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なぜ結婚を隠すの? 女性たちの複雑な事情
結婚を職場で公表しない理由は、人によってさまざまです。単に「言う必要がないから」という人もいれば、もっと深い事情を抱えている人もいます。
仕事への影響を懸念している
結婚していることを伏せている理由のひとつとして、結婚を公表することで仕事上の評価や機会に影響が出るのではないかという不安が挙げられます。まだ女性管理職が少ない職場や、残業や出張が多い業界では、「結婚したら仕事に集中できないのでは?」と思われ、キャリアや配置に影響することを恐れている女性は少なくありません。
プライベートと仕事を明確に分けたい
結婚をしている、家族がいるということで、「早く帰った方がいいんじゃない?」「お子さんとの時間ちゃんと取れてる?」などと干渉されたり、「結婚しているんだから〇〇のはず」と一方的な印象を持たれることも無きにしも非ず。仕事は仕事、私生活は私生活と区別することで、仕事とプライベートをきっちり分けたいと考える人も、あえて結婚していることを公にしない傾向があります。
相手や状況によって開示を判断している
秘密主義を徹底しているわけではなく、信頼できる一部の同僚には伝えているというケースもあります。相手との関係性や距離感によって伝えてもいいかを慎重に判断している人もいます。

実は言いたいけどなかなか言えない…タイミングの悩み
結婚していることを伏せてはいるものの、折を見て公表したいと思っている人もいるかもしれませんね。しかし、長く伏せていれば伏せているほど、公表するタイミングが難しくなります。
入社時や普段の会話で、結婚していることを伝えていなかった場合、後から伝えるタイミングを見失ってしまいますよね。
あえて言わなかったことで、嘘ではないけれど「なぜ今まで黙っていたの?」と思われてしまうことが怖いという気持ちもあるかもしれませんが、特に理由もないのに伝えるタイミングを失っていただけの場合、余計な詮索をされるかもと考えるとさらに言い出しにくくなりますよね。
結婚を隠すことで生じるデメリット
結婚を隠すことにはメリットもありますが、同時にいくつかの困りごとも生じます。
飲み会の誘いを断るときに困る
既婚者であることを公表していないと、飲み会や休日のイベントへの誘いを断る理由を考えるのに苦労します。「予定がある」と言っても、独身だと思われていると「誰と会うの?」「何か習い事をしているの?」などと聞かれることも。
笑って誤魔化したり、「友達と」なんて軽く嘘をついてもいいものですが、本当のことを言えないのは少しもどかしくなることもあります。
休日出勤を頼まれたときに困る
職場で独身と認識されていると、急な休日出勤や残業、出張を頼まれることもあるかもしれません。もちろん独身であれ既婚者であれ無理なものは断ればいいのですが、本当の理由を言えないのは少しモヤモヤしてしまうかも。、また、既婚者であることを伝えていれば配慮してもらえる場面でも、隠していることで断りづらい状況に陥ってしまいます。
プライベートな話題になったときに困る
何気ない会話で、休日の過ごし方や家族の話題になることがあります。結婚していることを伝えていない場合、話を合わせるのに苦労することも。

同僚が結婚していることを隠したいと思っていたら?
もし、あなたの周りに結婚を公表していない同僚がいたら、どのように接すればよいのでしょうか。
詮索しない
結婚は人生において非常に大きな出来事ですが、それをあえて言わないということは、ご本人しかわからない事情がある場合も考えられます。同僚が自分から話さない限り、結婚や恋愛、家族のことについて深く聞くのは控えましょう。何気ない質問のつもりでも、相手にとっては答えづらい内容かもしれません。もし話してくれたら聞く、というスタンスが、相手にとっても心地よい距離感でしょう。
決めつけない
誰に対しても言えることですが、「早く結婚したほうがいいよ」「結婚すると人生が豊かになる」といった価値観の押し付けは避けましょう。結婚に対する考え方は人それぞれですし、既婚者でもそれを公表したくない人がいることを理解することが大切です。
プライベートな情報をどこまで開示するかは、本人が決めることです。相手のペースを尊重し、無理に聞き出そうとしないことが、良好な関係を保つコツです。
もし打ち明けられたら
もし同僚が結婚していることを打ち明けてくれたら、「え!知らなかった!」と大きく驚くよりも、「そうなんだ」と自然に受け止める方がよいでしょう。大げさな反応は、相手にプレッシャーを与えてしまいます。
「どうして今まで言わなかったの?」と理由を聞くのも避け、今までどおりの関係を保つことが相手にとって一番居心地のよい対応です。
それぞれの選択が心地よさにつながる職場へ
結婚していることを公表するかどうかは、その人が安心して働くためのひとつの選択肢にすぎません。伝えない背景には、キャリアへの思い、距離感のつくり方、プライベートを大切にしたい気持ちなどさまざまな思いがあります。
伏せておきたいならそのまま、話したいタイミングがあれば話せる空気を作り、それぞれの選択を尊重できる居心地の良い職場になるといいですね。
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コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。



