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ビジネスシーンで使えるフォーマルな言い換え方3選

ビジネスやかしこまった場面で使う場合には普段の話し言葉よりも、やや丁寧な表現が求められます。
♦︎上司への報告などでは「善意で」
たとえば、上司に報告をする際に「善意で行ったことですが、結果的にご迷惑をおかけしました」といったように「良かれと思ってしたことで、悪気はなかった」という意を伝えるには「善意で」という言葉に言い換えられます。
♦︎真意を尋ねられた場などでは「親切心から」
たとえば、上司から行動の真意について尋ねられたときなどに「親切心からの行動でしたが、意図が伝わらなかったようです」というように言い換えることができます。「良かれと思って」と伝えるよりも、フォーマルな発言に聞こえやすいでしょう。
♦︎上司から理由を聞かれたときなどに「配慮して」
たとえば、上司から理由を聞かれたときなどに「相手の状況を配慮しての提案でしたが、余計なお世話だったかもしれません」などと言い換えます。自分は相手を気遣ってしたことだったけれど、結果として失敗だったという意を伝えやすいでしょう。
カジュアルな会話で使える言い換え方3選

友人や家族などとの会話で「良かれと思って」を言い換えるならば、次のような言い方が適切でしょう。
♦︎逆効果になった事柄について「いいと思って」
自分は正しいと思ってしたことだったけれど、結果的には逆効果になってしまった場合などには「いいと思ってやったんだけど、逆効果だったみたい」などと言い換えができます。「良かれと思って」を用いるよりも、口語らしい柔らかい文章に聞こえやすいでしょう。
♦︎相手から余計なことをしたと思われた場面で「親切のつもりで」
自分では親切のつもりでしたことでも、相手が余計なことをしたと感じている場面では「親切のつもりで手伝ったけど、おせっかいだったかも」などと言い換えることができます。悪気があってしたわけではないという趣旨を伝えたいときに「良かれと思って」を用いるよりも、カジュアルな表現です。
♦︎相手のためを思ったつもりだったことについて「厚意だったんだけど」
相手のためを思ってしたつもりのことでも、結果としておせっかいのように受け取られてしまったことに対して「厚意だったんだけど、気に障ったならごめん」というように言い換えができます。悪気があってしたわけではないという趣旨を相手に伝える必要があるときには、その真意をしっかり伝えたほうがトラブルになりにくいでしょう。
使うべきではない「良かれと思って」の言い換え3例

「良かれと思って」と同じような意味の言葉でも、言い換えることによってかえって印象が悪くなる表現もあります。典型的な例を3つ解説します。
♦︎「余計なお世話かもしれませんが」
相手が望んでいないかもしれないと思いつつも、何かを言ったりしたりするときに「余計なお世話かもしれませんが」と言い換えてしまうと、ありがた迷惑に聞こえる場合も。「余計なお世話かもしれませんが、一言アドバイスさせてください」などと言われた側は、不快感を覚えやすいでしょう。
♦︎「おせっかいだったかもしれないけど」
相手にとって必要のないことをしてしまった反省を込めて「良かれと思って」の代わりに「おせっかいだったかもしれないけど」を用いてしまうと、喧嘩を売っているように聞こえることがります。親切心から出た行動だというのを強調したいだけであっても、投げやりな言い訳をしているうようにも受け取られかねません。
♦︎「結果的に裏目に出た」
意図していたことと逆の結果になってしまったときには「結果的に裏目に出た」と言い換えることもできますが、自ら失敗をしたことを強調する言葉になるために、あえて使わないほうが無難な場面も少なくありません。
「良かれと思って」と似た意味の熟語もある
「良かれと思って」は主に会話で使われることの多い言葉。「相手を思って」や「善意で」といった意味です。熟語で表現するのであれば、親切のつもりが、かえって迷惑になってしまうことを表す「親切倒れ」や、善意でもやりすぎると逆効果になるという意味の「過猶不及(かゆうふきゅう)」もあわせて覚えておくといいですね。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。