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2024.07.27

労働分配率とは? 企業の経営状態や自身の待遇を評価するための大事な指標

「労働分配率」とは、企業が生み出した付加価値のうち、人件費として労働者に支払われた割合のことです。この記事では、労働分配率の計算方法や業種別の比較などを紹介します。

ニュースやビジネスシーンで耳にする「労働分配率」という言葉。聞いたことはあるけれど、実際にはどのような意味があるのでしょうか? そして「重要」だといいますが、どうして「重要」なのでしょう?

そこで、この記事では「労働分配率」の基本的なことについて、わかりやすく解説します。これを読めば、企業の経営状態や労働者の待遇を評価する際に、この指標がいかに重要かご理解いただけると思いますよ。

「もう少し経済に強くなりたい!」と思われたなら、一緒に学んでみましょう!

労働分配率とは? わかりやすく解説

まずは、「労働分配率」とは何なのかを確認していきましょう。

(c) Adobe Stock

労働分配率の基本

辞書で意味を確認しました。

ろうどうぶんぱい‐りつ〔ラウドウブンパイ‐〕【労働分配率】
企業が生み出した付加価値のうち、人件費として労働者に支払われた割合。企業が生み出した付加価値は労働者・資本・租税に分配されるが、このうち労働者の取り分を示す。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

労働分配率とは、企業が生み出した付加価値のうち、人件費として労働者に支払われた割合を指すことがわかりました。この割合は、企業の経済活動において労働者の取り分を示す重要な指標です。

企業が生み出した付加価値は労働者、資本、税金などに分配されますが、その中で労働者にどれだけの取り分があるかを示しています。

労働分配率の重要性

労働分配率は、企業の経営状態や労働者の待遇を評価する際に重要な指標となります。高い労働分配率は、労働者への還元が大きいことを示しますね。反対に、低い労働分配率は企業が資本やその他のコストに多くのリソースを割いていることを示しています。

労使間では、付加価値の分配の指標として広く使われていますよ。

労働分配率の計算方法

労働分配率の具体的な計算方法について説明します。

労働分配率の計算式

労働分配率は計算式で求めることができますよ。その式とは、以下の通りです。

労働分配率(%)=人件費/付加価値額×100

ここでいう付加価値額は経常利益、人件費、金融費用、賃借料、租税公課、減価償却費の合計額として計算されます。ときには減価償却費控除後の純付加価値を取る場合もあります。

人件費には、役員給料手当、従業員賃金給料手当、雑給、福利厚生費、退職金、退職給与引当金および賞与引当金繰入額などが含まれます。

(c) Adobe Stock

労働分配率の計算例

計算式だけ見ても、なかなかわかりにくいですよね。具体的な計算例を見ていきましょう。例えば、Aという企業の付加価値額が1億円で、人件費が4000万円である場合、

A社の労働分配率:4000万円/1億円×100=40%

となります。この例では、企業が生み出した付加価値の40%が労働者に支払われているということがわかりました。

労働分配率の業種別比較

労働分配率は業種によって大きく異なります。ここでは、各業種別の労働分配率の違いについて解説します。

製造業の労働分配率

製造業では、一般的に労働分配率は比較的低い傾向があります。これは、製造業が設備投資や原材料費などの資本コストが高いためです。

サービス業の労働分配率

一方、サービス業では一般的に労働分配率が高い傾向があります。なぜなら、サービス業は人手が多く必要で、人件費の割合が高いためです。

労働分配率の推移とトレンド

労働分配率の歴史的な推移と現在のトレンドについて紹介します。特に、経済の変動が労働分配率に与える影響を考察していきましょう。

※この情報は、2024年7月に基づくものです。

(c) Adobe Stock

歴史的な推移

昭和30年代の初期には、労働分配率は約46%と高い水準にありましたが、その後の経済成長率の上昇にともなって低下し、高度経済成長期(1960〜1973年頃)には40%前後で安定していました。

しかし、1973年秋の石油危機以降、経済成長率が大幅に低下…。それにともない労働分配率は再び上昇し、46%前後の水準に戻ってしまいました。1980年代初めには40~45%の間を上下しています。

このことから考察すると、労働分配率は経済成長率が高く、労働市場が引きしまっているとき、そして失業率が低下した時期には低いことがわかります。

反対に、経済成長率が低く、労働市場がゆるんでしまっているとき、そして失業率が上昇した時期には高いということがうかがえますね。

現在のトレンド

では、最近の労働分配率はどうなのでしょう…? 経済協力開発機構(OECD)によると、日本の労働分配率は2020年代に入って約50%前後で推移しています。

上述した歴史的な推移とあわせて考えた場合、現在の労働分配率は高い水準にあるといえますね。

参考:OECD(https://www.oecd.org/en/data.html)

なぜ労働分配率を理解する必要があるの?

労働分配率を理解することは、企業経営や労働者の待遇を評価する上で大切なことです。また、経済政策や賃金交渉をする上でのベースとしても重要な指標でしょう。

企業経営における労働分配率

企業経営において、労働分配率を適切に管理することは、長きにわたり経営を続け、発展していくために重要なことです。

高すぎる労働分配率は企業の利益を圧迫します。だからといって、低すぎる労働分配率は従業員の士気や生産性を低下させる可能性があるのです。

労働者の待遇改善

労働分配率を適切に維持することは、働く人の待遇改善にもつながります。適正な報酬が従業員に支払われれば、モチベーションは向上しますよね。モチベーションがアップすれば、企業全体の生産性も向上するでしょう。

最後に

「労働分配率」についての基本的な知識を理解することで、あなたの関わるビジネスやニュースをより深く理解する助けになるはずです。経済的な言葉はとっつきにくいものですが、覚えておけばあなたのキャリアに役立つときが来るかもしれません。その一助となれば、うれしいです。

TOP画像/(c) Adobe Stock

参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
『日本大百科全書』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)

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