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2024.06.12

仏様が持つ「如意宝珠」とはどんなもの? ご利益や種類などを解説

「如意宝珠(にょいほうじゅ)」とは、仏教に由来する「どんな願いも叶えてくれる不思議な珠のこと」。仏様の持物(じもつ)や建築の装飾として用いられています。本記事では、「如意宝珠」にまつわる豆知識を紹介します。

お寺を参拝した時に、仏様の手の上に丸い珠が乗っているのを見たことはありませんか? 不思議な形をしたあの珠は一体なんなのだろう? と疑問に思ったことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。それは、「如意宝珠」と呼ばれ、建築物の装飾などとしても用いられているんですよ。

本記事では、そんな「如意宝珠」の特徴やご利益、「如意宝珠」を持つ仏様の種類など、幅広く解説します。

「如意宝珠」の意味

「如意宝珠」は、「にょいほうじゅ」と読みます。意味を辞書でみてみると、

意のごとく願望を成就させてくれるという宝珠。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

とあります。「如意宝珠」は仏教用語で、見た目は先端の部分が尖っている珠の形をしています。民衆の願いを叶えてくれる仏の徳の象徴ともいわれています。

意のままに宝や服、食べ物を出し、病気や苦しみを癒してくれるのだとか。また、悪いもの取り除き、濁った水を清らかにし、災いを防ぐなどの功徳(くどく)があると信じられているようです。

(c) Adobe Stock

さまざまな形の「如意宝珠」

「如意宝珠」は、基本的には先述したような先端が尖った珠の形をしていますが、装飾のついた様々な紋様として仏教美術などで用いられています。

例えば、宝珠のまわりに炎をまとった「火焰宝珠(かえんほうじゅ)」。宝珠を3つ合わせた「三弁宝珠(さんべんほうじゅ)」。また、5つの宝珠が集まった「尻合わせ五つ宝珠」。円の中に3つ宝珠が入った「丸に頭合わせ三つ宝珠」など。様々なバリエーションがあります。これらのものは家紋としてさまざまな家で使用されていたようです。

仏様の持物としても用いられる

いろんな願いを叶えてくれるとされる「如意宝珠」は、仏様の持物(じもつ)のひとつでもあります。主に、如意輪観音や地蔵菩薩、虚空蔵菩薩などが手に持たれていることが多いようです。

仏像
(c) Adobe Stock

1:如意輪観音(にょいりんかんのん)

如意輪観音は、6観音のひとつとされ、天道で苦しむ人々を救う仏様とされています。左右の手には、如意宝珠と法輪を持っています。大阪の観心寺にある「本尊如意輪観音菩薩(国宝)」が有名で、平安時代の密教美術最高の仏像ともいわれています。

2:地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

地蔵菩薩はお地蔵さまとして親しまれている仏様ですね。「地蔵」の「地」は「大地」、「蔵」は「蓄える、胎内」という意味があるとか。

見た目は、頭を丸めた僧侶の姿で、簡素な衣を身にまとっていますが、菩薩でもあることから首飾りなどの装飾品をつけている像もあります。片手に錫杖(しゃくじょう)、もう片方の手に如意宝珠を持っているのが一般的です。

3:虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

虚空蔵とは、虚空が広大な空間であるように、無限の知恵を備えているということ。苦しむ人々に生きる知恵や、記憶力を与えてくださるとされています。片手に知恵を表す剣、もう片方の手に如意宝珠を持ち、頭に知恵を表す冠をかぶっている姿が一般的です。

茨城県東海村の日髙寺にある村松虚空蔵尊、福島県柳津 (やないづ) 町の霊巌山 圓藏寺(福満虚空藏菩薩)、千葉県鴨川市の千光山 清澄寺にある能満虚空藏菩薩は、日本三虚空蔵といわれています。

橋の欄干にあるのは擬宝珠

町を歩いていると、橋の欄干に「如意宝珠」にそっくりな装飾がついているのをみたことはありませんか? これは、「擬宝珠(ぎぼし)」といって、「如意宝珠」を模したものだそう。

擬宝珠は銅や青銅などの金属で作られていることが多く、雨が降った時の腐食を抑える役目があるようです。

(c) Adobe Stock

宝珠紋は着物の柄にも

「如意宝珠」は、着物の図案にも使われています。なんでも願いを叶えてくれるということから、縁起の良いものを寄せ集めた「宝尽くし文」のひとつとして用いられています。他のモチーフとしては、打ち出の小槌や、分銅、軍配などがありますよ。ここでは、紋様に込められた意味をひとつずつみていきましょう。

1:打ち出の小槌(うちでのこづち)

打ち出の小槌は、振ると財宝が出てきて、願いを叶えてくれる特別な小槌です。日本昔ばなしでお馴染みの『一寸法師』では、鬼が落としていったものとして打ち出の小槌が登場しています。他にも、七福神の大黒天が持っているイメージも根強いですね。ものを打つことから、「敵を打つ」ものとして吉祥紋とされています。

2:分銅(ふんどう)

分銅は、ものの重さを量るためのおもりのこと。現代の分銅は円柱の形をしていますが、昔は真ん中の部分がくびれた形をしているものもあったようです。

3:軍配(ぐんばい)

軍配といえば、相撲の行司さんが持っているものというイメージを持っている方も多いのでは? かつては、武将が戦の指揮に用いたうちわ形の道具です。相撲では、勝負が決まった時に、軍配を上げることから、日常生活においても勝利した時に「軍配を上げる」というようになったとか。勝負にまつわる縁起物として、紋様になったのですね。

最後に

仏教の世界で、困った人々の願いを叶えてくれるとされる「如意宝珠」。様々な種類の仏様の持物として古くから用いられているようですね。お寺では、橋の欄干や屋根の装飾などにも使われています。

お寺を参拝する際は、どこかに「如意宝珠」が使われていないか探してみてくださいね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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