目次Contents
この記事のサマリー
・「生かす」と「活かす」は同じ意味を持ちます。
・同じ文中で混在を避け、表記を統一しましょう。
・類語には、「活用」「蘇生」「復活」が挙げられます。
「いかす」を漢字にするとき、果たして「生かす」と「活かす」どちらを使ったらいいのでしょうか? 特に履歴書やビジネスメールで使用するときは、慎重に選びたいものです。
本記事では、辞書の情報をもとに、日常やビジネスで安心して使える表現を解説していきます。
「生かす」と「活かす」の意味と違いとは?
まずは、「生かす」と「活かす」の意味を整理していきましょう。
「生かす」「活かす」の意味と使い方
『デジタル大辞泉』(小学館)によると、「生かす/活かす」には次のような意味があります。
いか・す【生かす/▽活かす】
[動サ五(四)]
1 いったん息絶えたものを生き返らせる。蘇生(そせい)させる。「溺れた人を人工呼吸で―・す」
2 死なないようにする。命を長らえさせる。「魚をいけすに入れて―・しておく」
3 有効に使う。活用する。「長年の経験を―・す」「廃物を―・す」「素材を―・して料理する」
4 一度消した文や字句などを復活させる。「元の文章を―・す」
[可能]いかせる
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
ここからわかるように、「生かす」と「活かす」はどちらも辞書に記載されており、両方の表記が正しいとされています。意味は「命を助ける」ことから「経験や素材を有効に使う」ことまで幅広く、日常生活から仕事まで多様な場面で使える言葉です。
「生かす」と「活かす」の違いは?
両者は意味としては同じ言葉です。ただし「生かす」は常用漢字表に載っている読み方になりますが、「活かす」は常用漢字表にない読み方です。
したがって「活かす」も誤りではありませんが、公的文書や履歴書などでは「生かす」を選ぶ方が無難でしょう。

日常会話・ビジネスでの使い方を例文で紹介
「生かす/活かす」は「有効に使う」「活用する」という意味でよく用いられます。どちらの表記も誤りではありませんが、ここではわかりやすく「生かす」に統一して例文を紹介します。
「これまでの経験を生かして、御社に貢献します」
採用面接やビジネスメールでよく用いられるフレーズです。自分の経歴やスキルを相手に役立てたいという前向きな姿勢を表せます。履歴書や職務経歴書でも安心して使える表現です。
「留学経験を生かし、通訳の仕事をしている」
日常の会話や自己紹介の場面で自然に使える例です。「経験を具体的にどう役立てているか」が伝わりやすく、会話の広がりにもつながります。
「料理教室で習ったことを生かしてお弁当を作ったの」
カジュアルな会話例です。「学んだことを日常に応用している」イメージが伝わってきますね。

「生かす/活かす」の類語や言い換え表現は?
「生かす/活かす」と同じような意味を持つ言葉を知っておくと、文章や会話の幅が広がります。状況に応じて類語を選ぶことで、相手により的確なニュアンスを伝えることができます。ここでは代表的な表現を紹介します。
活用
物や人の機能・能力を十分に生かして用いることを意味します。ビジネス文書や学習の場面で頻繁に使われますね。例えば「知識を活用する」「制度を活用する」といった形です。
蘇生(そせい)
「息をふきかえす」「生き返る」という意味を持つ言葉です。主に医療や生命に関わる場面で使われます。例えば「心肺蘇生法で蘇生させた」のように、命そのものを取り戻す場面で用いられます。「生かす」の第一・第二の意味と重なります。
復活
いったん廃止したものや失われたものを再びもとの状態に戻すことを意味します。「生かす/活かす」の「一度消した文や字句を生かす」という意味と近い言葉です。

「生かす」「活かす」に関するFAQ
ここでは、「生かす」「活かす」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「経験を生かす」と「経験を活かす」は、どちらが正しい?
A.どちらを使っても誤りではありません。
Q2. 同じ文章で「生かす」と「活かす」を交ぜても大丈夫?
A.文中では、表記を統一することをおすすめします。
最後に
「生かす」と「活かす」は、どちらも正しいことがわかりました。表記や意味に不安があるときには、辞書を引いてみると求める答えが見つかるかもしれませんね。
TOP画像/(c) Adobe Stock