「ひき肉です」って?
「ひき肉です」というトレンドワード、ご存知でしょうか? 実はこの言葉、男子中学生のグループが生み出したトレンドワード。この「ひき肉です」は、SNSで激しくバズり、2023年次の流行語大賞の候補にまでなりました。今回はこの、言葉の意味そのものを受け止めると?なフレーズ「ひき肉です」について、バズった理由などを紹介します。
「ひき肉です」は自己紹介がきっかけで生まれた
「ひき肉です」が生まれたきっかけは、「ちょんまげ小僧」という中学生グループのYouTuberの動画で、メンバーの1人が「ひき肉です」と自己紹介したのがはじまりです。
「ひき肉です」がなぜ自己紹介なのかというと、「ひき肉」をネーミングにしているメンバーがいるから。ちなみに、他のメンバーは「ちょんまげ小僧」「ナマズ」「イソ・ギンチャク」「右足」「パンダ」などなど。ネーミングだけで、柔軟な発想力を持つメンバーであることが伺えますね!
アレンジしたダンスも人気
自己紹介からバズった「ひき肉です」は、YouTube以外のさまざまなSNSで取り上げられ、特にZ世代から広い支持を集めました。「ひき肉です」をアレンジした「ひき肉ダンス」なるものが生まれ、TikTokをはじめとする動画サイトでは、高い再生回数を記録。
「ひき肉です」がバズった理由
「ひき肉です」は、なぜこれほどバズったのでしょうか? これには有名人が関係しています。
模倣やオマージュ投稿がダンスを確立した
「ひき肉です」が大きくバズったのは、「ひき肉です」を模倣した動画や、「ひき肉ダンス」の影響があるでしょう。「ひき肉ダンス」は、「ちょんまげ小僧」が発信したものではなく、他のTikTokerたちが考えだしたものです。「ひき肉です」という題材をアレンジし、それぞれの表現をした結果、バズりにつながりました。
有名人も「ひき肉です」を披露
スポーツ選手や芸能人が「ひき肉ダンス」や「ひき肉ポーズ」といったパフォーマンスを披露したこともバズった理由でしょう。有名人の動画などがきっかけで子供たちや若者が真似るようになり、それをまた誰かが真似て… という形で、広く知れ渡りました。SNSの持つ拡散力が大きく影響したといえます。
各時代のトレンドワードを紹介!
昭和や平成のトレンドワードはなんだったか、ご存じですか? ここからは2つの時代のトレンドワードを見ていきましょう。それぞれ3つ紹介します。
「昭和時代」のトレンドワード
まずは「昭和時代」のトレンドワードを見ていきましょう。
プッツン
コメディアンの片岡鶴太郎さんから生まれたギャグが「プッツン」です。人から責められたり、自分に都合の悪いことが起きたときに「プッツン」ということで、その場をごまかすという使い方をします。「プッツン」は昭和61年に流行語大賞の流行語部門・大衆賞を受賞しているんですよ。
マルサ(丸査・マル査)
国税庁の地方組織である国税局の査察部や査察官の通称「マルサ」が広く知られるようになったのは、昭和62年公開の映画『マルサの女』がきっかけです。女性査察官が主人公の作品なのですが、当時の社会風潮もあり、マルサに拍手を送る人が多かったといわれています。なお、国税局が行う査察調査を「マルサ」と表すこともあります。
朝シャン
この言葉はすっかり定着しましたよね。朝に洗髪することを指す「朝シャン」は、昭和62年、化粧品会社のコマーシャルから広く知られるようになりました。朝シャンの「シャン」は、シャンプーすることを指します。
「平成時代」のトレンドワード
続いて、「平成時代」のトレンドワードを紹介します。
失楽園
小説家の渡辺淳一氏による、不倫をテーマとした恋愛小説から生まれたのが「失楽園」です。新聞で連載された作品なのですが、当時の中年男性を中心に大ヒット。映画やドラマ化が相次ぎました。平成9年には、新語・流行語大賞でグランプリを受賞し、社会現象化したことでも知られています。
萌え〜
ある物事に対して、深い思いを抱くことを「萌え〜」と表しますが、これも平成のトレンドワードです。もともとは漫画やアニメ好きの人たちの間で使われていたようですが、のちに一般化。「萌え株本」「萌え銘柄」のように、アレンジして使われるようになりました。
草食男子
恋愛や異性関係に対して、あまり執着を持たない男性を表す「草食男子」。草食動物になぞらえた表現です。「草食系男子」と表すこともありますよね。平成20年ごろから流行りはじめ、平成21年の新語・流行語大賞トップテンに入りました。
トレンドワードはどう変わった?
トレンドワードは、時代を超えて根付き、使われ続けるものもあれば、あっという間に消えてしまうものもあります。昔のトレンドワードと、今のトレンドワードにはさまざまな違いがありますよね。ここからはトレンドワードがどう変わったのかを見ていきましょう。
テレビやラジオから、インターネットやSNSへ
もっとも大きく変わったのは、トレンドワードの生まれ方。
インターネットやSNSがなかった時代、トレンドワードを生むのはテレビやラジオ、新聞、雑誌などでした。特に見出しから生まれるトレンドワードは多かったかもしれません。また、各企業のキャッチコピーがトレンドワードになるケースも見受けられました。幅広い世代の人が知るトレンドワードが多かったのも特徴の一つです。
今のトレンドワードは、そのほとんどがSNSやインターネットから生まれます。SNSは、年代によりキャッチする情報が異なるため、誰もが知るトレンドワードは生まれにくくなったと言えるかもしれません。
変化が早い
トレンドワードのサイクルは早いものですが、SNSやインターネットから生まれたトレンドワードはよりスピーディーに変化します。あっという間に拡散され、一夜にして広く知れ渡りますが、消えてしまうのも早いというのが、今のトレンドワードの特徴といえるでしょう。
拡散されるうちに、意味が変わっていくケースもよく見受けられます。最初はそうではなかったのに、気がつけば人をからかったり、皮肉の意味合いが強まるトレンドワードも少なくありません。
よく知らないトレンドワードを使う場合は、どのような意味で使われているのかをリサーチするほうがいいかもしれませんね。
最後に
男子中学生のYouTuberグループから生まれた「ひき肉です」について紹介しました。自分とは違う年代で流行っている言葉を把握するのは、難しくなったといえます。
しかし、トレンドワードを知ることで、会話が盛り上がったり、交流しやすくなったりしますよね。トレンドワードを使う際は、今どんな意味で使われているのかをチェックするのも面白いかもしれません。
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