気持ちが沈んだとき、うまく言葉で表現できずにもどかしく感じた経験はありませんか? 「意気阻喪」は、そんな心の状態を的確に言い表す四字熟語です。この記事では、「意気阻喪」の意味や使い方を解説しながら、よく似た「意気消沈」との違いまで紹介します。
気力がしぼむ…「意気阻喪」とはどんな言葉?
最初に、「意気阻喪」の意味と基本的な成り立ちを確認します。

「意気阻喪」の読み方と意味
「意気阻喪」は「いきそそう」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。
いき‐そそう〔‐ソサウ〕【意気阻喪/意気×沮喪】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名](スル)意気込みがくじけ弱ること。意気消沈(いきしょうちん)。
「意気阻喪」は、意気込みがくじけて弱ることを意味する四字熟語です。前向きな気持ちや、やる気が続かなくなり、気力が落ちた状態を表します。
「意気」と「阻喪」の語の意味
「意気阻喪」の「意気」は、何かをやりとげようとする積極的な気持ちや気概を表す言葉です。また、「阻喪」は、気力がくじけて元気がなくなることを指します。「士気が阻喪する」といった表現にも見られるように、気持ちの勢いが衰えた場面などで用いられますよ。
この二語を組み合わせた「意気阻喪」は、意気込みがくじけて気力が弱る状態を表します。
こんなときに使える!「意気阻喪」の例文
「意気阻喪」という言葉を、実際に使う場面をイメージして、言葉の意味をより明確につかみましょう。

「商談がまとまらず、彼はしばらく意気阻喪していた」
「意気阻喪」がもつ「意気込みがくじけて弱る」という状態が、失敗後の気力の低下として表れています。自身の努力が報われなかったことで、意欲が下がった状態が伝わってきますね。
「プロジェクトの中止を告げられ、チーム全体が意気阻喪の空気に包まれた」
「意気阻喪」は個人だけでなく集団にも使われます。目標に向けた意気込みがくじけ、全体の活力が落ち込んだようすを伝えています。
「尊敬している上司に叱られ、意気阻喪するのも無理はない」
「意気阻喪」は、精神的な打撃によって意欲が失われるときにも使われます。この文では、対人関係の影響によって気力がくじけた場面を描いています。
「意気阻喪」と「意気消沈」に違いはある?
「意気阻喪」とよく似た表現「意気消沈」について違いを整理していきましょう。

「意気消沈」とは?
「意気消沈」について、辞書には以下のように記されています。
いき‐しょうちん〔‐セウチン〕【意気消沈/意気×銷沈】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名](スル)意気込みがすっかり衰えること。元気がなくなること。意気阻喪(いきそそう)。「惨敗して―する」
「意気消沈(いきしょうちん)」は、意気込みがすっかり衰え、元気がなくなることを意味します。「意気阻喪」と「意気消沈」は、同じ意味を持つ言葉として辞書の中でも紹介されていますよ。
例文:「自信を持って行ったプレゼンのに対する反応が鈍く、彼は意気消沈したまま席に戻った」
この例文では、やる気をもって発表に臨んだものの、期待した反応が得られず、落胆したようすが表れています。このように「意気消沈」は、意気込みがくじけて元気がなくなるようすを表現する際に用います。
最後に
「意気阻喪」は、意気込みがくじけて元気がなくなる状態を表します。
もし気力が続かないと感じるときは、「いまは少し意気阻喪している」と言葉にすることで、気持ちを整理するきっかけになるかもしれません。
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