正負の法則とは?
皆さんは、「正負の法則」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 美輪明宏さんが本やメディアでよく紹介されているため、そこで聞いたことがあるという方もいるかもしれません。
この世の中において、あらゆる物事は全て、プラスとマイナス、陰と陽、光と影、上と下など相反する2つの要素から成り立っています。それと同様に、私達の人生も良いことと悪いこと、辛いことと嬉しいことなど、相反する正負の要素で構成されているというものです。
そして正負の法則とは、良いことも悪いことも同じ分だけ起こるという考え方のことを言います。世の中にはお金持ちや美人、イケメンなど、皆が羨む要素を持ち合わせた人たちがいますよね。しかし、彼らも決して光だけを浴びてきたのではありません。お金持ちの人であれば財力を持ち合わせている分、詐欺や財産争いなどの影を経験することもあります。
人間は皆、幸運や成功に相応する代償をどこかで支払っているという法則です。
負の先払いとは?
正負の法則の中でも「負の先払い」という考え方があります。先ほど、人生において正と負は同じバランスで構成されているとお話ししましたよね。ずっと良いことが続かないのと同じで、ずっと不幸が続くこともないのです。辛いことや苦しいことを経験した分、必ず後からそれに見合った結果や幸運が返ってくる。
だから、先に不幸や損を経験しておくというのが「負の先払い」の考え方。面倒なことを先に済ませておくと、後から楽になる原理と似ていますね。成功者は負の先払いを経験している人がほとんどでしょう。ブレイク芸人の下積み時代などもこれに当てはまります。
ですから、何か上手くいかないことや辛いことを抱えている人は、今は負の先払いをしている時期だと考えてみましょう。後から良いことが起こるための行動だと捉えると、気が楽になるはずです。
正負の法則から見る人間関係
正負の法則は、人生における物事全てに当てはめて考えることができます。あらかじめ決まっている法則なのだから仕方ない、と考えることで深く落ち込んだり悩んだりしなくなるでしょう。今回は1つの例として、人生で必ず直面するであろう人間関係の問題を正負の法則に基づいて考えてみます。
合わない人との接し方に悩んだ時は…
職場で「この人とは合わない」「一緒に働くのはちょっとしんどい」などと思うことは誰しもあるでしょう。毎日通う職場であれば、思い悩んだりストレスに感じてしまいますよね。では、ここで正負の法則を考えてみましょう。
皆さんは、誰かと接していて嫌な部分を見つけてしまった時、「自分はこんな風にはしないでおこう」と思ったことはありませんか? 他人と関わる時は良いようにも悪いようにも何かしらの影響を受けることが多いでしょう。もちろん自分が憧れる人であれば、尊敬する部分を見つけて自分にも取り入れようとしたりしますよね。しかし、自分が合わない人からも学ぶことはなにかしらあります。
その人のおかげで「あ、こんな言い方されると嫌だな」と改めて気づくこともできますし、良い意味で反面教師になることもあるでしょう。合わない人と接することで、自分自身の振る舞いを見直すきっかけをもらえた、というように考えると正負のバランスに納得できるのではないでしょうか?
このように見てみると、正負の法則は一種のポジティブ思考とも捉えることができるかもしれませんね。
正負の法則を上手く活用して人生を楽しもう!
正負の法則という考え方を身につけておくと、物事を考える上で気が楽になります。最後に、正負の法則をうまく人生で活かすためのポイントを3つ紹介しておきます。何かに思い悩んだり、行き詰まった時にはぜひ参考にしてみてくださいね。
1:良いことだけを望もうとしない
誰だって、幸せなことや楽なことだけをしていたいと思うことはありますよね。しかし、苦しいことや辛いことがあるからこそ、その先にある幸せの重みを感じることができるのです。また、良いことだけを望んでしまうと、不幸が起こった時に余計落ち込んでしまうでしょう。人生には良いことも悪いことも起こるのだと最初から理解しておくことで、嫌なことが起こってもさほど苦に思わないのです。
2:長い目で見るようにする
正負の法則に基づくと、悪いことが起こった分いつか良いことも起こります。例え今が苦しい時期だとしても、未来のことを考えてみましょう。負の先払いをすることで、ここから先何かしらの良いことが返ってくるのです。今のことだけで精一杯になるのではなく、未来の自分が幸せになるための準備だと思って、もう少し頑張ってみませんか?
3:他人を羨むことをやめる
人は良い部分を周りに見せようと見栄を張る生き物です。そのため、他の人を見て「あの人はいつも幸せそうだな」などと羨んでしまうことはよくあるでしょう。しかし、必ずそのような人にも負の経験をした、またはする時期があるはずです。どんな人間も正負の法則で成り立っているのだと考えれば、他の人を羨む必要なんてないと思いませんか?
誰だって何かを得るために代償を支払っているのです。正負の法則は、人間が実質公平であることを表す考え方とも言えるでしょう。
最後に
今回は正負の法則について解説してみました。人生の中で良いことも悪いことも同じ分だけ経験するのだと思うと、少し心の準備ができるのではないでしょうか? 何か不幸が起こっても、この分これから幸運が起こるのだと考えれば良いのです。皆さんもぜひ1つの人生観として、この考え方を心に留めておいてくださいね。
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