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2026.01.18

「ご放念ください」は冷たい言葉? 失言になったパターンは…

ビジネスメールで、比較的多く使われている言い回しに「ご放念ください」があります。でも、使い慣れないうちは硬い印象に戸惑いやすいフレーズでもあるので、正しく使える自信がないアラサーもチラホラ。この機会に「ご放念ください」をマスターしましょう。意味や使える場面、言い換え方を整理して解説していきます。

並木まき

「ご放念ください」の意味

「ご放念ください」を他のフレーズに言い換えると「気にかけないでください」や「心配しないでください」といったニュアンスです。

「放念(ほうねん)」は、“気にかけないこと。心配しないこと”(出典:デジタル大辞泉/小学館)という意味ですので、そこに丁寧語の「ご」と「ください」をつけた「ご放念ください」は「どうか気にかけないでください」「どうか心配しないでください」といった意味をもちます。

なお、実務上では「どうぞ忘れてください」といった意味でもよく使われています。

【ビジネスシーンのマナー】「ご放念ください」を使える場面

(c)Adobe Stock

「ご放念ください」を使える場面や状況は、そこまで多くありません。
Oggi世代が「ご放念ください」を自然に使いやすい場面を整理しましょう。

♦︎相手に気を遣わせたくないとき

相手が必要以上に気にするのを防ぎたいときに、配慮を示す言葉として用いられています。

例文:(何かトラブルが起きたときに)「こちらの件は私どもで対応いたしますので、どうぞご放念ください」

♦︎対応の必要がなくなった旨を伝えたいとき

相手に何かを依頼していたいけれど、状況が変わり不要になったときも用いられます。

例文:「状況が変わりましたので、ご放念いただけますと幸いです」

♦︎相手が謝ってきたのでフォローをしたいとき

相手がこちらにお詫びをしてきているときに、相手の負担を減らす言葉としても使えます。

例文:「お気持ちだけで十分です。どうぞご放念ください」

♦︎訂正の連絡を入れたとき

メールや資料のミスが発覚し、新たに正しいものを送り直した場面で「古いものは忘れてください」の趣旨でも用いられます。

例文:「先ほどの内容については、ご放念いただけますと幸いです」

「ご放念ください」を使うべきではないケース

友人とカフェ
(c)Adobe Stock

「ご放念ください」が意味としては正しい場面でも、使うのが適切ではない場合もあります。
できるだけ使うべきではない主なケースを解説しましょう。

♦︎友人や親しい同僚には避けたほうが◎

「ご放念ください」は、フォーマルな印象を与える言い回し。
ですので、友人や同期・親しい同僚に使うと「他人行儀…?」「なにかの冗談?」などと距離を感じさせがちです。
場面にもよるものの、フォーマル寄りの表現を近しい相手に使うと違和感が強まってしまいます。

♦︎クレームを受けているときもNG

先方が怒っている状況で「ご放念ください」は、逆効果になりがちなので要注意。
言われた側は「気にするなと言われても…!」「もう忘れてくださいって意味?」などと感じ、怒りに対して火に油を注ぐ可能性が低くありません。

♦︎自分がミスをして迷惑をかけたとき

自分が原因で重大なミスをした場面では、事態を軽く受け取っていると誤解を招く言い回しは避けるべき。
「ご放念ください」も、その典型です。
誠意のある謝罪が必要なシーンでミスをした本人自ら「気にしないでください」という趣旨のフレーズを使えば、大きな反感を買いがちです。

【うっかり失言】アラサー世代に“ありがちな失敗事例”は…

(c)Adobe Stock

筆者が実際に見聞きした「ご放念ください」にまつわる失敗事例を紹介します。
使い慣れない言葉ほど、うっかり誤用をしがちなので気をつけておきたいところです。

♦︎失敗事例:突き放している印象を与えてしまった

「ご放念ください」はフォーマルな言い回しではありますが、言い方や表情によっては相手を突き放しているような言い方に聞こえる場合も。
筆者が実際に見た事例では「その話はもう結構です、ご放念ください」と無表情で使って人がいましたが、冷たい言い回しにしか聞こえず、瞬時に場が凍っていました。

♦︎失敗事例:謝罪とセットで使って強い違和感を与えた

謝罪をするときに「ご放念ください」を用いると、ミスをした側が「もう気にしないでください」と伝えているように感じさせます。
筆者が見た事例では、自分の遅刻で周りに迷惑をかけた本人が「遅刻して申し訳ありません。到着したので、ご放念ください!」と高らかに宣言をしていて強い違和感が残りました。

♦︎失敗事例:なにを“放念”なのかわからず相手を混乱させた

「ご放念ください」は、なにに対して“放念”していいのかが明確でないと混乱を招きがちな面も。
筆者が過去に受け取ったメールでは、おそらく「返信には及びません(返信不要)」の意味で「ご放念ください」とだけ文末に書かれていたものがありました。
この場合は「本件は共有のみで結構です。ご返信は不要です」などと明確に記されていたほうが親切です。

「ご放念ください」は思いやりのフレーズとして使って

「ご放念ください」は、相手の心理的負担を減らしたいときに用いるのがスマートなフレーズ。
ただし、やや硬い印象がある語感ですので、場面を間違えると冷たく突き放しているような印象を与えかねない点には気をつけておきましょう。
ビジネスメールでは、この言葉を添えるだけで気遣い上手に見せられる効果も◎。
適切に使って、コミュニケーション美人を目指していきましょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき

並木まき

ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。

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