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2026.02.25

「鎬を削る(しのぎをけずる)」とは激しく争うさま!「競り合う」や「張り合う」とどう違う?

「鎬を削る」(しのぎをけずる)とは、激しい勢いで争うことです。由来は「鎬」という刀の部位にあります。本記事では「鎬を削る」の意味や使い方を紹介。「競り合う」、「せめぎ合う」などの類語との違いも知り、会話の幅を広げましょう。

「鎬を削る」(しのぎをけずる)とは

「鎬を削る」とは、互いに一歩も譲らず、激しく争ったり競い合ったりすることです。特に、実力が拮抗した者同士が真剣勝負を繰り広げる場で用いられます。

単なる対立ではなく、全力を尽くす緊迫した争いの場面に適した表現です。まずは、言葉の正しい意味について掘り下げていきましょう。

「鎬を削る」の意味

「鎬を削る」の本来の意味は、刀で激しく切り合うことです。転じて、強敵同士が互角の立場で争ったり、競争したりするさまを意味します。

ジャンルを問わず、スポーツやビジネス、学問、芸術などの真剣勝負の場にふさわしい表現です。

「鎬を削る」を使えば、勝敗が簡単には決まらない様子や、両者が全力を尽くすさまを強調できます。

鎬を削・る
激しく刀で切り合う。転じて、激しく争う。「二党が―・る激戦区」

出典:小学館 デジタル大辞泉
刀 夕日
(c) Adobe Stock

「鎬を削る」の「鎬」とは

そもそも「鎬(しのぎ)」とは、刀の刃の側面にある盛り上がった部分のことです。

本来、武器である刀は、軽く扱いやすいものでなくてはいけませんでした。一方、軽量化のために薄くするほど、刀はもろくなってしまいます。

そこで刀に施されたのが、刃の側面のみを山高く仕上げた「鎬」の加工です。鎬があることで刃の強度は増し、戦いで折れにくくなります。

とはいえ、激しい争いにおいては、刀同士が激しくぶつかり鎬が削れることも少なくありません。命がけの真剣勝負ほど鎬が傷付くことから、「鎬を削る」という言葉が生まれたようです。

現在では「鎬を削る」は比喩的に用いられます。刀を使った争いに限らず、激しい競争や対決の様子を指すのが一般的です。

しのぎ【×鎬】
1 刀剣で、刃と峰との間に刀身を貫いて走る稜線。鎬筋。
2 部材の上端の中央を残し両側を低く削って、刀の背峰のようにした形。

出典:小学館 デジタル大辞泉

「鎬を削る」の使い方と例文

「鎬を削る」は、実力が拮抗した者同士が競争する場で活用できます。以下の例を参考に、真剣勝負を表す言葉として取り入れてください。

・決勝戦では、両チームが最後まで鎬を削る戦いを繰り広げた
・ベテラン選手と新人、両者が鎬を削る展開に、その場にいた誰もが引き込まれた
・野球は延長戦に入っても、なお鎬を削る攻防が続いた
・同業他社と、新規顧客の獲得をめぐり鎬を削っている
・限られた予算を確保するため、各部署が鎬を削った
・業界トップを争う企業同士が、市場シェアをめぐり鎬を削っている
・才能ある若者たちが鎬を削るのは、芸術分野も同様だ

「鎬を削る」の類語や言い換え表現

「鎬を削る」には、以下のような類語や言い換え表現があります。

・競り合う
・張り合う
・せめぎ合う
・火花を散らす

ニュアンスは少しずつ異なるため、場面に応じた使い分けが大切です。ここでは、「鎬を削る」との違いと共に、使用例を確認していきましょう。

歯車に乗っているビジネスチームのイラスト
(c)AdobeStock

「競り合う」

「競り合う」とは、ほぼ同じ実力をもつ複数の者が優劣を争うことです。刀の争いを由来にもつ「鎬を削る」よりも、やや柔らかなニュアンスになります。

そのため、日常会話でも使いやすい表現です。スポーツはもちろん、ビジネスの分野でも活用できます。

・100m走決勝では、ゴール直前で2人の選手が激しく競り合った
・両チームが互角の力で競り合い、勝敗は最後までもつれた
・同期入社の2人は、営業成績で常に競り合っている
・観光客の誘致で、各自治体が競り合う状況だ

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「張り合う」

相手に負けまいと対抗心をむき出しにすることは「張り合う」と言い表します。「鎬を削る」に比べ、感情的な要素が強いといえる表現です。

「張り合う」は、おもにライバル関係を示す場面で用いられます。以下のように、対抗意識を表す語句として活用してください。

・お互いをライバルと認める2人は、些細なことでいつも張り合っている
・ライバル会社と張り合うあまり、商品展開の判断を誤ってしまった
・無理に張り合うのはやめようと思いつつ、同期の彼女の意見には、つい意地になってしまう
・自分が疲れるほど誰かと張り合うのは、もうやめにしませんか

「せめぎ合う」

「せめぎ合う」は、力が拮抗したり、意見や立場が対立したりする場面などで活用できます。

また「せめぎ合う」は漢字で「鬩ぎ合う」と表記します。あまり目にする機会の少ない難読漢字ですが、知識のひとつとして覚えておきましょう。

・両者の意見がせめぎ合い、会議は行き詰まりを見せた
・システム導入をめぐり、賛成派と反対派の意見がせめぎ合っている
・企業が目指す姿について、理想と現実とがせめぎ合う議論になった
・気になる相手からパーティーに誘われたが、行くべきかやめるべきか、気持ちがせめぎ合っている

「火花を散らす」

「火花を散らす」は「鎬を削る」と同様、刀にまつわる言葉です。争いのなかで、火花がでるほど刀をぶつけあう様子を表します。

転じて「激しく対立し、戦う」という意味をもつ表現です。「火花を散らす」を使うことで、緊張感のある関係や状況が伝わります。

由来、意味とともに「鎬を削る」と近い語句であることを覚えておきましょう。

・会議では双方の意見が真っ向から対立し、火花を散らす議論が続いた
・市場シェア拡大を目指し、競合他社と火花を散らす展開が続いている
・ファンが待ち望んだ決勝戦にふさわしく、ライバル同士が火花を散らす激戦を繰り広げた
・ライバル意識の強い2人は、会うたびに火花を散らしている

「鎬を削る」や類語の正しい意味を理解しよう

「鎬を削る」の「鎬」とは、刀の一部分のことです。かつて、刀を使った真剣勝負では、鎬が削れるほど激しい争いが繰り広げられました。

現代社会では、おもに力が拮抗した者同士の真剣勝負を「鎬を削る」と言い表します。状況に応じ「競り合う」のような類語へ言い換えるのもよいでしょう。

それぞれの意味を正しく理解し、場面に応じた言葉を選べば状況をより的確に伝えられます。紹介した使用例を参考に「鎬を削る」や類語をぜひ活用してください。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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