初めての相手に送るビジネスメールの基本構成

初めての相手に送るビジネスメールには雛形と言ってもいい「基本の構成」があります。
まずは、それぞれのパートごとに見ていきましょう。
♦︎構成1:件名
《ポイント》シンプルかつわかりやすく書く
メールの件名には、メールで記している内容を「簡潔」かつ「わかりやすく」記します。
「こんにちは」や「先日は、名刺交換をしていただきありがとうございました」などの文章を件名にしてしまうと、用件がわかりにくく不親切な印象になってしまうので気をつけましょう。
《例文》
・会ったことのない相手に送るなら…「【ご挨拶】〇〇株式会社の△△です」
・新規で商談を申し込みたいなら…「貴社サービスについてのご相談(〇〇株式会社・△△)」
・自社の商品やサービスについて紹介したいなら…「【ご提案】貴社への〇〇サービスのご紹介」
♦︎構成2:宛名
《ポイント》相手の名前を間違えずに記す
メール本文の前に、相手の名前を間違えないように記します。
会社名+部署名+役職+氏名+「様」 の順で、正確に書きましょう。
役職がある場合には「〇〇部 部長 小田花子様」 のように記載し、会社名は「(株)」とは省略せずに「株式会社〇〇」 のように正式名称で書きます。
《例文》
「〇〇株式会社 △△部 部長 小田花子様」
♦︎構成3:導入
《ポイント》挨拶をしてから自己紹介を書く
初めての相手にメールをするときには、初めての連絡であることを伝えましょう。
この一文を省いてしまうと、相手は「どこかでお会いした人なのかな?」と余計な気を遣うことになってしまうため、初めてである旨を記すほうが親切です。
そのあとに、自社名・自分の名前・所属を記して、相手に安心感を与えましょう。
なお、ビジネスメールの定型文でもある「お世話になっております」は、初めての相手にはNGです。
《例文》
「突然のご連絡、失礼いたします。〇〇株式会社△△部の△△と申します」
「初めて連絡いたします。私は〇〇株式会社△△部の△△と申します」
♦︎構成4:本題
《ポイント1》要件は簡潔に書く
ここから、いよいよ本題に入っていきます。
できれば「何についての連絡か」が相手に明確に伝わるよう、最初に結論を書くと親切でしょう。
そのうえで「〜したく、連絡をいたしました」のように、メールを送る目的を伝えます。
メールが長すぎると読みにくいことから、必要な詳細は簡潔に伝えるよう努めましょう。
《例文》
「貴社の〇〇サービスについて、お話を伺いたく連絡いたしました」
「貴社のホームページを拝見し□□についてご相談したく、連絡いたしました」
《ポイント2》依頼事項があるならば柔らかく丁寧な表現で記す
返信や対応をお願いする内容を送るなら、相手が返信しやすいように書くよう努めましょう。
「ご確認いただけますと幸いです」や「お手数ですが、ご返信をいただければと存じます」 などの柔らかく丁寧な表現を選ぶといいでしょう。
返信の期限がある場合には期限を記し、日程調整をする場合には候補日を提示するとスムーズです。
《例文》
「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします」
「もし可能でしたら、オンラインでの打ち合わせをお願いしたく存じます。以下の日程でご都合はいかがでしょうか」
♦︎構成5:結び
《ポイント》丁寧に締めくくる
相手に感謝を伝えたり、今後のやり取りにつながるよう期待を込めた一文を書いたりと、メールの最後は締めの言葉で結びましょう。
今後のやり取りを円滑にするためにも、丁寧に締めくくる心がけが求められます。
《例文》
「何卒よろしくお願いいたします」
「お返事をお待ちしております」
♦︎構成6:署名
《ポイント》自分の情報をしっかりと記す
最後に、差出人の情報である、会社名・所属部署・氏名・連絡先を明記します。メーラーの署名機能を使ってもいいでしょう。
初めての相手には、差出人の身元がよくわからないで不審がられるのを防ぐためにも、自分の情報をしっかりと記して送るのがマナーです。
《例文》
──────────────
〇〇株式会社 △△部
△△ △△(名前)
メール:xxxx@xxx.com
電話:03-XXXX-XXXX
──────────────
初めての相手にメールを送る際の注意点

初めての相手にメールを送る際には、すでに関係が構築されている相手へ送るメールよりも気を遣うべきでしょう。失礼にあたらないよう、注意したい点を解説します。
♦︎件名・用件ともに長く書きすぎない
件名・用件ともに長々と書きすぎないことが大切です。用件はできる限り、簡潔に!
興味を持ってくれれば相手からアクションがあるので、詳細はそのときに伝えても遅くないでしょう。
また「初めてメールします! 〇〇についてのお問い合わせです!」などとカジュアルすぎる文面で書くのは、失礼な人だと思われる可能性もあるため控えましょう。
♦︎初めての相手に「お世話になっております」は使わない
「お世話になっております」は、メール冒頭に記す定型文として広く使われていますが、初めての相手には使わないよう徹底を。
まだ“お世話になっている”間柄ではないことから、テキトーな文章を送っていると誤解されやすいでしょう。
♦︎コピペをするなら文中の名前の記載に注意する
複数の相手に同じ文面を送るメールではコピペ機能を使うこともありますが、文中に相手の名前を記しているときには、名前のミスが生じやすい点に注意を。
初めての相手から名前の記載が間違っているメールが届くと、一目でコピペであるとわかり失礼な印象を与えます。
初めての相手へのメールは返信しやすいように配慮を
ビジネスで初めての相手にメールを送るときには「件名 → 宛名 → 挨拶 → 本題 → 依頼 → 結び → 署名」 の流れで書くとスムーズでしょう。
“シンプル・丁寧・わかりやすく”の3点を意識して、相手が読みやすく返信しやすいメールを心がけましょう。
カジュアルな印象になってしまうことから絵文字や顔文字は使わずに、文章の表現で柔らかさを出すようにすると、相手が読みやすいメールが書きやすいですよ。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。