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2024.07.03

「メタ認知」とは? メタ認知が高い人・低い人の特徴、トレーニング方法を解説

「メタ認知」とは、「自分の行動・考え方・性格などを別の立場から見て認識する活動」のこと。つまり、自分が考えたり、感じたり、学んだり、行動したりしているとき、それを客観的に捉える活動、ということです。「メタ認知」は特に近年、ビジネスシーンでも注目されています。


「メタ認知能力が高い」「メタ認知能力が低い」、などと聞いたことはありませんか? 特にビジネスシーンでは、メタ認知の能力が高いのは有効なスキルといわれています。メタ認知能力を高めるためにも、まずは「メタ認知」の意味を理解することから始めましょう。

「メタ認知」とは

「メタ認知」は、アメリカの心理学者・フラベルによって定義された概念です。1970年代より研究されてきましたが一般に広く知られることはなく、最近になって、人材育成や経営などの業界で重要な能力のひとつとして注目されるようになりました。

メタ認知について、辞書で調べましたので、ご紹介します。

メタ‐にんち【メタ認知】
《metaは、より高次の、の意》認知心理学の用語。自分の行動・考え方・性格などを別の立場から見て認識する活動をいう。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

わかりやすくいえば、自分が思考したり、感じたり、行動したりという認知活動を、もう一人の自分が冷静に見ている、というイメージですね。

メタ認知的知識とメタ認知的技能

メタ認知には2つの種類があります。「メタ認知的知識」と「メタ認知的技能」です。

「メタ認知的知識」とは、経験に基づき、「自分自身について知っている知識」。たとえば、「私は聞くのは得意だけど、話すのは苦手」という感じです。

「メタ認知的技能」とは、メタ認知的知識を把握した上で、現在の自分自身がどうなのかを確認し、評価したり、改善のための対策を講じたり、感情をコントロールする能力のこと。メタ認知的知識の応用編といったところでしょうか。「聞くのは得意だけど話すのは苦手」なら、どうすればいいのかを考えることができるのが、メタ認知的技能です。

(c) Adobe Stock

「メタ認知の能力」が高い人

メタ認知の能力が高いというのは、どういうことなのでしょう。それがわかれば、メタ認知がビジネスにとっていかに有効なスキルなのかもわかりますよ。

1:いつでも冷静な対応ができる

今、どうすればいいかを冷静に、客観的に判断できるのがメタ認知能力の高い人。仕事をスムーズに進めることができ、万が一トラブルが発生しても焦らず処理ができます。いくつかの問題が重なった場合も、冷静に、優先順位をつけて対処することができるでしょう。さらに再発防止策を講じるなど、経験を次に生かすことができますので、「リスク回避能力が高い」ともいえます。  

2:柔軟性があり変化に対応できる

自分を客観視し、多面的に考察できることで、自分以外の意見を受容できます。この柔軟性によって、自分自身を成長させ、仕事の状況や組織が変化してもすぐに対応ができます。

3:良好な人間関係が築ける

メタ認知能力が高い人は、他者の考えは自分とは違う、と捉えることができます。たとえば、自分とは異なる立場にいる人に対しても感情的にならず客観的に接することができたり、「この人は今、どのように考えているのだろう」と想像することができ、こうしたことがよりよいコミュニケーションにつながります。

「メタ認知の能力」が低い人

メタ認知の能力が低い人のはどんな人? またメタ認知の能力が低いと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

(c) Adobe Stock

1:マイナス思考になりがち

自分や物事を客観視したり幅広い視野を持てないため、うまくいかないときなど「どうせ自分は」とマイナス思考になりがちです。仕事においても、「何をしても変わらないだろう」という気持ちにとらわれモチベーションが低くなります。

2:柔軟性がなく物事を決めつける

「自分はだめだ」「自分は優れている」「悪いのは相手だ」などと自分勝手に判断したり、「この人はこういう人だ」と決めつけてしまうことが多いでしょう。また、こうでなくてはならない、という固定観念に縛られるなど、何事にも柔軟に対応できない傾向があります。

3:感情的になってしまう

冷静な判断ができず場当たり的に対応してしまい、仕事の進捗が遅れたり、課題解決ができないというケースが多いでしょう。また、自分を客観視できないことで自分自身の欠点を認めづらく、人からのアドバイスを感情的に拒絶してしまう傾向もあります。

「メタ認知」のトレーニング方法

メタ認知の能力が高いことによるメリットを知ったからには、メタ認知を鍛える方法を知りたいですよね。いくつか紹介しましょう。

パソコンを使う
(c) Adobe Stock

1:自分自身のメタ認知を意識する

たとえば、自分の好きな言葉と嫌いな言葉、自分の好む人と好まざる人などを考え、なぜ好きなのか、なぜ嫌いなのかを考察してみます。そうすると自分がそう感じる理由や自分の性格の傾向などがわかるようになり、おのずから「他者と同じ考えとは限らない」ことに気づきやすくなるでしょう。

このように、自分を客観視し、確認する作業をモニタリングといいます。

2:日記を書く

日々のモニタリングで得た情報、一例では「今日自分はとても怒った」ことを日記に書き、「では何をあんなに怒ったのか」を分析するのも有効。書くことで冷静に自分を見つめ、メタ認知を鍛えることができます。

3:立場の異なる人たちと関わる

自分とは異なる立場や考えの人たちと関わることで、自分を客観的に見ることができ、視野や考え方の幅を広げることができます。また、さまざまな考え方や情報を取り入れることで、自分だけの考えにとらわれず柔軟な発想で物事に対処することができるようになるでしょう。

最後に

ビジネスや良好な人間関係のために、いかにメタ認知が重要なのかおわかりいただけたでしょうか。メタ認知の能力が低いと、自分自身の成長や学び、スキルアップの妨げになってしまうケースも少なくないよう。この機会に、できることから、メタ認知を鍛えるトレーニングを始めてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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