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なぜ「内定電話の受け方」が大切なのか?
内定通知の電話は、単なる合否の連絡ではありません。これから働く企業との最初の正式なやりとりであり、新しい職場との関係づくりの第一歩です。たった数分の会話ですが、対応次第で、基本的なビジネスマナーが備わっているかどうかを判断されます。特に中途採用では、内定電話での印象が配属先に共有されるケースも珍しくありません。「電話での対応がとても丁寧だった」という情報が伝われば、入社時の印象もいいでしょう。
想定外のタイミングでかかってくることも!内定を伝えられた時の対応方法
内定の電話は、必ずしも都合の良いタイミングでかかってくるとは限りません。電車の中、別の用事で外出中、あるいは現職の勤務時間中など、すぐに対応できない状況もあるでしょう。
どんな状況でも慌てずに対応できるよう、不意にやってくる内定電話に対する心構えや、受け答えのポイントを整理してきましょう。
内定の電話がきたら……
選考中の企業から電話がかかってきたら、まず静かで電波の良い場所に移動します。カフェや駅のホームなど騒がしい場所は避け、できれば室内に入りましょう。
手元にはメモとペンを用意し、重要な情報(入社日、提出書類、今後の流れなど)を書き留められるようにしておくと安心です。
内定電話がかかってきた時の、最初の言葉は?
電話に出たら、まず「はい、○○(フルネーム)です」と名乗ります。「もしもーし?」など、不意の電話とはいえ友人や家族に対応するような軽い受け答えにならないように注意。
選考中の企業からの電話だと分かっている場合は「お世話になっております。○○です」と始めても良いでしょう。相手が名乗った後は「お忙しいところ、ご連絡いただきありがとうございます」と感謝を伝えましょう。
その場で承諾できないときは?
他社の選考が残っている場合など、その場で即答できない場合は、「お返事を○日までお時間をいただくことは可能でしょうか」と、期限を明確にして相談しましょう。
この際、迷っている理由を詳しく説明する必要はありませんが、「御社が第一志望です」「御社しか志望していません」など嘘をつくのは避けたいところ。求職者が複数企業に応募しているのは当たり前のことなので、万が一理由を聞かれたら正直に説明してもいいでしょう。
確認しておくべき情報(入社日・書類送付・今後の流れ)
内定を承諾する場合は、以下の点を確認しておきます。
・入社日(調整可能かどうかも含めて)
・提出が必要な書類と期限
・今後の手続きの流れ
・内定通知書の送付時期
・不明点があった場合の問い合わせ先
これらは自分から積極的に質問して構いません。むしろ、しっかり確認する姿勢は好印象につながります。
反対に、これらの質問に対して曖昧な返答が来る場合、企業として体制が整っていない会社かもしれないと、危機感を持ってもいいかもしれないですね。
例文で学ぶ!内定電話の受け答え

事前に受け答えの会話をイメージしておくと、スムーズに電話に出ることができます。「承諾する場合」「検討したい場合」「辞退する場合」といったシーンごとに、すぐに使える例文を紹介します。
すぐに承諾する場合の受け答え例
第一志望の企業や、入社したいと強く希望している会社の場合、その場で快諾の返事をします。その場合、連絡をもらったことへの感謝の気持ちと、今後の流れについて聞いておくと良いでしょう。
<受け答え例>
「この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。謹んでお受けいたします。今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。つきましては、入社に向けての流れや必要書類などについて教えていただけますでしょうか」
検討したい旨を伝える例(他社選考中など)
複数の企業に応募をしており、他社の合否を待って返事をしたい場合などは、内定の電話に対する感謝の言葉と共に、返事を待ってもらえるか相談してみましょう。
<受け答え例>
「内定のご連絡、誠にありがとうございます。恐れ入りますが、重要な決断ですので、○月○日まで検討のお時間をいただけませんでしょうか。御社への入社を前向きに考えておりますので、しっかりと検討した上でお返事させていただければと存じます」
辞退したい場合の丁寧な伝え方
すでに他の企業に入社することを決めた場合など、辞退する際には、内定の電話に対する感謝の言葉に加えて、シンプルに辞退したいと伝えます。心苦しいものですが、無理に理由を説明したり嘘をつく必要はありません。
<受け答え例>
「この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。大変光栄なお話をいただきながら恐縮ですが、慎重に検討した結果、この度は辞退させていただきたく存じます。貴重なお時間を割いて選考していただいたにも関わらず、このような結果となり申し訳ございません」
NG対応に注意!やってしまいがちな失敗例
知らない番号からの電話だからと警戒し、低いトーンで「はい」とだけ答えたり、「ホントですか!」「やばい、嬉しい!」など、カジュアルすぎる対応には気をつけましょう。ビジネスの場にふさわしい言葉遣いを心がけることが大切です。
また、電車内や騒がしい場所で電話を受けて、相手の声が聞こえず何度も聞き返したり、メモの準備ができておらず大事な情報を聞き逃したりするのも良くありません。内定の電話を受けるのに相応しい場ではない場合は、「申し訳ございません、今電車内におりまして、5分後に折り返させていただいてもよろしいでしょうか」と、一度電話を切らせてもらうのも一つの方法です。
内定電話は「入社への第一歩」として丁寧に対応しよう

内定電話の対応は、新しい職場での第一印象を決める重要な機会です。嬉しさのあまり舞い上がってしまいがちですが、落ち着いて丁寧な対応を心がけましょう。
内定はゴールではなくスタート。電話の向こうにいる人事担当者も、あなたの入社を楽しみにしています。その期待に応える第一歩として、心を込めた対応を心がけてくださいね。
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コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。