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「求道(きゅうどう)」とは? 意味や使い方
「求道(きゅうどう)」とは、物事の真理を求め、修行をすることです。悟りを求めた修行も意味します。
「求道」で求める「真理」とは、正しい道筋のことです。一般的には、以下のように何かの道を究め、精進することを「求道」と言い表します。
・彼は剣の道を究めようと、日々求道している
・日本を代表する経営者に関する本を読み、チャレンジ精神の大切さと求道の姿を学んだ
きゅう‐どう〔キウダウ〕【求道】
出典:小学館 デジタル大辞泉
真理や宗教的な悟りを求めて修行すること。
「求道(きゅうどう)」と「求道(ぐどう)」の違い
「求道」には「きゅうどう」のほかに、「ぐどう」という読み方があります。両者の大きな違いは、「求道(ぐどう)」が仏語である点といえるでしょう。
どちらも真理を求めることを指す言葉ですが、仏教では「ぐどう」の読みが広く用いられます。また、「求道(ぐどう)」には「仏の教えを求める」という意味も含まれます。
「きゅうどう」と「ぐどう」、どちらも真理を究める姿にふさわしい言葉ですが、「ぐどう」とした場合は、仏教との関連性が高くなることを押さえておきましょう。
ぐ‐どう〔‐ダウ〕【▽求道】
出典:小学館 デジタル大辞泉
1 仏語。仏の教えを求めること。求法 (ぐほう) 。
2 真理を求めること。きゅうどう。
「求道」を使った言葉
「求道」は、以下の形で用いるのが一般的です。
・求道者(きゅうどうしゃ)
・求道心(きゅうどうしん)
物事を究めることを指すこれらの言葉は、日常生活はもちろんビジネスでも活用できます。

「求道者(きゅうどうしゃ)」
「求道者(きゅうどうしゃ)」は、何かの道を究めるため、精進する人を指す言葉です。「求道者(ぐどうしゃ)」と仏教用語にした場合は、修行者を意味します。
・弊社は長年、食品の開発と販売に携わってきました。今後も食の求道者として、皆様の食卓を豊かにし健康をサポートする商品を提案いたします
「求道心(きゅうどうしん)」
「求道心(きゅうどうしん)」とは、物事の真理を究めようという気持ちのことです。
類語には「向上心(こうじょうしん)」があり、自分の能力を高めようとする意思や、学ぶ意欲などを表します。
・度重なる苦難に立ち向かい、高みを目指す彼の姿に経営者としての求道心を感じた
・今後どれだけ多くの仕事に携わったとしても、編集の道を究めようという求道心を忘れずにいたい
「求道」のような「道」に関する言葉
「道」に関する言葉は、「求道」のほかにも多様な種類があります。
・道理(どうり)
・人道(じんどう)
・道中(どうちゅう)
・道程(どうてい)
そもそも「道」は、人や物が行き交う場だけでなく、目的までの経路や道筋なども表す言葉です。
ここでは「道」に関する言葉の意味と使い方を知り、表現の幅を広げていきましょう。

「道理(どうり)」
「道理」とは、物事の正しい道筋のことです。筋の通った事柄なども「道理」と言い表します。
「道理」には四字熟語もあり、この上もなく道理にかなったことは「道理至極(どうりしごく)」と表現できます。
また、日常会話で使用する「どうりで」という言い回しの漢字表記は「道理で」です。
物事の正しい道筋がわかり「なるほど」と納得したときは、以下のように「道理で~」と使用してください。
・常に自らの行動を振り返り、社会人として道理に外れた行為は慎むべきだ
・ビジネスでは、道理をわきまえた行動を心がけなければいけない
・どれだけ言い訳をしようと、失礼な対応にクレームが入るのは道理至極といえる
・今日は今年一番の暑さらしいね。道理で、アイスクリームやかき氷がよく売れるわけだ
「人道(じんどう)」
人として守るべき道は「人道」と言い表します。類語には「正義(せいぎ)」があり、人の道にかなった、正しい行為を指す言葉です。
また、人道に反する行為は「人道にもとる」と表現できます。「もとる」は漢字で「悖る」または「戻る」と書き、道にそむくことです。
さらに、「人道」には歩道のような「人が通る道」という意味もあります。
日常生活では2つの意味があることを理解し、以下のように正しく使い分けましょう。
・近年は世界のいたるところで紛争が発生し、被災民の救援や被害復旧といった人道的な国際救援活動が求められている
・犯人の人道にもとる行為が報道され、世間は震撼(しんかん)した
・人が安全に通行するための橋、「人道橋(じんどうきょう)」が新たに整備された
「道中(どうちゅう)」
「道中」は、旅行やその道筋を指す言葉です。珍しいことが起こる旅は「珍道中(ちんどうちゅう)」と言い表します。
また、江戸時代の「花魁(おいらん)道中」では、位の高い遊女が美しく着飾り、遊郭を練り歩きました。
「道中」は古くからある言葉ですが、現代でも以下のように使用できます。
・アメリカまで出張となると、日数も長くなりますね。道中の無事をお祈りします
・初めての一人旅はハプニング続きの珍道中だったが、10年経った今となっては、それもいい思い出だ
「道程(どうてい)」
「道程」とは道のりのことで、目的地に着くまでの距離を表します。また、物事が変化し、一定の状態になるまでに要した時間や、それまでの過程なども指す言葉です。
「道程」の類語には、「道のり」や「行程」などが挙げられます。日常会話では、以下のように活用してください。
・当日はタイトなスケジュールになると思われますので、あらかじめ1日の道程を確認しておいてください
・ようやくプロジェクトが完了した。企画立案から今日までの道程を思うと、実に感慨深い
「求道」の意味を知り正しく活用しよう
「求道」は、読み方で意味が異なる言葉です。一般的には「きゅうどう」として用いられ、「ぐどう」とした場合は仏教用語としての意味合いが強くなります。
何かしらの道を究める「求道(きゅうどう)」は、ビジネスでも必要な姿勢といえます。
「道」に関する語句も含め、「求道」の正しい意味を理解し、日常会話やビジネスシーンで活用していきましょう。
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