「万夫不当(ばんぷふとう/ばんぷぶとう)」という四字熟語を聞いたことはありますか? 知らないと意味の推測は、できそうで、なかなかできないかもしれません。
この記事では、「万夫不当」の意味や使い方、混同されやすい言葉について、できるだけわかりやすく解説していきます。
「万夫不当」とは?|並ぶ者なき強さを表す四字熟語
強さを語るとき、ただ単に力があるというだけでは不十分に感じられることがあります。「万夫不当」という言葉には、そんな強さを超えた何かを表そうとする響きがありますよ。意味を確認していきましょう。

「万夫不当」の意味と読み方
「万夫不当」は「ばんぷふとう」もしくは「ばんぷぶとう」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。
ばんぷ‐ふとう〔‐フタウ〕【万夫不当】
引用:『デジタル大辞泉』
多くの男が一緒になって当たっても、かなわないほど強いこと。「―の剛の者」
「万夫不当」とは、「万人が当たってもかなわないほどの剛勇」を指します。「不当」の部分を「無当」と表記することもありますよ。
万夫不当の使い方
「万夫不当」は、主に戦いや人物の描写に使われることが多く、文学や物語の中で見かける機会が多いかもしれません。例えば「万夫不当の豪傑」、「万夫不当の勇」などという形で用いられたりします。

「万夫不当」の使い方を例文で確認
「万夫不当」をどう使えばいいのか、例文を通して雰囲気を感じ取ってみましょう。
「彼はまさに万夫不当の豪傑と呼ぶにふさわしい」
歴史的な人物や物語の登場人物を語る場面に適した言い回しです。相手の強さを讃える表現として使われています。
「その騎士は、万夫不当の戦いぶりで味方を鼓舞した」
フィクションや創作の文脈でよく見られる表現です。戦いや奮闘の場面を描写する際に、力強さを際立たせます。
「彼のリーダーシップは、まるで万夫不当の勇者のようだった」
比喩的に「強さ=精神的な強さ・統率力」として表現しています。

「万夫不当」とよく混同される言葉に注意
「万夫不当」は、似た言葉と混同されることがあります。意味の違いをしっかり理解しておくと、使うときにも安心です。
「万古不易(ばんこふえき)」との違い
「万古不易」は、「いつまでも変わらず変化しないこと」を意味します。例えば、信念や伝統が長く変わらないことを表すときに使われます。一方、「万夫不当」は“圧倒的な強さ”を表す言葉なので、意味の方向性がまったく異なります。
「万人不同(ばんにんふどう)」との違い
「万人不同」は、「すべての人は同じではないこと」を表します。例えば、指紋は万人不同です。「万夫不当」と漢字の構成は似ていますが、伝えたい内容はまったく異なります。
最後に
「万夫不当」は、他と比べようのない強さ伝える表現です。実際に強い人を見かけたときや、漫画や映画などの作品でそういう人物を見かけたとき、「万夫不当!」と表現することで、言葉が自然と身についていくのではないでしょうか。
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