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検索バーに文字を打ち始めたとき、自然といくつかの候補が表示された経験はありませんか? それは「サジェスト」と呼ばれる仕組みによるものです。便利な反面、誤解や混乱を招くこともあるこの機能。
この記事では、「サジェスト」の意味や「サジェスト機能」、「サジェスト汚染」、「サジェスト対策」までをわかりやすく紹介していきます。
「サジェスト」とは何か? 「サジェスト機能」についても解説
検索まわりの話題ではよく耳にする「サジェスト」という言葉。何気なく使っていても、実はしっかり説明するのは難しいという人も多いかもしれません。ここでは、意味と背景について整理していきます。

サジェストの基本的な意味
「サジェスト」は、「suggest(提案する)」に由来するカタカナ語です。辞書で意味を確認しましょう。
サジェスト【suggest】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名](スル)示唆・暗示を与えること。「解決の方法を―する」
「サジェスト」とは、何らかのアイデアや選択肢を示唆する行為を指す言葉です。単なる提案だけでなく、相手に選択肢を提供することで意思決定を支える役割を持っているといえるでしょう。
「サジェスト機能」とは? 問題点も解説
検索エンジンで文字を入力しはじめると、続きに表示されるいくつかの候補。これが「サジェスト機能」と呼ばれるものです。例えば「日本」と入力すると、「日本地図」や「日本郵便」といった言葉が一覧で表示され、完全に入力しなくても目的の情報にすばやくたどり着ける仕組みになっています。Googleが提供する「Googleサジェスト」がその代表例です。
この機能は、漢字を思い出せないときや、うろ覚えの言葉を調べたいときにも役立ちます。入力が少なくても候補を提案してくれるため、調べものをスムーズに進めやすくなるというメリットがあります。
一方で、注意が必要な面も。サジェストされる言葉は、あくまで検索頻度などに基づいたものであり、内容が正確であるとは限りません。ときには、特定の人名や企業名にネガティブな語が組み合わさって表示されることもあります。
こうしたケースでは、誤解や印象の悪化につながる可能性があり、検索結果に影響を受けることもあるようです。
参考:『日本大百科全書』(小学館)
「サジェスト汚染」とは? サジェストのネガティブな側面
検索を助けてくれる便利な機能にも、見過ごせない課題があります。そのひとつが「サジェスト汚染」と呼ばれる現象です。ここでは、「サジェスト汚染」の意味や実際に見られる課題について見ていきましょう。

「サジェスト汚染」の意味と例
「サジェスト汚染」とは、検索時に表示される候補に、特定の人物や企業について否定的な語句が意図的に結びつけられることを指します。例えば、ある人の名前と並んで「やめとけ」や「訴訟」などの語が表示されると、たとえ根拠がなくても印象に影響が出てしまう場合があるでしょう。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
掲示板などで起こるサジェスト問題
掲示板などでは、意図的に特定のワードを繰り返し投稿し、検索候補に反映させようとする動きが見られることもあります。こうした行為が積み重なることで、検索結果の印象がゆがんでしまうことがあるのです。見えないところで情報のバランスが崩れてしまう…、こうした問題には注意を向けておきたいところですね。
「サジェスト対策」とは? 自分でできること・できないこと
検索結果にネガティブな候補が表示されると、個人や企業のイメージに影響を与えることがあります。ここでは、自分でできる対策と、専門的な対応が必要なケースについて紹介していきましょう。

自分でできるサジェスト対策とは
検索エンジンによっては、サジェストを報告することが可能です。例えば、Googleでは検索バーに表示される候補の右下にある「不適切な検索候補の報告」をクリックし(パソコンの場合)、問題のある候補を報告することができます。
削除依頼や相談の流れを知っておく
明らかに名誉を損なうような候補が表示されている場合は、削除申請をしましょう。Googleでは「法的な理由でコンテンツを報告する」ためのフォームが用意されています。
削除申請が認められない場合や、対応が難航する場合は、弁護士に相談するという選択肢も現実的です。
最後に
「サジェスト」という言葉の意味や功罪について見てきました。便利な機能である一方で、扱い方を誤ると誤解や偏見につながる場合もあります。必要以上に恐れることはありませんが、正しく理解して使う意識が大切なのかもしれません。知ることで、日常の中にある小さな違和感にも気づけるようになるのではないでしょうか。
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