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「で、問題ありません」の問題点とは？
「〜で、問題ありません」という答え方は、相手から「問題ありませんか？」と尋ねられたときの返答として一般的です。
しかし万能なフレーズとはまでは言い切れず、お客様を相手には使用しないほうが適切なことも。
このフレーズの問題点を解説します。
♦︎相手の立場よりも自分の判断を強調して聞こえる
「問題ありません」は表現としてはフラットですが、やや素っ気なく聞こえがちな言い方です。
相手の立場よりも自分側の判断を強調する表現に聞こえやすいことから、お客様に対して横柄な印象を与えてしまう可能性もあるでしょう。
場面にもよりますが、お客様対応では、自分の立場よりも相手の立場を優先した表現が適切である場合も少なくありません。
♦︎ぶっきらぼうな印象を与える
「問題ありません」は、単純に「問題がない」と事務的に伝えるだけの表現でもあります。
社内での日常的なやり取りや対等な関係にある取引先とのコミュニケーションならば問題がなくても、お客様対応で使用すると相手の意向を尊重していない印象を与えてしまいかねません。
♦︎相手への配慮を欠いた印象を与える
「問題ありません」は自分の判断を押し付けているように聞こえることがあり、お客様対応では不適切に受け取られる場合もあります。
「問題ない」という言葉で断定をしているために、お客様対応では相手への配慮を欠いている言葉遣いにも聞こえる可能性があることから、より相手に安心感を与える言い回しが好まれます。
返答として用いる「〜で問題ありません」の言い換え事例
「〜で問題ありません」を、敬語で言い換える表現をチェックしておきましょう。
♦︎「～で差し支えございません（ありません）」
たとえば、お客様が「クレジットカードで支払えますか？」と尋ねてきたときには「カードで問題ありません」と答えるよりも「お支払い方法は、クレジットカードで差し支えございません（または、差し支えありません）」と返したほうが丁寧な印象を与えます。
また、相手が「差し支えありませんか？」と聞いてきたならば、こちらも「～で差し支えございません」や「〜で差し支えありません」と返したほうが柔らかいでしょう。
♦︎「～で支障はございません（ありません）」
お客様から「スケジュールに支障はありますか？」と尋ねられたときなどには「問題ありません」とだけ返答をするよりも「このスケジュールで支障はございません（または、支障はありません）」と答えたほうが丁寧で柔らかい受け答えになります。
♦︎「対応可能でございます（です）」
たとえば、お客様から「至急で対応してもらえますか？」などと聞かれたときに「問題ありません」という返し方ではなく「対応可能でございます」や「対応可能です」と回答をしたほうが、冷たい印象を避けられます。
質問として用いる「〜で、問題ありませんか？」の言い換え事例
「で問題ありません」は、文末に「か？」を加えることで「〜で問題ありませんか？」と質問をするときにも使われています。
「〜で、問題ありませんか？」も「〜で、問題ありません」同様に、相手との関係性によっては相応しくない言い回しです。
言い換えたほうが丁寧な印象を与える事例をチェックしていきましょう。
♦︎「こちらで支障はございませんか？」
相手に対してスケジュールを提案する場面など、こちらから何らかの提案をして、相手の意向を確認したいときに「〜で問題ありませんか？」と尋ねると、ぶっきらぼうに聞こえることもあります。
「こちらで支障はございませんか？」と言い換えると、柔らかい印象に聞こえやすいでしょう。
♦︎「～でよろしいでしょうか？」
許可や承諾をしてほしい事柄に対して尋ねる場面では「〜で、問題ありませんか？」と聞くよりも「〜でよろしいでしょうか？」と言い換えたほうが柔らかく聞こえます。
冷たい印象を与えたくない相手に対しては、相手の意向を丁寧な言い回しで確認したほうが適切でしょう。
♦︎「問題ございませんでしょうか？」
「問題ありませんか？」と尋ねるよりも「問題ございませんでしょうか？」と言い換えたほうが、丁寧に受け取られる場面も少なくありません。
尋ねている事柄は同じでも言い方によって与える印象が異なる場合も多いため、場面に応じて言い換えるといいでしょう。
「で、問題ありません」はシンプルな断定表現
「で、問題ありません」は、シンプルな断定表現です。一般的によく使われていますが、丁寧な言い回しとして受け取られる場面は少なく、敬語として不十分だと感じられる可能性もある表現です。
また、お客様や上司などの目上の人に対して使っても構わないとされている表現ではあるものの、相手への配慮を欠く言葉として人によっては気にする場合もあることから、ビジネスシーンにおいてはTPOに応じて言い換えができるように、より丁寧な言い回しも知っておくと安心でしょう。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎（ちみもうりょう）な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。
