「あいみつ」の意味
会社で何かを購入する際、「あいみつ依頼しておいてね」といったやりとりをすることがあります。この「あいみつ」が何を指すか知らないと、戸惑ってしまいますよね。
「あいみつ」は、経費で備品などを購入する際によく用いられます。どの部署にいてもよく使う言葉ですので、意味や使い方を把握しておきたいですね。
「あいみつ=相見積もり」
「あいみつ」は「相見積もり」のこと。「相見積もり」を省略したのが「あいみつ」です。
「相見積もり」の意味を調べてみました。
【相見積もり】読み方:あいみつもり
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
複数の取引先などに同条件で見積もりを提出させ、比較すること。あいみつ。
意味で述べられている「見積もり」は、製品などの金額や量、期間、行動などを前もって計算することをいいます。「あいみつ」は、その見積もりを複数の業者に依頼し、内容や料金を比較することです。
ビジネスシーンでは、経費で物を購入したり、業者に仕事を発注する時などに「あいみつ」を依頼することが多いでしょう。
日常においても、「あいみつ」を取る機会はよくあります。引越しや住宅建築時、家電や家具、自動車の購入などは、「あいみつ」を取る人が多いでしょう。また、生命保険や損害保険の加入においても、「あいみつ」を取って比較検討するのが一般的です。
「あいみつ」という言葉の使い方
ここからは「あいみつ」という言葉の使い方を見ていきましょう。例文を紹介しますので、参考にしてください。
例文
《例文》
・複合機の件だけど、最低でも3社依頼して、あいみつをもらってください。
・あいみつを取りたいのだけど、A社の担当者を知っていますか?
・あいみつの提出は、部長宛にメールで送るよう指示がありました。
「あいみつ」を使う場合は、後ろに「もらう」「取る」「提出する」などをつけて使うことがほとんどです。
「あいみつ」のメリット
「あいみつ」を取ることにはさまざまなメリットがあります。メリットを見ながら、「あいみつ」の必要性についてもチェックしていきましょう。
適正金額で取引できる
「あいみつ」を取ることで、その商品やサービスの適正な金額を知ることができます。交渉相手が一社のみだと、提示金額が相場と大きく異なっていても気づくことができないでしょう。購入後に適正金額ではなかったと気がつき、トラブルになるのは避けたいですね。また、「あいみつ」を取ることで、価格交渉がしやすくなるケースもあります。
適切な判断ができる
契約や取引が正当なものであることを示すには、「あいみつ」が有効です。「あいみつ」を取ることで、特定の業者との不適切な取引を防ぐことができます。また「あいみつ」が定着すれば、公平性を欠く発注なども行えなくなるでしょう。
よりよい商品やサービスを選択できる
「あいみつ」で比較検討すると、商品などの仕様やスペック、内容などを新たに知ることができます。それにより、自社が望む利用目的に合った商品やサービスを選択しやすくなるでしょう。
「あいみつ」の依頼で知っておきたいこと
「あいみつ」を業者などに依頼する場合、知っていたほうがいいことを紹介します。
「あいみつ」はマナー違反ではない
「あいみつ」が、失礼な行為にあたるのではないかと不安に感じる人がいるかもしれません。
「あいみつ」は、取引や契約の公平性を示すために必要とされるものであり、どの業界でも行われています。また、「あいみつ」の結果、その会社を選ばなかったとしても、それがクレームになることはほとんどありません。
「あいみつ」自体がマナー違反になることはありませんので、心配しなくていいでしょう。
同条件での見積もりをお願いする
「あいみつ」は、同じ条件で出してもらうのが前提です。業者によって見積もりの条件や内容が変わると、公平性を失ってしまいます。内容や条件を統一して、「あいみつ」を依頼しましょう。
また、途中で内容や条件に変更が生じたら、「あいみつ」を依頼しているすべての会社に同じタイミングで伝えます。
「あいみつ」であることを丁寧に伝える
「あいみつ」を依頼する際、それぞれの業者に「あいみつ」であることを丁寧に伝えましょう。「あいみつ」であることを伏せると、相手は見積もりを出せば契約になると思うかもしれません。
また、「あいみつ」の目的や提出期限なども、明確に伝えます。「あいみつ」の提出期限は、可能な限り余裕を持たせて設定するようにしてください。あまりにも近い期限だと、相手は対応できないかもしれません。
「あいみつ」の記載事項は明確に伝える
「あいみつ」は比較検討するのが目的です。金額の内訳や条件の内容などを詳細に伝え、見積書に記載をお願いしましょう。他に確認したい項目があれば、その点も忘れずに伝えます。
「あいみつ」に次の項目の記載をお願いしておくと、スムーズに比較ができるでしょう。
・金額の内訳
・発注数量
・求める品質や機能など
・概算の金額
・納期や納品場所
・支払い期日や支払い方法
・その他の条件
・特記事項 など
「あいみつ」後、断る場合に意識すべきこと
「あいみつ」を依頼したあと、断りの連絡をする場合は、次のことを意識したいですね。
・「あいみつ」をいただいたことに対して、あらためてお礼を伝える
・誠意を持って、失礼のないように断る。
・断る理由を伝える際、ダメ出しをするのはNG。
・返答期限までに必ず連絡をする。
断る際、「他の業者のほうが安価で内容もよかった」「製品の質が悪い」のように伝えると、相手を不快な気持ちにさせたり、自分の会社の印象を損ねることになるでしょう。その後の取引に影響する可能性もありますから気をつけましょう。
「あいみつ」を依頼する場合は、誠意を持って相手と関わりたいですね。「あいみつ」後に断っても、相手の業者と関係性が築けるよう、マナーを守り、気持ちよくやりとりしましょう。
最後に
「あいみつ」とは、相見積もりを省略した言いかたです。「あいみつ」を依頼することは、マナー違反にはなりません。しかし、その後の対応がよくないと、クレームやトラブルにつながる可能性があります。「あいみつ」を依頼する企業には最後まで誠意を持ち、敬意を払いながら、取引をしたいですね。
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