【目次】
・【内定辞退】基本的には失礼なこと。カドが立たない内定辞退はないと心得よう
・【内定辞退】メールには、何をどういう順番で書けばいい?
・【内定辞退】メール例文
・【内定辞退】のメール、受け取る側の返信は?
【内定辞退】基本的には失礼なこと。カドが立たない内定辞退はないと心得よう
採用は企業側にとっても真剣勝負です。
「時間をかけて書類審査や面接を行い、その結果内定を出した人に辞退されるのは、企業にとって大きなマイナス。そのことを肝に命じて誠実に詫びる気持ちが大切」とは、ライフスタイリスト・北條久美子さん。
ちなみに、「内定辞退の申し出は、手書きの手紙が丁寧、先に電話をしてからさらに手紙を…」というのをよく聞きますが、やはりその方法が良いのでしょうか。
どう伝えても失礼なことなので、一番相手の負担にならないメールでの辞退がベスト
「内定辞退する場合、電話で直接担当者と話す、手書きのお手紙を出す、というのが一番誠実な方法だと言われていますが、担当者にとっては、実はメールというのが一番負担が少ないのです。
大きな企業だと正直、辞退者が出ることも多いので、記録として残せない電話で辞退の連絡を受けると、その後の処理が増えてしまいます。また担当者の忙しいときに電話が繋がってしまうと、それもまた迷惑になってしまいます。
その点メールならば、件名だけでおよその内容を把握し、詳細は相手が読みたいときに読む、ということができます。またメールならフォルダを作ってそこで一括管理もできるので社内の関係者への連絡もスムーズです。
手紙も丁寧な方法ではあるのですが、開けるときに封を切って出し、読んだら封筒の中に戻すという手間がかかるということを考えると、ベストな方法とは限りません。
相手に開封の手間を取らせる封書で内定辞退を知らせるというのは、特に大企業の場合はおすすめできません。
個人情報の観点から、その手紙の保管も厳重にしなくてはなりません。社会人になる前の学生さんだと、そこまで想像するのは難しいと思いますが、転職する方であれば、自分に置き換えてみたら、想像がつきますよね。内定辞退の知らせはできるだけ早く、丁寧なメールで送るのがベストです」(北條さん)
転職などで採用が少人数だった場合は、手紙や電話も失礼にならないこともあります。ですが記録として残せる、都合の良いときに読めるなど、相手の都合を考えると、ベストなのはやはりメールでの連絡です。
【内定辞退】メールには、何をどういう順番で書けばいい?
本文の内容も重要ですが、まず一番大事なのは「件名」です。担当者が一目でそれとわかるよう、内定辞退という言葉と自分の氏名、学生の場合は学校名を明記しましょう。
「本文には、まず内定をもらったことに関する感謝の言葉を。次に内定を辞退したいということと辞退の理由を述べます。この時自己分析の結果、辞退することにしたなど真剣に考えた結果の結論であることをしっかり伝えます。最後はお詫びの言葉で結びます。内定辞退をメールで報告したことも、この最後の部分でお詫びするようにしましょう」(北條さん)
【内定辞退】メール例文
メールの件名:内定辞退のご連絡(◯◯大学△△学部 山田ナデシカ)
本文:
◯◯株式会社 人事部◯◯課
採用担当 ◯◯さま
◯◯大学△△学部の山田ナデシカです。
この度は、採用内定の通知を頂き、誠にありがとうございました。
このような光栄なお知らせをいただきながら、誠に恐縮なのですが、貴社の内定を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。
就職活動に際し、自身の適性をあらためて鑑みた結果、別の会社とのご縁を感じ、誠に心苦しい限りですが、貴社の内定を辞退させていただきたく存じます。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、このようなお返事となり、誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げる次第です。
メールでのご連絡となりますことを何卒ご了承いただきたくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々の発展をお祈り申し上げます。
◯◯大学△△学部
山田ナデシカ
通常のビジネスメールは、決まり切った文章でなく気持ちが伝わる文章を使うことが求められますが、内定辞退のメールだけは別。
できるだけ簡潔に、失礼がないわかりやすい文章を使うことが何より大切です。
【内定辞退】のメール、受け取る側の返信は?
内定を辞退される側、つまり自分が人事部にいて採用を担当していた場合、このような内定辞退のメールにはどのように返信したら良いでしょうか。
「内定辞退の連絡を受け取りました、という確認の意味での返信になるので、取り立てて個々にメッセージをつける必要はありません。基本的には、会社が用意している定型文を使ってください。今は自社の内定を蹴った人かもしれませんが、社員にならなかったということは、将来どこで自分の会社にとってのお客様になるかわかりません。企業としての印象を悪くしないよう、きちんとした対応をすることも大切です」(北條さん)
内定辞退はする方もされる方も心苦しいもの。
特にお詫びのメールを書くのは、気が進まないですよね。でも、お断りのメールは1日でも早く送るのが社会人としてのマナーです。
いつかどこかで自分のお客様になるかもしれない、というのは企業もあなたも同じです。将来、「あの時きちんとお断りしていたら…」と悔やむことがないよう、きちんとお断りするようにしましょう。
初出:しごとなでしこ
北條久美子
ほうじょう・くみこ
キャリアカウンセラー・研修講師として全国の企業や大学などで年間 約2,500人へビジネスマナーやキャリアの研修・セミナーを行う。現在はライフスタイリストとしてワーク(仕事)寄りだった人生を、生きること=ライフにシフト中。ジュエリーブランドBRILLIANCE+の執行役員・株式会社Surpassの顧問として企業の人財育成や教育体系の構築にも携っている。イラスト豊富でわかりやすい最新著作『仕事の基本 社会人1年生大全』が好評発売中。詳しくはこちら▶