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「お加減いかがですか」とは? 意味とニュアンスをチェック
「お加減いかがですか」は、相手の体調や気分の具合を尋ねる丁寧な表現です。
「お加減」は体調や心身の状態を表し、「いかがですか」は相手の状態を伺う丁寧な尋ね方です。
つまり、体調を気遣うひと言として相手に配慮を示すフレーズで、特に年上や目上の相手、ビジネス上の関係でよく使われています。
「お加減いかがですか」をアラサーが自然に使える場面は?

「お加減いかがですか」は、比較的相手を選ばずに使えるフレーズです。
そのなかでも、特に自然に使いやすい場面をまとめました。
♦︎病気の状態や体調不良を気遣うとき
相手が風邪や怪我、体調不良で休んでいた場合に直接会ったとき、またはメール・LINEで、相手の体調を気遣う表現として使います。
同僚や取引先の人が体調を崩していたのを知っている場合には、メールや対面で連絡を入れる際に「お加減いかがですか」と、事務的な要件の前にひと言添えると丁寧な印象に。
なお、相手の体調不良を知らない、あるいは知っているけれど知らないことになっているときには「お加減いかがですか」を用いるべきではありません。
♦︎お見舞いに訪れたいとき
相手が入院や療養をしているときにお見舞いに行きたい場面で「差し支えがなければお見舞いに伺いたいのですが、お加減いかがですか」などと用います。
相手の体調や状況を優先する必要がありますので、乗り気ではなさそうな場合には強く押しすぎないようにしましょう。
♦︎体調を理由に退職した相手に連絡を取るとき
体調不良を理由に退職をした相手に、久しぶりに連絡をとるときにも使えます。
メールを送る際に「ご無沙汰しております。お加減いかがですか」などと最初に記すと相手への配慮にもつながり、書き出しの雰囲気が柔らかくなるでしょう。
「お加減いかがですか」を使う際の注意点

アラサー世代にとって「お加減いかがですか」は、口にしやすい言葉。しかし使い方によっては赤っ恥を招いたり、相手が不快感を抱いたりします。
注意点をまとめました。
♦︎注意点:相手の状況を確認してから使う
「お加減いかがですか」は体調や心身の状態を気遣う言葉ですので、体調不良や疲れているのが分かっている相手には自然に使えますが、知らない場合に使うと強い違和感を与えがち。
健康な相手に対して「お加減いかがですか」と尋ねてしまえば、不快感を与える場合もあるでしょう。
♦︎注意点:重病や深刻な話題には慎重に使う
相手が大きな病気や怪我をしている場合には、「お加減いかがですか?」では軽い挨拶すぎて無神経に聞こえることがあります。
詳しい状況を知っているならば「先日の手術は大変だったと伺いました。どうかお大事にしてください」など、別の言い方を用いたほうが丁寧でしょう。
♦︎注意点:高齢者に使うときには相手の性格や状況を見極める
「お加減いかがですか」を、高齢者への挨拶に使うこともあります。
しかし健康を自負している高齢者ほど、病気を前提としている尋ね方には不快感を示しがちなため、相手の性格や状況を見極めてから使ったほうが賢明でしょう。
単純に「お元気ですか」「調子はいかがですか」などと言い換えたほうが、スマートなケースも少なくありません。
失敗例から学ぶ! アラサーが心得たい言い換え方

「お加減いかがですか」を安易に用いると、失敗にもつながりがちです。
適切な言い換えを、心得ておきたいポイント別に解説します。
♦︎相手にプレッシャーを与えない言い換えを考慮
まだ療養中の相手に「お加減いかがですか」を、安易に用いるのは失敗のもと。質問の口調であるために、聞かれた相手は“体調を答えなくてはならないプレッシャー”を感じることもあります。
まだ回復していないことがわかっているならば「お加減いかがですか」よりも「ご無理なさらず、体調にはお気をつけください」「お大事になさってください」など、質問ではない言い回しを用いたほうが配慮にもつながります。
♦︎関係性によってはカジュアルな言い方が好まれる
「お加減いかがですか」は丁寧な表現ですが、親しい同僚や友人に用いると、よそよそしい印象にもなりがち。
近い間柄の相手ならば「体調どうですか?」や「調子はいかがですか?」など、カジュアルな言い回しのほうが自然なコミュニケーションになるでしょう。
♦︎フォーマルな場面では別の言い方に
「お加減いかがですか」は柔らかく丁寧なフレーズで、フォーマルな場で使っても間違いではありません。
しかし、より格式のある言い回しが好まれる場面ならば「お体の具合はいかがでしょうか」や「ご体調はいかがでしょうか」など、より配慮が伝わりやすく丁寧な言葉を選ぶと良いでしょう。
「お加減いかがですか」は微調整が必要なフレーズ
「お加減いかがですか」は、使う相手や場面に合わせて微調整が求められるフレーズです。
自然に使えるタイミングと表現を押さえながら、ビジネスマナーとしても日常の気遣いとしても好印象を与えられるよう、上手に使いこなしていきましょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。



