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「メタ発言」とは? 例文とともにチェック!
♦︎「メタ発言」の意味
「メタ発言」とは会話や発言の内容そのものではなく、その発言のあり方や状況について言及すること。
ギリシャ語を由来とする「メタ(meta)」という言葉には“高次の・超越した”という意味があることから、発言や行動を一段高い視点から客観的に捉えて表現するさまを示します。
例文をチェックしたほうが理解が早まる可能性が高いので、さっそく見てみましょう。
♦︎「メタ発言」の例文
小説や漫画、アニメのキャラクターが「これって、物語の王道展開だな」などと、物語を自ら俯瞰するようなセリフ。
… まさしく、こうしたメタ的表現が“メタ発言”と呼ばれるものです。架空の世界の作品に対して架空の人物(キャラクター)が意見をすることで、作品にユーモアや遊び心を与える目的でも用いられています。
「メタ発言」を日常やビジネスシーンで使うには?

本来の「メタ発言」の意味に近づけながら日常やビジネスシーンでメタ発言の話法を活用するならば、次のような方法が挙げられます。
♦︎日常会話で… 自分の発言に前置きする
これから愚痴を話そうとしているシーンで、あらかじめ「これって、愚痴っぽく聞こえるかもしれないけど…」などと、自分の発言に対して前置きするとメタ発言のような意味合いに。
ただしユーモアが伝わりにくい場合もあるので、状況や相手を見て用いると◎。
♦︎ビジネスシーンで… 会話の枠組みを整理する表現として使う
ビジネスシーンでメタ発言の話法をネタにしようとするのは、上から目線や支離滅裂に聞こえがちでもあるので、できるだけ避けたほうが賢明です。
ただし、たとえば会議やミーティングにおいて「ここからは、完全に余談ですが…」や「この話、あと1分で本題に戻りますね!」などと会話の枠組みを整理する表現として用いる分には、聞いている相手も理解を示してくれる可能性が高いでしょう。
アラサー世代が抱きがちな「メタ発言」に関する疑問を解決!

「メタ発言」は聞き慣れない人もまだまだ多い言葉。聞いたことはあってもなじみがない言葉には、疑問が生じても不思議ではありません。
この機会に、アラサー世代が抱きがちな「メタ発言」に関する疑問を解決していきましょう。
♦︎疑問1:メタ発言と皮肉は同じものですか?
A1. 異なるものです。
メタ発言は「発言のあり方や状況」を客観的に語ることで、一方の皮肉は「相手や状況を遠回しに批判する」ニュアンスを含みます。
メタ発言には必ずしも否定的な意味はないことから「メタ発言」と「皮肉」は異なるものです。
♦︎疑問2:メタ発言は失礼にあたりますか?
A2. ケースバイケースです。
メタ発言が失礼にあたるか否かは、使い方次第。
しかしビジネスや真剣な場面で多用すると「茶化している」「ふざけている」と受け取られるリスクがあります。雑談やカジュアルな場面であれば、ユーモアや雰囲気作りに役立つでしょう。
♦︎疑問3:メタ発言と「メタ視点」「メタ認知」の違いはなんですか?
A3. 近い概念ですが異なる部分があります。
「メタ発言」と同様に、ここ最近で急に見聞きする機会が増えた言葉に「メタ視点」や「メタ認知」があります。
同じ「メタ」を用いている言葉で概念も近いものの、異なる部分もあります。
「メタ発言」は会話や発言を一歩引いて言語化することであるのに対して「メタ視点」は物事を俯瞰して捉える視点のこと、「メタ認知」は自分の思考や感情を客観的に理解する認知能力のことです。
日常会話での「メタ発言」メリット3つ

「メタ発言」のメリットを整理します。
日常会話で用いるのであれば、メリットが強調される使い方を意識すると良いでしょう。
♦︎メリット1:誤解を防げる
たとえば、ちょっとキツイ冗談を口にしたときに「今のは冗談だよ!」とメタ的に補足できると、相手に誤解されにくいメリットが挙げられます。
♦︎メリット2:会話の整理がしやすい
「ここからは余談ですが」と話の内容を区切ることで、会話の流れを明確にできます。
プレゼンや講話の場で、単調になりがちな話し方に流れを変えるメリットは大きいでしょう。
♦︎メリット3:笑いを誘える
「オチのない話をしちゃいました!」や「これ、完全に負け犬的な王道展開ですよね〜」など、自分の発言や行動を自虐するようなメタ発言は、聞いている側の笑いを誘えるメリットがあります。
ユーモアが通じる場面であれば、コミュニケーションの潤滑油となる役割が期待できます。
日常会話での「メタ発言」のデメリット3つ

「メタ発言」は文脈や場面によっては、デメリットが強調されます。
そのため日常会話にメタ発言を取り入れるときには、十分に注意すべきでしょう。
デメリットを3つ整理します。
♦︎デメリット1:会話が進まなくなる
発言の“解説”ばかりになってしまうと、話の本筋がわかりにくくなるばかりか、会話が進まずに止まってしまいます。
聞き手から「何が言いたいのか、よくわからない」といった感想を抱かれがちです。
♦︎デメリット2:上から目線に受け取られかねない
特定の発言に対して客観的かつ一段高い視点で意見をすることから、相手の発言に対して上から目線に意見をしているように受け取られるデメリットがあります。
たとえば、相手は真面目に話しているのに「今のは、典型的なツッコミ待ちですよね?」などと言ってしまえば、人によっては不快に感じるでしょう。
♦︎デメリット3:ユーモアに受け取られないリスクがある
聞き手がメタ的な表現に慣れていない場合には、突如として別の視点からの意見が入ることによる「何が言いたいの?」と戸惑わせる引き金にもなりがちです。
ユーモアのつもりで用いても、ユーモアとして受け取ってもらえないリスクは決して低くないでしょう。
「メタ発言」は場に応じて使い分けることが大切
「メタ発言」を簡単に言い換えると、発言そのものを一歩引いた視点で言及する表現です。
創作において物語を俯瞰させる効果があるだけでなく、日常生活でもユーモアを生み会話の枠組みを整理できることから、今では幅広く使われています。
ただし、多用しすぎると会話が前に進まず、かえって場が冷めるリスクもあるため、場に応じて使い分けるのがポイントでしょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。