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2024.06.06

「嘘つきは泥棒の始まり」は戒めの言葉|あらためて意味や使い方を紹介

「嘘つきは泥棒の始まり」は、嘘をつくことをたしなめる言葉として用いられています。小さな頃、この言葉を大人に言われたことがある人もいるでしょう。本記事では「嘘つきは泥棒の始まり」について、意味や使い方を調べました。

「嘘つきは泥棒の始まり」は戒めの言葉?

「嘘つきは泥棒の始まりだよ」とたしなめられたことはありませんか? 嘘はよくない、嘘をつくなといわれて育った人は多いと思います。嘘をたしなめたり、戒めたりする際に、たとえとしてもっともよく用いるのが「嘘つきは泥棒の始まり」かもしれません。

本記事では「嘘つきは泥棒の始まり」について、意味や言葉の使い方、類義語や対義語を調べました。たとえとして用いることが多いので、正しい意味を把握しておきたいですね。まずは、辞書の意味を一緒に見ていきましょう。

意味

嘘吐きは泥棒の始まり
読み方:うそつきはどろぼうのはじまり

悪いと思わないで嘘をつく人は、泥棒をするのも平気になるということ。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「嘘吐き」と書いて「うそつき」と読むこの言葉は、嘘をつく人や、嘘を言うことを表します。「嘘つきは泥棒の始まり」は、嘘をついたり、人をだましたりすることを戒める言葉として、昔から使われています。

由来

「嘘つきは泥棒の始まり」の由来について、正確なことはわかっていません。しかし、1893年に発行された『古今俚諺類聚』に記載があるとされているので、この頃にはすでに存在していたことになります。

(c) Adobe Stock

「嘘つきは泥棒の始まり」の使い方

「嘘つきは泥棒の始まり」の使い方を見ていきましょう。この言葉はどのように使うのでしょうか?

たとえとして用いることが多い

上述しましたが、「嘘つきは泥棒の始まり」はたとえとして使うことが多いでしょう。子供に嘘をつかないよう説く時や、戒める際に用いられています。

嘘をつくのは誰にでもあることですが、それが習慣や癖になるのは考えもの。デメリットはあっても、メリットは皆無です。嘘をつくことに慣れてしまわないよう、たとえとして「嘘つきは泥棒の始まり」を使うのは、今も昔も同じでしょう。

例文をチェック

「嘘つきは泥棒の始まり」の例文を紹介します。

《例1》幼い頃、とっさについた嘘がすぐにバレてしまった。母は怒ることなく「嘘つきは泥棒の始まりだよ」と言ったが、その時の悲しそうな瞳が忘れられないでいる。

子供の頃に嘘をついて大人に叱られた… そのような思い出がある人は多いでしょう。嘘をつくのはよくないと相手に諭すような場合に、「嘘つきは泥棒の始まり」を用います。

《例2》彼はいい人だけど、小さな嘘が多い。嘘つきは泥棒の始まりというし、あまり信用しないでおこう

大きな嘘をつくことはないけれど、小さな嘘を重ねる人っていますよね。あまりにも多いと、嘘をつくことに慣れていると思われるかもしれません。例文が表すのは、まさにそのようなこと。小さな嘘をつくことに慣れてしまうのは、避けたいところです。

(c) Adobe Stock

会話例も

「嘘つきは泥棒の始まり」を会話で使うパターンを見ていきましょう。兄と妹がリビングで話しています。

妹「お兄ちゃん、さっき三丁目までおばあさんを案内していたでしょう」
兄「ああ、見られていたのか。道に迷って困っていたからね」
妹「僕の家もこっち方面なんですって嘘をついていたから、笑ってしまったわ」
兄「そうしないと、相手が恐縮するかと思ったんだよ」
妹「やさしい嘘だね」
兄「嘘はよくないけどね」
妹「嘘つきは泥棒の始まりというけれど、他人のためにつくやさしい嘘なら大丈夫だよ」

会話に出てくる「やさしい嘘」とは、自分のためではなく、相手を傷つけないためにつく嘘のこと。嘘はよくないとされていますが、やさしい嘘は許されることもあるかもしれませんね。

「嘘つきは泥棒の始まり」の類語と対義語

ここからは「嘘つきは泥棒の始まり」の類語と対義語を紹介します。それぞれ1つずつ見ていきましょう。

類語は「嘘は盗人の始まり」

人間、嘘を言うようになったらおしまいで、盗人にもなりかねないという意味の「嘘は盗人の始まり」。「うそはぬすびとのはじまり」と読みます。「嘘つきは泥棒の始まり」と意味や使い方は同じと考えていいでしょう。

《例文》嘘は盗人の始まりというが、嘘をついた時に叱ってくれる人間がいるかどうかで変わるだろう

対義語は「嘘も方便」

「嘘も方便」とは、嘘は罪悪ではあるが、よい結果を得る手段として時には必要であるということの意。「うそもほうべん」と読みます。「方便」とは、ある目的を達成するための便宜上の手段のこと。「嘘つきは泥棒の始まり」と反対の意味を表す言葉といえるでしょう。

《例文》彼女に本当のことを告げても、今は受け入れられないだろう。嘘も方便で、違う理由を伝えよう

「嘘」が関連する慣用句

「嘘つきは泥棒の始まり」のように、「嘘」に関連する慣用句は他にもあります。4つの慣用句を紹介しましょう。

(c) Adobe Stock

「嘘から出た実」

嘘のつもりであったものが、結果的に、はからずも真実となることを表すのが「嘘から出た実」。「うそからでたまこと」と読みます。はじめは嘘として話していたのに、人から人に伝える過程で本当の話になることや、偶然にも本当に実現してしまうことを表す慣用句です。

「嘘と坊主の頭はゆったことがない」

「嘘と坊主の頭はゆったことがない」とは、これまで嘘をついたことがないという意味の慣用句。「嘘を言う」と「頭を結う」を掛けた洒落(シャレ)だと考えてください。坊主の頭には髪が生えていないので、髪を結うことができないのと同じで、嘘をつくこともないということを表しています。

「嘘吐いたら針千本飲ます」

「嘘吐いたら針千本飲ます」とは、子供が指切りをするときに唱える言葉です。「指切りげんまん」に続けて使いますよね。何かの約束をする際に、「指切りげんまん 嘘吐いたら針千本飲ます」とリズミカルに唱えます。読み方は「うそついたらはりせんぼんのます」。

「嘘八百を並べる」

多くの嘘や、まったくのでたらめばかりを言うことを「嘘八百を並べる」と言います。読み方は「うそはっぴゃくをならべる」。嘘ばかりつく人に対して用いることが多いでしょう。

最後に

「嘘つきは泥棒の始まり」について、言葉の意味や使い方、類義語や対義語などを紹介しました。嘘をつくのはいけないことだと諭したり、戒めたりする際に用いられる言葉です。小さい頃、大人に言われたことがあるという人も多いのではないでしょうか? 嘘をつくのがよくないのは大人も同じ。たとえ小さな嘘であったとしても、つかないようにしたいですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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