【目次】
・はじめに
・抜け毛をそのままにしておかないで! 病気が隠れているかも
・抜け毛を防ぐための対処方法について
・髪におすすめの食材・飲み物
・おわりに
はじめに
女性にとって、命ともいえる髪の毛。それがたくさん抜けてしまうと、心配になりますよね。ついヘアケア用品に頼ってしまいがちですが、髪の毛も体の一部。まずは生活習慣を見直して、体の中から整えることが大切です。そこで今回は、抜け毛を防ぐポイントや、日常生活の中でできる対処法などをご紹介します。抜け毛に対する正しい知識を身につけ、しっかりと対策をしていきましょう!
抜け毛をそのままにしておかないで! 病気が隠れているかも
髪を洗っているとき、びっくりするほど髪が抜けたことありませんか? あまりに多く抜けると、思わず「え?」と、声を出してしまいますよね…。
その抜け毛の裏に、病気が隠れているかもしれません。抜け毛と病気の関係を、皮膚科専門医の荒浪暁彦先生(あらなみクリニック総院長)に教えてもらいました。
■抜け毛の本当の原因を知っておこう
抜け毛や薄毛には、ストレスやホルモンバランスの乱れが影響すると言われます。しかし、荒浪先生は「ほとんどの場合がホルモンバランスの変化によるものですが、中には体の病気が原因で起こるものもあるため、注意が必要です」と話します。
「野生の動物は泥だらけで汚れていても、毛は抜けません。しかし、病気や加齢、栄養不足などで不健康になると、毛並みが悪くなったり抜け毛が多くなったりします。
それは人間でも同じです。フサフサの髪と美肌を維持したければ、表面的に育毛剤や化粧品を使うよりも〝健康でいること〟のほうがよほど重要です」
■血行不良や肝臓疾患などが原因に
さらに荒浪先生はこう続けます。
「抜け毛の原因となる主な症状は、糖尿病などで引き起こされるホルモン系の異常、血行不良、肝臓疾患、強いストレスによる精神疾患、脂漏性皮膚炎、全身性エリテマトーデスなどが挙げられます。
これらの病気による抜け毛は、毛髪と頭皮のケアだけを心掛けていても、決して改善しません。頭皮も肌の一部ですから、本当の原因を突き止め、体の中から治していくことが必要となります。短期間で髪の量が急に減ったような場合は、必ず病院を受診するようにしてください」
抜け毛を防ぐための対処方法について
それでは、抜け毛を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか? 実際に、荒波先生が行なっている対処方法をご紹介します。
■「腸」を健康に保つことが重要
抜け毛や薄毛を防ぐためには、何よりも健康を保つことが大切です! 荒浪先生は「内臓(特に腸)と髪は密接な関係があります。老けたくないなら、薄毛になりたくないなら、とにかく腸を健全にすることが最も重要だと確信しています」と言います。
「ただ、理屈で『腸を健康にしましょう』と言っても、忙しい現代社会では難しいことは否めません。そこで、腸を健全にする手段のひとつとして、私は漢方薬を使っています。
漢方によって血行と代謝を良くしていって、局部だけではなく、体全体を健康にするのが狙いです。つまり、頭皮に影響を与えるような漢方薬を処方するわけではなく、体の内側から元気にするために漢方を処方しているのです」
「また、良質な腸内細菌を増やすことも重要なので、普段の食生活から腸内細菌の糧となる食物繊維をたくさん摂ることを勧めています」
ただの「抜け毛」と思ってそのままにしておくと、病気を見逃してしまう恐れがあります。抜け毛の量が急に増える、短期間で抜けるなどの異変を感じたら病院を受診しましょう。
日本人は、長い年月をかけて和食中心の食生活を送っているので、腸内細菌は和食中心で育まれています。基本的な食事を和食にすると、髪が元気になるかもしれませんね。
髪におすすめの食材・飲み物
抜け毛を防ぐには、腸を健康にすることが大切だということは、お分かりいただけたでしょうか? 次は、腸内環境を整える、栄養価の高い食材をご紹介します。
【1】栄養価の高い最強な食材、高野豆腐!
良質な植物性タンパク質を豊富に含み、脂質・ミネラル・ビタミンなどの栄養成分がギュッと凝縮された〝高野豆腐〟。
大豆からつくられているので、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きを持つ大豆イソフラボンや、老化の予防をサポートするビタミンE・カルシウム・マグネシウム・鉄・そして、亜鉛も含まれているスーパーフードです。
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【2】食物繊維が白米の約22倍! もち麦!
腸内の糖分や脂質を体内に溜め込まない役割や、便通の改善を助ける不溶性の食物繊維もバランス良く含まれている〝もち麦〟。腸活を促す食材としても、注目を集めています。
白米の約22倍もの食物繊維が含まれているとされ、いつものお米にもち麦を混ぜて炊くだけで、腸活のサポートになりますよ!
【3】おやつならコレがおすすめ◎ アーモンド!
食物繊維を豊富に含んだ〝アーモンド〟。腸が活発に動くことでエネルギーを消費したり、血行を促進する効果があります。さらに、女性にとって不足しがちな、亜鉛も含まれています。おやつに取り入れるなら、1日25粒を目安にしてくださいね。
オフィスで小腹がすいたら…【無印良品】200kcal以下のおやつ♡
【4】無糖も選べるアーモンドミルク
アーモンドは、栄養素を吸収しやすいドリンクタイプもおすすめです。牛乳と比べると、低カロリー・低糖質。そして、グルテン・乳糖・コレステロールを含まないのも魅力です。そのまま飲んでもいいですし、料理にも使うこともできますよ。
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おわりに
いかがでしたか? 今回は、皮膚科専門医の荒波暁彦先生から、抜け毛の原因と対処方法を教えていただきました。抜け毛は、ストレスでさらに悪化してしまうことにもなりかねません。
まずは、今までの生活習慣を見直して原因を見極めてから、適切な対処をしていきましょう。また、腸内環境を整えることで、抜け毛を予防することができます。日々の食事の中で食物繊維の豊富な食材を摂って、体の内側から健康を目指したいですね。
初出:しごとなでしこ
『顔の印象はプチ美容でここまで変わる〜薄毛、シワ、シミ、アトピー、ニキビ治療の最前線!〜』
著者:荒浪暁彦(あらなみ あきひこ)
あらなみクリニック総院長/慶應義塾非常勤講師
浜松医科大学を卒業後、同大皮膚科入局。静岡市立清水病院、富士宮市立病院などを経て、現在、静岡県島田市および千葉県船橋市の皮膚科漢方クリニック「あらなみクリニック」総院長。漢方の大家としても知られる、二宮文乃医師(現アオキクリニック院長)に師事し、ステロイドに頼らないアトピーの治療法を確立。本書は、東海4県皮膚科医総合評価2位(医療水準のみでは1位)に選ばれた著者による最新美容医療を徹底解説した1冊。▶︎ワニブックス