「無為徒食」ってどんな意味?
無為徒食(むいとしょく)とは、毎日の貴重な時間を無駄に過ごしてしまう様を指す言葉です。たとえば、「無為徒食の生活をおくる」といった使い方をします。
ここでは無為徒食という四字熟語について、詳しい意味や使い方の例文を解説。普段はあまり用いられない言葉かもしれませんが、「だらだらしている」と表現することがはばかられるシーンでは、無為徒食を使ってみるのも一つの方法でしょう。
「無為徒食」は毎日を無駄に過ごすこと
無為徒食とは、だらだらと毎日を過ごすことを表した四字熟語です。また、遊んで過ごすといったニュアンスも含まれています。
なお、辞書では以下のように解説されています。
むい‐としょく〔ムヰ‐〕【無為徒食】
出典:小学館 デジタル大辞泉
[名](スル)なすべきことを何もしないでただ遊び暮らすこと。「貯金を頼りに—して日々を過ごす」
「無為徒食」の例文
無為徒食を、日常的に使用している人は少ないかもしれません。いざ使おうとしても、使い方がわからないこともあるでしょう。
会話や文中で無為徒食を使う際は、以下を参考にしてください。
・彼は無為徒食の毎日を過ごしている
・平日の疲れからか、休日は家で無為徒食に過ごしてしまう日が多い
それぞれの熟語が持つ意味
四字熟語を覚えるには、含まれている言葉の意味を知っておくことが重要です。各熟語の意味を知り、組み合わせることによって四字熟語の意味を覚えましょう。
無為徒食という四字熟語は「無為」「徒食」という2つの熟語からなる言葉です。それぞれの熟語には異なる意味があり、2つを組み合わせることで無為徒食という意味になります。
「無為」
「無為」とは、何もしないでぶらぶらしている状態のこと。また、そのような姿のことを指します。ほかにも、自然に任せて、人の手を加えないといった意味も含まれています。
無為は、人為的に作られたもの以外を指す、仏語としても知られる言葉です。自然に任せることと同様に感じられますが、仏語としての「無為」には、因果の関係から離れ、変化することがない永久的なものといった意味も含まれます。
「徒食」
「徒食」とは、働かずに遊んで暮らすことを表した熟語です。座食や居食いと言い換えることもできます。また、関連する語句としては「無駄食い」という言葉も挙げられます。
しかし、「無駄食い」には、必要以上に食べるといった意味もあり、間食することを表す熟語として用いられるケースもあるようです。
いずれにしても、あまりポジティブな意味で用いられることはないといえるでしょう。
無為徒食の類語
働くこともなく、毎日をだらだらと過ごす様子を表した「無為徒食」ですが、似た意味を含む四字熟語はほかにも存在します。ここでは、酔生夢死と飽食終日といった、2つの四字熟語について解説します。
いずれも、実りがなく無駄に日々を過ごしてしまう意味です。本章で、無為徒食と同様の意味と異なるニュアンスを確認しましょう。
酔生夢死(すいせいむし)
酔生夢死(すいせいむし)とは、何も成し遂げることがなく、ぼんやり一生を過ごす様子を表した四字熟語です。生きる意味や目的を自覚せず一生を過ごしているといった意味があります。
お酒に酔ったり夢を見ていたりする心地のまま、死んでしまうといった意味が由来です。無為徒食と同様に日々を無駄に生きる様子を表していますが、より「一生」「人生」というニュアンスが強く感じられるといえます。
飽食終日(ほうしょくしゅうじつ)
飽食終日(ほうしょくしゅうじつ)とは、1日中、お腹いっぱいに食べて過ごすことを表した四字熟語です。また、食べること以外に何もせず、1日が過ぎることのむなしさを表した言葉としても使われます。
飽食とは、文字通り「飽きるまで食べること」であり、終日とは「1日中」という意味を持ちます。
「怠ける」を意味する四字熟語
無為徒食という四字熟語をひと言で表すと「怠ける」ことです。そして、怠ける行為を意味する四字熟語は、無為徒食のほかにもさまざまな言葉があります。
ここでは以下の四字熟語について、それぞれ解説します。
・放恣佚楽(ほうしいつらく)
・放蕩三昧(ほうとうざんまい)
・曠日弥久(こうじつびきゅう)
・流連荒亡(りゅうれんこうぼう)
放恣佚楽(ほうしいつらく)
放恣佚楽(ほうしいつらく)とは、やりたい放題に遊んで暮らす様を表した四字熟語です。「放恣」にはやりたい放題であること、「佚楽」には気ままに遊んで過ごすといった意味があります。
単にだらだらと過ごす「無為徒食」よりも、遊んで暮らすというニュアンスに重きがおかれている印象を与えるといえる四字熟語です。
放蕩三昧(ほうとうざんまい)
放蕩三昧(ほうとうざんまい)とは、酒や色事にふけり、身を持ち崩す様を表した四字熟語です。また、普段の振る舞いが悪く、勝手気ままな言動をするといった意味も含まれています。
「放蕩」は酒と色事に溺れることであり、「三昧」は周囲を顧みないほど、特定の物事に熱中することを表す熟語です。
曠日弥久(こうじつびきゅう)
曠日弥久(こうじつびきゅう)とは、むなしく月日を費やすようになってから、久しいこと(長期間にわたること)を表す四字熟語です。
ほかにも、無駄に時間を使って物事を長引かせる様子も表しています。
流連荒亡(りゅうれんこうぼう)
流連荒亡(りゅうれんこうぼう)とは、酒色や遊興にふけって家庭を顧みない様を表している四字熟語です。
また、仕事も放棄してしまい、無駄な日々を暮らすといったニュアンスも含まれています。無為徒食と同様に、「怠けること」を表す言葉です。
「無為徒食」の意味を正しく理解しよう
「無為徒食」とは、毎日を無駄に過ごすことを表した言葉です。無為徒食には、酔生夢死と飽食終日といった類語もあり、いずれも時間を無駄に過ごすことのむなしさを表しています。
また、「怠ける」という意味を持つ関連語も複数あるため、本記事を通して無為徒食の意味はもちろんのこと、関連した語句もまとめて覚えましょう。
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