目次Contents
この記事のサマリー
・「今後ともよろしくお願いします」は、継続的な関係を願う丁寧な表現。
・謝罪文などでは、使わない方が無難です。
・英語では “Thank you for your continued support.” などが近い表現になります。
「今後ともよろしくお願いします」というフレーズ、あなたはどんなときに使っていますか? ビジネスメールの結びなどで、なんとなく添えている人も多いかもしれませんね。しかし、場面によっては、違和感を持たせてしまうこともある言葉です。
この記事では、「今後ともよろしくお願いします」の意味や成り立ちを理解しながら、使うべき場面や避けたほうがいいケース、さらに言い換え表現まで詳しく紹介します。
「今後ともよろしくお願いします」とは?|意味と使い方を確認
まずは、「今後ともよろしくお願いします」の意味と使い方から押さえていきましょう。
「今後ともよろしくお願いします」の意味と使い方
「今後ともよろしくお願いします」は、これからもお世話になると思われる相手や、お世話になった相手に対する挨拶として使われます。ビジネスメールなどでは、結びの文として使われることも多いでしょう。
丁寧な表現なので、目上の人に使っても失礼には当たりません。

「今後ともよろしくお願いします」の注意点
「今後ともよろしくお願いします」は大抵のシチュエーションで使える挨拶ですが、万能ではありません。シチュエーションに合っているかどうかを、見極めることが大切です。
謝罪シーンでは「今後ともよろしくお願いします」は不向き
「今後ともよろしくお願いいたします」は、これまでお世話になった相手や、これから関係を築いていく相手への挨拶として用いられる表現です。ただし、この言葉には謝罪の意味は含まれていません。そのため、謝罪が必要な場面では使用を避けるのが望ましいでしょう。
例えば、発注ミスなどでクライアントに迷惑をかけた場合、相手が寛大な対応をしてくれたとしても、「今後ともよろしくお願いいたします」と添えるのは、状況によっては不適切で厚かましい印象を与えることがあります。
そのようなときは、まず「今後、このようなことがないよう、十分に注意いたします」や「この度は誠に申し訳ございませんでした」と、反省と謝意を明確に伝えることが大切です。
継続性のない相手に使うのは不自然
一度限りの対応で終わる相手や、関係がすでに終了している相手に対して「今後ともよろしくお願いします」と伝えるのは不自然です。例えば、契約終了の案内メールの文末などにこの表現を使うと、相手を戸惑わせてしまうでしょう。
このような場面では、「またご縁がありましたら、よろしくお願いいたします」や「今までお世話になりました」などのほうが、誠実さが伝わります。
親しい人に使うと他人行儀な印象に
普段親しくしている人から「今後ともよろしくお願いします」と言われて、よそよそしさを感じた経験がある人もいるのではないでしょうか? 丁寧なつもりの言葉が、相手との距離を生んでしまうこともあるのが日本語の難しさです。
親しい同僚や後輩に対しては、「今後とも協力して取り組んでまいりましょう」や、「これからも、どうぞよろしくお願いしますね」などのほうが、連帯感や親しみを伝えることができますよ。
「今後ともよろしくお願いします」の言い換え表現と返信パターン
場面に応じて表現を換えることで、より気持ちの伝わるやりとりが可能になります。ここでは「今後ともよろしくお願いします」の言い換え表現を紹介します。
言い換え表現:「引き続きよろしくお願いいたします」
「引き続きよろしくお願いいたします」は、すでに築かれている関係を今後も継続していきたいという意向を伝える表現です。進行中のプロジェクトに関わる取引先や、共に働くチームメンバーに対して使うと効果的でしょう。
相手への信頼や感謝の気持ちを込めながら、これからも協力して取り組みたいという前向きな姿勢を示すことで、よりよい関係を築くことができます。
返信パターン:「こちらこそよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」は、相手から「今後ともよろしくお願いします」と言われたときの返答として使うことができます。
相手の気持ちに共感しつつ、「私も同じ思いです」という協調の姿勢を伝えることができます。ビジネスだけでなく、日常のやり取りでも使いやすいフレーズですね。

英語で「今後ともよろしくお願いします」はどう表現する?
「今後ともよろしくお願いします」の英語表現も見ていきましょう。よく使うものの中から2つ紹介します。
“Thank you for your continued support.”
もっともよく使うフレーズがこちらです。「今までありがとう、これからもよろしく」という感謝と期待の両方の気持ちが込められています。英文メールの結びにも使えますよ。
例文:“We appreciate your business and thank you for your continued support.”
(いつもご愛顧いただきありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。)
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
“look forward to …”
“look forward to …” は、「…を期待する」という意味の言葉です。初対面の相手や、新しい関係が始まる場面で使い、前向きな印象を与えられるため、ビジネスでもカジュアルでも活用できます。
例文:“I’m looking forward to working with you.”
(今後ともよろしくお願いいたします。)
参考:『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)

「今後ともよろしくお願いします」に関するFAQ
ここでは、「今後ともよろしくお願いします」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「今後ともよろしくお願いします」は目上の人にも使えますか?
A. 使えます。
さらに丁寧な「今後ともよろしくお願いいたします」「何卒よろしくお願い申し上げます」などにすると、より好印象です。相手や場面に応じて敬語レベルを調整しましょう。
Q2. NGな使い方はありますか?
A. 謝罪や関係終了の場面で使うと、誤解を招くことがあります。
状況に応じて別の表現に言い換える配慮が必要です。
最後に
「今後ともよろしくお願いします」は、何気なく使っている言葉かもしれません。ですが、その一言には「関係を続けたい」「信頼を築いていきたい」という前向きな思いが込められています。定型句としてだけではなく、これからもお付き合いを続けていくための言葉として選ぶことが大切な姿勢なのかもしれませんね。
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