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2022.07.15

「煩い」は読み方が2つある!「うるさい」と「わずらい」の意味を解説

「煩い」という語句には、「うるさい」と「わずらい」という2つの読み方があります。「わずらわしい」と読むのは誤りなので注意が必要。今回は、「煩い」の2つの読み方と意味、使い方、類語などを詳しく解説します。

「煩い」には読み方が2通りある

皆さんは、「煩い」という文字を見た時、どのように読みますか? 「うるさい」と読むのか「わずらい」なのかよくわからないと思っている方も多いはず。今回は、読むのに少し迷ってしまう「煩い」の意味や使い方、類語などを詳しく解説します。

(c)Shutterstock.com

読み方

「煩い」には、「うるさい」と「わずらい」という2つの読み方があります。どちらも意味が全く異なるため、どう読めば良いかは文脈から判断することができますね。ちなみに、「煩い」を「わずらわしい」と読む人がいますが、こちらは誤読であるため注意しましょう。

「煩」という漢字の意味

続いて、「煩」という漢字そのものについて見ていきましょう。「煩」は、単体で「はん」「ぼん」と読みます。火と頁を組み合わせた文字で、頭が熱くて痛いこと、かき乱されることといったニュアンスがある言葉です。

「煩(はん)」を使った熟語には、「煩雑(はんざつ)」や「煩忙(はんぼう)」などやることが多くわずらわしいという意味を持つものがあります。一方で、「煩(ぼん)」は仏教用語で俗念が心を惑わすことを表す「煩悩(ぼんのう)」に使われます。

「煩い(うるさい)」の意味と使い方

まずは、「煩い(うるさい)」の意味と使い方をチェックしていきましょう。

(c)Shutterstock.com

意味

「煩い(うるさい)」は、日常生活でもよく使うように、物音が大きすぎて耳障りな時に「うるさい」と言いますね。また、口やかましく説教されたり、細かく意見されたりすることも当てはまります。このように物理的に「うるさい」と感じるとき以外にも、虫がつきまとってきて「うるさい」や、ものがたくさんありすぎて「うるさい」と表現することもあるので覚えておきましょう。

使い方

・隣の人の話し声が煩い。(物音が大きくてやかましいという意味)
・祖父の説教が口煩くて仕方がない。(うっとうしいという意味)
・父はワインのことには煩い。(批評が多くてわずらわしいという意味)
・ハエが煩くて付きまとってくる。(邪魔でわずらわしいという意味)

「煩い」と「五月蝿い」の違い

「煩い」と「五月蝿い」は、どちらも「うるさい」と読みます。どちらも「物音がうるさい」「うるさく付きまとう」など使い方が共通している部分が多いです。そもそも「五月蝿い」は、5月になるとハエが飛び回ってうるさいことからつけられた当て字で、「邪魔である」というニュアンスの強い表現ということができるでしょう。

「煩い(わずらい)」の意味と使い方

続いて、もう一つの読み方、「煩い(わずらい)」について解説します。

意味

「煩い(わずらい)」とは、「思い悩むこと」。将来のことを不安に思ったり、何かについて心を悩ませることを言います。「わずらい」には、他に「患い」という漢字もありますが、こちらは主に身体的な病気をわずらう場合に使用することが多いようです。ちなみに、恋愛に夢中になってまるで病にかかっているような状態のことを「恋煩い」と呼びますね。

使い方

・大企業に就職した兄は何かと思い煩うことが多くなった。(思い悩むようになったという意味)
・なるべく早いうちに煩いの種は減らしたほうがいいよ。(心配なことは減らしたほうがいいという意味)
・最近姉は、韓流アイドルに恋煩いをしている。(恋に夢中になっているという意味)

「煩い(うるさい)」の類語

「煩い(うるさい)」には、単純に物音がうるさいという意味の他にも「わずらわしい」という意味が含まれています。ここでは、そのニュアンスを含む「面倒」と「厄介」の意味を解説しましょう。

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1:面倒

「面倒」は「手間がかかる」という意味。何かとやることが多く気が進まないときに「面倒くさい」「面倒な作業」といったりしますね。

・引越しするときには何かと面倒な手続きが多いものだ。

2:厄介

面倒なこと、わずらわしいことを「厄介」と言います。できれば避けたいことを、やる羽目になってしまった時に「厄介なことに巻き込まれる」と表現しますね。また、このような邪魔になる人のことを「厄介者」と呼んだりします。

・定時5分前に、厄介な仕事を頼まれてしまった。

「煩い(わずらい)」の類語

「煩い(わずらい)」は心を悩ますことを意味するため、それに近い「苦労」や「心配」などが類語に挙げられます。日常的によく使う言葉ですが、意味をおさらいしておきましょう。

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1:苦労

「苦労」は「精神的、肉体的に力を尽くして苦しい思いをすること」。仕事や人間関係などで心身ともに疲れてしまったときに使います。「煩い(わずらい)」は主に精神的な負担を意味しますが、こちらは両方の意味合いで用いられます。

・母は女手一つで5人の子供を育てた苦労人だ。

2:心配

先のことなどを気にして、心を悩ましてしまうことを「心配」と言います。何かと気にかけるといった意味合いのある「煩い(わずらい)」とよく似たニュアンスを持つ言葉です。「煩い(わずらい)」には病気という意味もあるのでやや重たい意味がありますが、「心配」はちょっとした悩み事にも使うことができる表現です。

・祖母は歳を取るほど心配性になっているようだ。

3:窮する

行き詰まって困ることを「窮する(きゅうする)」と言います。困難にぶつかって、どうにもならない気持ちにお金やものが不足したことなどの理由から、精神的に参っている状態を表します。

・両親から問い詰められて、答えに窮した。
・働き手がおらず生活に窮している。

最後に

「煩い(うるさい)」と「煩い(わずらい)」、2つの読み方と意味は理解できましたか? どちらも違った意味を表す言葉ですが、「煩」という文字が持つ「頭が痛い、かき乱される」という意味を思い出すと、共通したニュアンスが感じ取れるはずです。ビジネスシーンで、メールや文書などでこの語句を見つけたときは、本記事を参考に正しく読み分けて見てくださいね。

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