「席巻(せっけん)」という言葉は、ニュースやビジネスシーンでよく使われますね。この表現は何かが勢いよく広がる様子を表しますが、具体的にどのような場面で使えるのかを知っていると、言葉の選び方がより的確になるでしょう。
この記事では、「席巻」の意味や使い方、関連する表現について、深掘りしていきます。
「席巻」とは? 正しい読み方と意味
まずは、「席巻」という言葉の意味を深掘りしていきましょう。
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「席巻」の読み方と意味は?
「席巻」は「せっけん」と読みます。意味を辞書で確認しましょう。
せっ‐けん〔セキ‐〕【席▽巻/席×捲】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名](スル)《「戦国策」楚策から》むしろを巻くように領土を片端から攻め取ること。はげしい勢いで、自分の勢力範囲をひろげること。「市場を―する」
「席巻」は、「勢いよく広い範囲を支配すること」を意味します。
もともとは軍事用語として使われていましたが、現代ではビジネスや流行の広がりを表す際にも使われています。ある企業が市場で優位に立つ状況や、新しいトレンドが短期間で広まる場面で使われることが多いでしょう。
「席巻」の使い方と具体的な例文
「席巻」は、ビジネスやメディアの世界でよく使われますが、日常会話でも応用できる表現です。急速に広がる流行や、大きな影響を与える現象を説明する際に使われます。具体的な例を挙げながら、どのような状況で適用できるのかを見ていきましょう。
このブランドの新作バッグは、発売と同時に市場を席巻し、多くのファッション誌で特集された。
新商品が注目を集め、瞬く間に人気を博したことを表しています。流行をリードする場面でよく使われる表現です。
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SNSで話題になったカフェが、若者の間で席巻し、連日行列ができるほどの人気となった。
特定のトレンドが急速に広がり、人々の関心を集める様子を示しています。口コミやバズマーケティングにも関連する使い方です。
新興のIT企業が画期的なアプリを開発し、業界を席巻する存在となった。
テクノロジー分野で革新をもたらし、大きな影響を与えたことを表現しています。競争が激しい業界で、急成長する企業に対して使われることが多いでしょう。
「席巻」の類語や言い換え表現は?
言葉を適切に使い分けることで、表現の幅が広がります。「席巻」と同じように、勢いよく広がる現象を示す言葉はいくつかありますが、場面によって使い分けることが大切です。類語や言い換えの表現を見ていきましょう。
圧倒(あっとう)
「圧倒」は、他を寄せつけない強さや勢いを示す言葉です。「席巻」が短期間で広がる状況を表すのに対し、「圧倒」は力の差を見せつけるような場面で使われることが多いでしょう。例えば、「彼の才能は、コンテストで圧倒的な評価を受けた」といった使い方が考えられます。
旋風(せんぷう)
「旋風」は、突発的に起こり、大きな話題や影響を生む出来事を指します。「席巻」が市場や業界全体に広がるイメージを持つのに対し、「旋風」は、一時的な盛り上がりや急激な流行を強調する表現。「新しいアイドルグループが旋風を巻き起こした」などのように使われます。
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時めく(ときめく)
「時めく」は、その時代に合ったものが脚光を浴び、もてはやされる様子を表します。「席巻」が勢いよく支配的な影響を持つのに対し、「時めく」は人気や注目度が高まることを意味します。
「この作家の作品は、今まさに時めいている」など、流行や評価が高まっている状況に適した表現といえるでしょう。
「席巻」の英語表現
英語で「席巻」を表現するなら、“dominate”が使えるでしょう。“dominate”は、「支配する」とか「優位に立つ」といった意味がありますよ。ビジネスや競争の場面でよく使われます。
最後に
「席巻」は、勢いよく広がる様子を表す言葉です。特に、ビジネスやトレンドの分野で使われることが多く、影響力の強い現象を説明するのに適しています。
類語や英語表現を知ることで、より多様な場面で適切な表現を選べるようになるかもしれません。この機会に、「席巻」という言葉を活用してみてはいかがでしょうか?
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