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2025.02.20

「彼奴」、なんと読む?「かれやつ」ではなく…|意味や映画・音楽シーンでの使われ方も解説

「彼奴(あやつ)」とは、話題の人物を罵る場合や、親しみを込めてぞんざいに表現する際に使う言葉です。この記事では、「彼奴」の意味や使い方、類語、言い換え表現を紹介します。

「彼奴」という漢字を見て、ぱっと読むことができたらかっこいいですね。「かれやっこ」でしょうか、それとも「かれめ」…? この記事では、正しい読み方から、意味や使い方までわかりやすく紹介します。

「彼奴」とは? 読み方や意味をわかりやすく解説

まずは「彼奴」の気になる読み方を確認していきましょう。

ソファで読書する女性
(c) Adobe Stock

「彼奴」の読み方と意味

「彼奴」は、「あいつ」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。

あ‐いつ【▽彼▽奴】
[代]《「あやつ」の音変化》
1 三人称の人代名詞。第三者を軽蔑(けいべつ)して、または親しみの気持ちを込めてぞんざいに言う語。あのやつ。やつ。「―はそういう奴だ」
2 遠称の指示代名詞。遠くのもの、または話し手・聞き手がすでに知っているものをさして、ややぞんざいに言う語。あれ。「―をとってくれ」

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「彼奴(あいつ)」は、「あやつ」が音変化した言葉だということがわかりました。「彼奴」は話題の人物を罵る場合や、親しみがある分あえてぞんざいに使う言葉でもあったりします。

ややくだけた言い方なので、オフィシャルなシーンでは使わない方がいいでしょう。

他にも、「かやつ」、「かいつ」、「かっし」「きゃつ」、「かつ」という読み方もあります。読み方は異なりますが、いずれも同じ意味を指しますよ。

「彼奴」の由来は?|いつから使われていた表現?

「かやつ」という言葉は、主に平安時代から使われていました。清少納言の『枕草子』にも「ほととぎす、おれ、かやつよ。」といった形で登場します。「かやつ」が音変化した「きゃつ」は中世以降で使用され始め、特に近世からよく使われたそうです。

一方、「あいつ」の元となった「あやつ」という表現は『十訓抄』(1252)などで表記が見られます。

参考:『日本国語大辞典』(小学館)

「彼奴」の使い方|どんな場面で使われる?

現代では、「彼奴」と漢字で表記することはほとんどないでしょう。しかし、文学や映画、音楽のタイトルなどに登場することがあります。言葉の持つ雰囲気を理解すると、より楽しめるかもしれません。

『彼奴は顔役だ!』とは? 映画タイトルの意味

『彼奴(きゃつ)は顔役だ!』は、1939年に制作されたアメリカ映画のタイトルです。「顔役」という言葉は、特定の地域や組織内で影響力を持つ人物を指します。「彼奴」と組み合わせることで、タイトルからも「強い存在感を持つ人物」を示唆するニュアンスが伝わってきますね。

映画
(c) Adobe Stock

「彼奴等と知る諸行無常」とは?

「彼奴等と知る諸行無常」とは、椎名林檎さんデビュー25周年を記念した全国ツアーのタイトルです。正確には、「椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常」になります。「彼奴」という表現が使われていることで、より印象的なタイトルになっていますね。

「諸行無常」は仏教の概念で、「すべてのものは移り変わる」という考えを表します。「彼奴」と組み合わせることで、無常観を帯びたメッセージを伝えているのかもしれません。

「彼奴」の類語や言い換え表現は?

「彼奴」という言葉には、似た意味を持つさまざまな表現があります。これらの言葉を知ることで、場面に応じて適切な表現を選びやすくなるかもしれません。それぞれの言葉が持つニュアンスの違いを見ていきましょう。

調べる女性
(c)Adobe Stock

奴(やつ)

「奴」は、「彼奴」と同じく相手を指す言葉ですが、より口語的な表現です。親しみを込めて使うこともあれば、相手を軽く見たり、ぞんざいに扱う場合にも用いられます。

日常会話では、「いい奴だ」とか「なんて奴だ」など、カジュアルな表現として使われることが多いでしょう。

奴さん(やっこさん)

「奴さん(やっこさん)」は、落語や時代劇などで、使用人や町人を指す表現として頻繁に登場しますね。奴さんは、自分より同等以下の人を軽んじたり、親しみを込めて使われる言葉です。

現代では、冗談交じりに使われることがあり、特に演劇や文学の中で独特の雰囲気を持つ言葉として活用されることが多いかもしれません。

あの人

「あの人」は、三人称の人代名詞です。何気なく使われることの多い言葉ですが、近世では対等以下の人を指していました。ですから、人によっては不快に思われる可能性もあるため、注意して使いたいですね。

最後に

「彼奴」という漢字表記は、現代ではほとんど使われません。しかし、文学や映画、音楽の中で見かけることがあります。意味や背景を知ることで、作品の世界観をより深く楽しむことができるかもしれませんね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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