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メールでの「御中」の正しい使いかたをマスター!

まずは「御中」の正しい使い方、用法のルールを確認していきましょう。
♦︎集団名のあとに敬称として使う
「御中」は企業や団体、特定の部署宛に送るメールで敬称として使用します。
“個人”宛の敬称として使うことはなく、企業や組織などの“集団名”のあとに使うと覚えておくと、間違いがないでしょう。
「株式会社〇〇御中」や「〇〇事務局御中」などと記載するのが一般的です。
♦︎部や課などの小さな集団にも使用できる
特定の部署や組織宛のときにも「御中」を使えます。
「株式会社〇〇 ▲▲部御中」や「●●チーム 御中」「■■センター御中」など、小さな組織宛であっても使用できます。
♦︎部署名や組織名のみの宛名に使う
部署や組織に宛てるメールで、その部署や組織の誰が読んでも問題がない場合にのみ、敬称として「御中」を使用します。
つまり、部署内の特定の誰かにだけ読んでもらいたいメールの場合には「組織名+御中」という宛名は不適切です。
「御中」の用法を間違えやすい3つのシチュエーション

「御中」は敬称ですが、やみくもに使ってしまうと誤った用法になりがちです。「御中」を使うシーンで、間違いが起きやすいポイントを解説します。
♦︎NG1:「御中」のあとに個人名を記す
「御中」は、団体や部署を対象とした敬称であるため、個人名と併用するのは誤った用法です。
よくある間違いとしては「〇〇株式会社 ▲▲部 御中 ■■様」と、“御中”と“様”を併用しているケースです。
個人宛のメールで所属している組織名も記す場合には「〇〇株式会社 ▲▲部 ■■様」と、“御中”を使わずに“様”だけで記します。
♦︎NG2:個人の役職名の後ろにつける
「課長御中」や「センター長御中」のように、個人の役職名のあとに“御中”をつけるのも誤った使用法です。
御中は集団名のあとにつける敬称なので、役職だけの記載であっても個人に宛てる敬称としては使用しません。
♦︎NG3:“様”の後につける
謙虚な姿勢を示そうとするあまりに「●●様御中」と、“様”のあとに“御中”をつけるのも誤りです。
「ビジネスメールでは、御中を使うべき」などと誤った知識で覚えてしまうと、うっかりと使ってしまいがちに。
“御中”は、集団名や組織名など“集団”として存在する宛先のときにのみ使うと覚えましょう。
「御中」を使うと失礼にあたるケース3選

「御中」は敬称ですが、使い方次第では失礼にあたる場合もあります。よくあるパターンを3つ解説します。
♦︎担当者がわかっているのに「御中」で送る
すでにやり取りをしている担当者がいるにもかかわらず「●●部 御中」と組織名でメールを送ってしまうと部署全体に宛てるメールになってしまうことから、担当者を認識していない、あるいは担当者の存在を無視しているようにも受け取られかねず、失礼にあたるでしょう。
担当者がわかっている場合には「御中」を使うメールではなく「〇〇株式会社 ▲▲部 ■■様」と個人を特定して連絡をしましょう。
♦︎個人事業主に「御中」を使う
個人宛のメールは「様」だと認識していても、フリーランスや個人事業主として仕事をしている相手に対しては個人として認識すべきなのか、それとも法人のような“組織”として扱うべきなのかを判断しかねた結果として「様」なのか「御中」なのか迷ってしまうこともあります。
しかしこの場合も「個人宛」であることに間違いないので、御中ではなく「様」を使うのが正解です。
個人で運営をしている事務所宛の場合にも「〇〇オフィス ▲▲様」のように記載するといいでしょう。
♦︎個人への敬称として使う
「様」よりも「御中」を使ったほうが格が上がると勘違いをしてしまうと、ビジネス上のお付き合いがある個人に対して「○○(名前)御中」と、“様”の代わりに御中を使っているケースも散見されます。
しかしこれも誤りで、個人への敬称は「様」が正解です。「様」と「御中」に格の違いはなく、個人宛なのか組織宛なのかの違いだけです。
「御中」は正しく使いわけるべき敬称
「御中」は敬称なので相手を敬う言葉ではありますが、正しく使い分けなければマナー違反になってしまう場合もあります。
企業や団体、部署などの“集団”に対して宛てる敬称だという基本を忘れずに、うっかり個人宛のメールで記載しないように気をつけましょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。