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「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」の使い方

「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」は、相手が新しい環境に移るときに使えるフレーズ。
まずは、場面別に使い方を解説します。
♦︎退職や転職をする同僚や上司に向けた送別のメッセージ
退職や転職をする同僚や上司に向けては、相手への感謝とともに今後の発展を祝う言葉を伝えるのが一般的です。「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」はメールでもスピーチでも使えます。
例文
「〇〇さんには、大変お世話になりました。新しい環境でも、これまでの経験を活かしてさらにご活躍されることと思います。新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」
♦︎異動・転勤する同僚や上司への挨拶で
異動や転勤をする同僚や上司に向けた挨拶でも「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」は使えます。これまでの感謝とともに、今後の活躍を祈る言葉として伝えましょう。
例文
「新天地でのさらなるご活躍をお祈りしております。お体に気をつけて頑張ってください」
♦︎留学・転居・結婚などで環境が変わる人へ向けた言葉として
留学や転居、結婚などで環境が変わる人へのメッセージにも「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」を用いることができます。
相手との関係性に応じて、文末に“!”や“♡”をつけるなどしてアレンジをしてもいいでしょう。
例文
「新たな挑戦の始まりですね。新天地での生活が素晴らしいものになりますよう、お祈りしています!」
手紙やメールで「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」を使う際のポイント

手紙やメールで「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」を使うときには、シチュエーションや関係性に応じて柔軟にアレンジをしていきましょう。
「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」は格式を感じさせる言い回しではあるものの、場面次第ではいかにも定型文っぽい文章に感じさせる場合もあるだけに、心が通ったメッセージを書くには自分らしいひと言を添えるといいでしょう。
♦︎ビジネスでは丁寧な使い方を心がける
ビジネスシーンやビジネス上の相手に使うときには、丁寧な印象を与えるメッセージが好印象を狙えます。
「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」だけでなく「今後のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます」などの言葉と組み合わせると、より品格を感じさせる文章に◎。
♦︎親しい相手には状況によって言い換える
友人や親しい同僚など、普段から仲良くしている相手にも「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」は使えますが、やや堅い印象になってしまうのは否めません。
そのため、親しくしている相手であれば「頑張ってください」や「応援しています」といった言い回しのほうが親近感を与えやすいだけでなく、心がこもったメッセージに感じさせやすい面もあります。
♦︎「新天地」の言い換えを知っておく
「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」は定型句のように使えますが、コミュニケーション美人を目指すなら他の表現も知っておくと◎。
たとえば「新しい環境」や「新たな挑戦」といった言葉への言い換えができると、相手の状況や関係性に応じた適切なコミュニケーションをとりやすくなります。
「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」を使ってはいけない場面

状況によっては「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」を使うべきではない場面もあります。典型的なNGシーンを解説します。
♦︎退職後に働く予定がない相手への挨拶
相手が退職後に仕事をしないことがわかっているならば「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」は使うべきではありません。
働く予定がない相手に対しては“ご活躍”という言葉が違和感を生じさせる場合もあり、不適切な挨拶だと思われるリスクも低くないでしょう。
このようなケースでは「これからの人生が充実したものになりますよう、お祈りしております」などが適切です。
♦︎体調不良や病気で退職や異動をする相手への挨拶
退職や異動であっても、その理由が体調不良や病気などの健康上の理由であることがわかっているときにも「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」は使わないほうが無難です。この場合は「一日も早いご快復を心よりお祈り申し上げます」が適切でしょう。
ただし、相手が健康上に問題を抱えていることを表向きには隠していて公式には伏せているような状況であれば、あえて何も知らないふりをするために「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」を意図的に使う場面はあるでしょう。
♦︎左遷によって異動する相手への挨拶
本人が望んでいないのが明らかな異動や転勤の場合には「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」が嫌味や皮肉に受け取られてしまう可能性もあります。
言葉のもつ意味自体は失礼ではありませんが、状況次第で「新しい環境でのご健康とご多幸をお祈り申し上げます」などと言い換えたほうがスマートでしょう。
「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」は適切に使うと好印象
「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」は、相手が新しい環境で成功することを願う表現ですので状況に応じて適切に使っていきましょう。
文脈に違和感のある流れで唐突に使ってしまうと、“いかにも定型文”といった冷たい印象も与えかねません。心のこもったメッセージに受け取ってもらえるような使い方が適切です。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。