日常会話やビジネスシーンで使われる「手練れ」という言葉。聞いたことはあるけれど、具体的な意味や使い方を知っている人は意外と少ないかもしれません。「手練れ」という言葉の正しい意味や由来を確認して、より自然に使えるようにしたいですね。
この記事では「手練れ」という言葉の意味や使い方を紹介します。ぜひ、あなたのボキャブラリーの一つに加えてください。
「手練れ」の意味と語源を解説
まずは「手練れ」の読み方と意味を確認していきましょう。
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「手練れ」の意味とは?
「手練れ」は、「てだれ」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。
て‐だれ【手足れ/手▽練】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《「てだり」の音変化。「てたれ」とも》技芸・武芸などに熟達していること。腕きき。「―の剣客」
「手練れ」は何かの技術に優れた人を指す言葉です。もともとは武芸や職人の技術を表すものでしたが、現代ではスポーツやビジネスの分野でも使われています。
「手練れ」の使い方|どんな場面で使われる?
「手練れ」は、熟練した技術を持つ人を指すだけでなく、さまざまな場面で使われる言葉です。ビジネス、スポーツ、恋愛など、多様なシチュエーションでどのように用いられるのか、具体的な例を見ていきましょう。
「彼は交渉の手練れで、どんな取引も成功に導く」
仕事の場面では、「手練れ」は経験と知識を生かして交渉や商談を有利に進める人物を指すことがあります。取引をまとめる能力に長け、相手の出方を見極めながら最適な判断ができる人に対して使われますよ。
「彼はテニスの手練れで、一瞬の隙も見逃さない」
スポーツの世界では、競技の技術が高く、試合運びに慣れた選手に「手練れ」が使われます。熟練の技と冷静な判断力を兼ね備えたプレイヤーに対して用いられ、長年の努力や経験が生かされている様子を表しています。
「彼女は恋愛の手練れで、自然に相手を引き込む魅力がある」
恋愛の場面でも、「手練れ」は使われます。恋愛経験が豊富で、異性への接し方や距離の縮め方が自然でスマートな人を指すことが多いでしょう。人を惹きつける魅力を持ち、状況に応じた対応ができることを表す言葉として用いられます。
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「手練れ」の類語や言い換え表現は?
似た意味を持つ言葉を知ることで、場面に応じた適切な表現を選ぶことができるでしょう。それぞれの言葉のニュアンスの違いを確認していきます。
熟練(じゅくれん)
「熟練」は、長い時間をかけて技術や知識を磨き、非常に高いレベルに到達していることを表します。「手練れ」と似ていますが、よりフォーマルな場面で使われることが多いでしょう。
例文:「彼は熟練の技で、どんな作業も正確にこなす」
ベテラン
「ベテラン」は、特定の分野で長年の経験を積んだ人を指す言葉です。「手練れ」と比べると、より一般的に使われる表現かもしれませんね。
例文:「彼は業界のベテランとして、多くの後輩を指導している」
達人(たつじん)
「達人」は、学問や技芸に熟達した人を指します。「手練れ」と比べると、より専門的な技術や、非常に優れたスキルを持つ人に対して使われることが多いでしょう。
例文:「彼は剣術の達人で、一撃で相手を制する技を持っている」
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「手練れ」を英語で表現すると?
「手練れ」を英語で表す場合、いくつかの言い回しがあります。シチュエーションに応じて、適切な表現を選びたいですね。
veteran
“veteran”は、長年の経験を積んだ熟練者を指します。仕事やスポーツの分野で使われることが多い言葉です。
例文:She is a veteran in the fashion industry.(彼女はファッション業界の手練れだ。)
expert
“expert”は、特定の分野で高度な知識や技術を持つ人を指します。「達人」に近いニュアンスを持つことが多いでしょう。
例文:He is an expert in software development.(彼はソフトウェア開発の手練れだ。)
最後に
「手練れ」という言葉は、さまざまな分野で経験を積んだ熟練者を指します。もともとは技芸や武芸に関して使われていた言葉ですが、現代ではビジネスやスポーツ、恋愛の場面でも使われるようになりました。場面に応じて適切に使うことで、より的確に相手の技量や経験を表現したいものですね。
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