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この記事のサマリー
・「客観的」とは、第三者の視点に立って物事を見ることを指します。
・類語や言い換え表現には、「中立」「公平」「公正」「フェア」などが挙げられます。
・客観的の英語表現は “objective” です。
会議やSNSなどで、「もう少し客観的に見てみよう」と言われた経験はありませんか? なんとなく分かるものの、正確に理解しているかと言われたら難しい言葉かもしれません。
そこで、この記事では「客観的」という言葉について、辞書に基づく正確な意味をはじめ、対義語、類語、英語表現まで整理していきます。
「客観的」の定義とは?
まずは「客観的」という言葉の意味を、辞書の定義に基づいて正しくつかみましょう。「主観的」との違いも整理していきます。
「客観的」の意味
「客観的」とは、「第三者の視点に立って物事を見ること」を意味します。
辞書では、次のように説明されていますよ。
きゃっかん‐てき〔キヤククワン‐〕【客観的】
[形動]
1 主観または主体を離れて独立に存在するさま。⇔主観的。
2 特定の立場にとらわれず、物事を見たり考えたりするさま。「―な意見」「―に描写する」⇔主観的。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「客観的」の対義語は「主観的」
「客観的」の対義語は「主観的」です。「主観的」は、「自分だけの視点に立って物事を見ること」を意味します。
しゅかん‐てき〔シユクワン‐〕【主観的】
[形動]
1 表象・判断が、個々の人間や、人間間の心理的性質に依存しているさま。⇔客観的。
2 自分ひとりのものの見方・感じ方によっているさま。「―な考え」⇔客観的。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)
「客観的」と「主観的」の違いを比較
「客観的」と「主観的」は、どちらも物事に対する考え方や姿勢を示します。両者の違いを整理しましょう。
視点の基準
「客観的」な視点は、第三者やデータなど、自分以外の基準に基づきます。一方、「主観的」な視点は、自分の感じ方や考え方が中心になります。
感情の関与
「客観的」な判断は、データや数値をもとに行うため、感情の影響を受けにくい特徴があります。
一方、「主観的」な判断では、個人的な経験や気持ちが色濃く反映されます。
実践!「客観的」と「主観的」の例文
「客観」と「主観」の使い分けは、信頼されるコミュニケーションの第一歩です。具体的な文例を見ていきましょう。
「客観的」
「客観的なデータに基づき、提案内容をロジカルに見直します」
「今回の判断は、感情を排した客観的な事実を基にしています」
「主観が入りやすい場面こそ、一度立ち止まって客観的な視点で冷静に見直しましょう」
「主観的」
「映画の感想は主観的な意見ですが、興行収入は客観的な事実です」
「主観的な意見であることを明確にするため、レポートには『私の所感ですが』と添えるようにします」
SNSの投稿などでも、「私はこう思う(主観)」と「データではこう示される(客観)」を分けることで、発言に説得力が増すでしょう。

「客観的」の類語・言い換え表現を整理
メールや会議で「もっと客観的に」と促したいときには、意図が正確に伝わる言葉を選びたいものです。ここでは、類語や言い換え表現を紹介します。
「中立」
対立するどちらの側にも味方しないことや、特定の思想や立場に片寄らず中間に立つことを意味します。
例:「報道機関は中立を保つことが求められます」
「公平」
判断や扱い、行動に偏りがないことを意味します。
例:「審査は公平に行います」
「公正」
公正は公平であり、かつ正しいことを指します。正当性をはっきりさせたい場面で使われることが多いですよ。
例:「公正な裁判を望んでいます」
「フェア」
公明正大で、道義的に正しい対応を指します。
例:「取引先とフェアな関係を築きたいものです」
注意!「一般的」との違い
「一般的」という言葉は「普遍的」を示す言葉であり、「客観的」の言い換えにはなりません。少数派の考え方であっても、第三者の視点に立って物事を見ているのであれば、それは「客観的」な分析です。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)、『デジタル大辞泉』(小学館)

「客観的」の英語表現
海外とのやり取りや会議で「客観的」を表現したいときに使える英単語が “objective” です。ここでは、反対語 の“subjective” とあわせて、実務で使える例文を紹介します。
“objective” (客観的な)
“objective” は「事実やデータに基づく」「偏りのない」という意味を持ちます。
例:“We need an objective assessment.”
(客観的な評価が必要です。)
“subjective”(主観的な)
“objective” の対義語 “subjective” は、「主観的」を意味します。
例:“Let’s separate subjective opinions from objective data. ”
(主観的な意見と客観的なデータを分けましょう。)
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「客観的」に関するFAQ
ここでは、「客観的」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「客観的」の対義語は?
A. 「主観的」です。
「主観的」とは、「自分だけの視点に立って物事を見ること」を意味します。
Q2. 客観的=皆の意見が一致という理解でいい?
A. いいえ、異なります。
「客観的」とは多数決ではなく、「第三者の視点に立って物事を見ること」を指します。
Q3. NGな使い方はありますか?
A. 「主観的事実」のように相反する語の組み合わせは避けましょう。
感想と事実を混ぜるのも誤解のもとです。
最後に
自分の意見に片寄っていると感じたときは、「客観的」な視点を持ちたいですね。客観的な視点で見れば、「つらい」と思っていたことの中にも、意外とチャンスや優しさなどが見えてくるかもしれません。
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