタ発言」です。
3：「心配しなくても、○○が解決するよ」
こちらは、一話完結の作品で見られることのある「メタ発言」となります。毎回主人公が事件や問題を解決するタイプの作品で使われることがありますよ。
メタ発言の英語表現とは？
「メタ発言」を適切に表す英単語は存在しません。「メタフィクション」の形容詞の形である「metafictional」と、「発言」に近い意味を持つ「remark」を組み合わせた「metafictional remark」が「メタ発言」にニュアンスの近い表現として使うことができます。
「メタ」の使い方の注意点とは？
「メタ」を使うには注意する点がいくつかあります。ひとつは、好き嫌いが分かれること。
例えば「メタ発言」は、主にギャグとして使われることが多いです。「メタ発言」が好きな人は、「メタ発言をするなよ」と笑うことができます。一方で、「メタ発言」が嫌いな人は、わざわざ登場人物に「メタ発言」をさせることに対して冷める、という人もいますよ。
また、「メタ」はポジティブな意味合いでもネガティブな意味合いでも使うことができます。そのため、「メタ」を使うときは、相手や状況を考えて使うことが重要です。
最後に
「メタ」についてのご紹介でした。いかがだったでしょうか？
「メタ」は、漫画やアニメが好きな人には親しみのあるネットスラングであると同時に、社会人として身につけておきたいスキルのひとつです。「メタ」の使い方を覚えておくと、様々な場面で活躍するかもしれませんよ。
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