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【メールでも役立つ】上司に対して使える「わざわざ」の言い換え3例

上司への表現は、敬意を示しつつ感謝の気持ちを込めた丁寧な言葉遣いが求められます。「わざわざ」を使うとマイナスの印象に受け取られかねない場面では、次のように言い換えましょう。
♦︎「ご多忙のところ、ありがとうございます」
上司が自分のために時間を作ってくれたことに対して謝意を示す場面では、思わず「わざわざお時間をいただき、ありがとうございます」と言ってしまいそうになりますが、それよりも「ご多忙のところ、お時間をいただきありがとうございます」と伝えたほうが丁寧な表現です。
過去のことであれば「先日は、ご多忙のところありがとうございました」と伝えましょう。
♦︎「お手を煩わせてしまい申し訳ございません」
上司に自分のせいで余計な手間をかけさせてしまったシチュエーションでは「お手を煩わせてしまい、恐縮しております」が適しています。
同じ謝意を伝えるにしても「わざわざ、ありがとうございます」より丁寧でフォーマルな印象を与える表現です。
♦︎「ご配慮をいただきありがとうございます」
上司が自分のために、何かを配慮して取り計らってくれたシーンでは「ご配慮をいただき、ありがとうございます」と感謝を伝えましょう。「わざわざ、すみません」や「わざわざ、ありがとうございます」でも意味は通じますが、「早急に対応いただきましたこと、ご配慮をいただきありがとうございます」などと表現をしたほうがフォーマルな言葉遣いです。
ビジネスシーンで使える「わざわざ」の言い換え3例

ビジネスシーンで顧客や取引先に対して「わざわざ」を使うと、フランクすぎる印象を与える場合もあります。
「わざわざ」の言い換え表現には、適度な丁寧さを感じさせながら感謝を伝えられる言葉を選びましょう。
♦︎「お手数をおかけして申し訳ありません」
相手に余計な手間をかけてしまったときや、相手が厚意で何かをしてくれたときには「お手数をおかけして申し訳ありません」や「お手数をおかけしました。迅速な対応をいただき、ありがとうございます」と言い換えるとスマートです。
「わざわざありがとうございます」よりも、丁寧な印象を与えられるでしょう。
♦︎「ご丁寧にありがとうございます」
相手が厚意で特別にしてくれたことに対して感謝を伝えるときには「ご丁寧にありがとうございます」や「ご丁寧に対応いただき、誠に感謝しております」などと言い換えましょう。
ビジネスの関係性では「わざわざ、すみません」や「わざわざ、ありがとうございます」ではフランクすぎるため、謝意は丁寧な言葉で伝えたほうがスマートです。
♦︎「ご足労をいただきありがとうございます」
相手が出向いてきてくれた場面や、遠方から訪問をしてくれたシーンでは「ご足労をいただきありがとうございます」や「遠方よりご足労いただき、感謝申し上げます」が言い換えとして適しています。
「わざわざ来ていただいて、ありがとうございます」と伝えるよりも、フォーマルかつ丁寧な印象を与えられる表現でしょう。
【目上にも使える】まだある「わざわざ」の言い換え表現

相手の立場を問わずに使える「わざわざ」の敬語的な言い換え表現は、たくさんあります。会話の流れや場面の雰囲気に応じて、適切な表現を選んでアレンジしていきましょう。
♦︎「ご尽力をいただき」
「わざわざ」何かをしてくれた相手に対して「わざわざ」の部分を「ご尽力をいただき」と言い換えることもできます。
たとえば「ご尽力をいただき、感謝しています」や「ご尽力をいただいて嬉しいです」などと使いましょう。
♦︎「お時間を割いていただき」
自分のために時間をつくってくれた相手に対して、そのことに触れる際には「わざわざ」を「お時間を割いていただき」と言い換えることもできます。
「本日はお忙しいなか、私どものためにお時間を割いていただきありがとうございます」といった使い方ができるでしょう。
♦︎「お気を遣わせてしまい」
相手が特別に配慮をしてくれたり、気を遣ってくれているのがわかるシチュエーションでは「わざわざ」を「お気を遣わせてしまい」で言い換えることもできます。
「お気を遣わせてしまい、誠に申し訳ございません」や「お気を遣わせてしまい、恐縮です」といった使い方が適しています。
「わざわざ」は「特別に」や「あえて」といった意味を表す
「わざわざ」は、口語でよく使われる一般的な表現。「特別に」や「あえて」といった語意で使う人も少なくありません。
しかし“いい文脈”でも“悪い文脈”でも使われる言葉であることから、多用するほど誤解を招く可能性も潜みます。
行動や労力に対して批判や否定をしているといったネガティブな文脈に誤解されないよう、目上の相手やビジネスシーンで使う言葉としては不適切なシーンもあると心得ておきましょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。