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「ご指摘ありがとうございます」の意味と使用シーン

まずは「ご指摘ありがとうございます」の意味と、よく使われるシーンをチェックしていきましょう。
♦︎「ご指摘ありがとうございます」の意味
「ご指摘ありがとうございます」は、相手からの意見や誤りの指摘に対して感謝の気持ちを伝える言葉です。
敬意を払いつつ指摘を謙虚に受け止めているというニュアンスが含まれ、実務上ではビジネスにおけるミスの指摘や改善提案への返答としてよく使われています。
♦︎よく使われる場面1:メールやチャットでの返答
メールやチャットで、相手からミスや問題点を指摘されたときに「このたびはご指摘ありがとうございます。ご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。速やかに修正いたします」などと、修正の意思と共に用いられています。
♦︎よく使われる場面2:会議や対面でのやり取り
会議やビジネス上の会話で、問題点や課題を指摘されたときに「ご指摘いただき、ありがとうございます。今後の改善に活かしてまいります」などと用いられています。
「ご指摘ありがとうございます」の注意点

「ご指摘ありがとうございます」は謙虚な印象を与えるフレーズではありますが、使い方には気を付けるべき点もあります。
♦︎形式的な感謝だけで終わらせない
相手の指摘に対して形式的に感謝の言葉を伝えるだけでは「聞き流された」と捉えられることもありえます。
指摘に対しどう改善するかを添えることで、誠意ある印象になるでしょう。
たとえば、相手の指摘に対して「ご指摘ありがとうございます」と言いながらも改善の姿勢が見えないのはNG。「今後は同様のミスが起きないよう、チェック体制を強化します」などと改善策も提示したうえで、実際に改善に向けて行動を起こすことが大切です。
♦︎理不尽な指摘内容には形式的に用いる
納得できない指摘が出てきたときには、即座に反論しないのも大人の処世術。理不尽な指摘にも、一度は「ご指摘ありがとうございます」を用いれば、相手の発言を受け止める姿勢を示せます。
この場合は相手の指摘を一度受け止めたあとに、改善を図る必要はありません。指摘が理不尽である点を、冷静かつ丁寧に説明すると良いでしょう。
♦︎形式的に使いすぎると心がこもっていない印象になる
「ご指摘ありがとうございます」は便利な定型句ですが、毎回のように同じ文面で返信していると形式だけの対応と受け取られてしまう展開もありえます。
社内チャットやメールで決まり文句のように使っていると「本当に改善する気がある?」などと疑念を持たれかねないため、軽薄な印象にならないように相手からの指摘に対して具体的な内容に触れた一言を添えるのも一案です。
「ご指摘ありがとうございます」の言い換え・類似表現は?

「ご指摘ありがとうございます」の言い換え表現や類似表現をまとめました。場面や相手に応じて、使い分けていきましょう。
♦︎「ご指摘いただきありがとうございます」
「ご指摘ありがとうございます」に「いただき」が入るだけで、より丁寧な印象になり改まったフレーズに変わります。
上司や取引先に「ご指摘ありがとうございます」よりも丁寧な印象を与えたいときには、こちらがいいでしょう。
♦︎「貴重なご意見をありがとうございます」
相手からの指摘に対して、意見を伝えてくれたことに感謝するフレーズです。
「ご指摘ありがとうございます」と比べるとやや硬い印象になるので、上司や取引先など敬意を強調したい相手にふさわしい言い回しです。
♦︎「ご助言ありがとうございます」
相手からアドバイスが出ているときには「ご助言ありがとうございます」と言い換えるのも適切です。
アドバイスをしてくれたことに感謝を示し、素直に受け止める意思を伝えられます。
「ご指摘ありがとうございます」は信頼関係を築くフレーズ
「ご指摘ありがとうございます」は、ビジネスシーンにおいて信頼を築くための基本的なフレーズです。
この言葉を用いる場面では、ただ感謝をするだけでなく次の行動や改善の意思も併せて伝えると、今後の信頼関係の構築につながりやすいでしょう。
また相手や状況に応じて丁寧な言い換えを使い分けると、好印象を狙えます。単純な定型文としての多用にならないよう注意をしつつ、相手の指摘を前向きに受け止めている姿勢を示していきましょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。