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2024.06.07

「完全燃焼」には2つの意味がある! 言葉の使い方や類語なども紹介

「完全燃焼」は、可燃物が燃え尽きることと、力を出し切ることを意味する四字熟語。スポーツシーンで見聞きすることが多いかもしれません。この記事では「完全燃焼」について、言葉の意味や使い方、類語などを調べました。

「完全燃焼」とは

スポーツの試合などで見聞きする「完全燃焼」。この言葉から、ドラマティックなシーンを思い浮かべる人もいるかもしれません。「完全燃焼」は2つの意味を持つ言葉ですが、日常やビジネスシーンで使うのは、「力を出し切ること」のほうでしょう。本記事では、「完全燃焼」について解説します。

意味と読み方

「完全燃焼」の意味を辞書で調べたところ、次のことがわかりました。

【完全燃焼】
読み方:かんぜんねんしょう

[名](スル)
1:可燃物が、十分な酸素の供給のもとで燃え尽きること。二酸化炭素や水蒸気などを生じる。
2:(比喩的に)力を完全に出しきること。望みどおりの成果を得ること。「高校生活最後の大会では—した」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

必要な条件がすべてそろうことを意味する「完全」と、力の限りを尽くして物事に当たることを意味する「燃焼」が組み合わさったのが「完全燃焼」。物質が燃えるという意味も持ちますが、日常やビジネスシーンで使うのは「2」が多いでしょう。

力を出し尽くして物事に取り組んだときや、十分に力の限りを尽くした状況を表す際に用いられています。

(c) Adobe Stock

「完全燃焼」の類語5つをチェック

「完全燃焼」の類語を知ると、より理解しやすくなるかもしれません。「真剣勝負」「全力投球」「一生懸命」「一所懸命」「不惜身命」を紹介します。

「真剣勝負」

本気で勝ち負けを争うことや、本気で物事に当たることを意味する「真剣勝負」は、「しんけんしょうぶ」と読みます。本物の剣を用いて勝負するという意味も持つ四字熟語です。「真剣勝負で取り組む」「真剣勝負の戦い」のように使われています。

「全力投球」

「全力投球」とは、全力を尽くして物事を行うことの意。「ぜんりょくとうきゅう」と読みます。野球で、投手が全力を尽くして投球するという意味も持つ言葉です。一般的には前者の意味で使うことが多いでしょう。「業務に全力投球する」のように用いられています。

「一生懸命」

命がけで物事に当たることや、そのさまを表すのが「一生懸命」です。スピーチや挨拶などで使ったことがある人もいるでしょう。読み方は「いっしょうけんめい」。「一生懸命に〜する」「一生懸命がんばる」のように使う言葉です。

「一所懸命」

「一所懸命」は、命がけで物事をすることや、必死で取り組むことを表します。「いっしょけんめい」と読み、「一生懸命」と同じように挨拶などでよく使われています。「一所懸命に〜する」のように使うことが多いでしょう。

(c) Adobe Stock

「不惜身命」

死をもいとわず、物事に取り組むことを表す言葉。もとは仏教用語で、仏道修行のためには身命も惜しまないことを意味します。読み方は「ふしゃくしんみょう」。講演やスピーチ、理念などに登場することが多い四字熟語です。

いずれの言葉も「完全燃焼」と近い意味を持ちます。シチュエーションによっては、言い換えの表現として使うことができますので、それぞれの意味を把握しておきたいですね。

「完全燃焼」の使い方

ここからは「完全燃焼」の使い方を見ていきましょう。どのようなシチュエーションで使うのでしょうか?

どんなシチュエーションで使う?

「完全燃焼」を使うのは、勝負事が多いかもしれません。スポーツなどの試合はもちろん、ビジネスシーンであれば、プレゼンテーションや契約なども当てはまることがあるでしょう。

また、目標達成を目指し、力を尽くすさまを表す際も用いることができます。力を出し尽くし、やるべきことをやって気持ちが燃え尽きたと感じたときに「完全燃焼」と表現します。

使い方を例文でチェック

「完全燃焼」の使い方を例文で見ていきましょう。

《例1》高校の引退試合は負けて終わったが、目標としていた順位をクリアでき、完全燃焼した。

例文は、引退試合で負けたものの目標を達成し、やりきったと感じているさまを表しています。「完全燃焼した」と思えるくらいに力を尽くすと、達成感や満足感を得ることができるでしょう。

《例2》完全燃焼したと感じていたが、日が経つにつれ、他にもっとできることがあったのではないかと思いはじめている。

そのときは力を出し尽くしたと感じても、時間が経つと「もっと努力できたのではないか」「もっと工夫したほうがよかったのではないか」と考えてしまう。これは誰もが経験していることではないでしょうか? 例文は、まさしくそのような状態にいることを表しています。

「不完全燃焼」との違い

「完全燃焼」と似た言葉に「不完全燃焼」があります。漢字から、対義語であることがうかがえますが、実際はどうなのか見ていきましょう。「不完全燃焼」についても、辞書で調べてみました。

(c) Adobe Stock

「不完全燃焼」の意味

【不完全燃焼】
読み方:ふかんぜんねんしょう

[名](スル)
1:可燃物が、酸素不足のまま燃焼すること。有毒な一酸化炭素などを生じる。
2:(比喩的に)力を完全に出しきれないこと。思うような成果の得られないこと。「試合は—に終わった」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「不完全」が意味するのは、完全ではないということ。「不完全燃焼」も「2」の意味で使うことが多いかもしれません。「力を出し切れなかった」「もっとああすべきだった」のように、自分自身が納得できない状態を表す際に用いることが多い言葉です。

「完全燃焼」を英語にすると?

「完全燃焼」を英語で表現する場合は、次の言葉を使うといいでしょう。

【perfect combustion】

「完全燃焼」を意味する英語表現です。可燃物が十分な酸素を得られる状態で燃焼することを指します。

【all out】

「全力を尽くす」という意味の英語表現。「総力をあげて」、「必死で」という意味もあります。

最後に

「完全燃焼」について、意味や類語、使い方、英語表現などをまとめました。スポーツでよく用いられる言葉ですが、ビジネスシーンで使われることもあります。「可燃物が効率よく燃え尽くされること」「力を出し切ること」の2つの意味がありますので、そのことを把握しておくといいですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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