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2024.05.14

「大山鳴動して鼠一匹」は何を意味する言葉? 使い方や似ている言葉も紹介

「大山鳴動して鼠一匹」という言葉を知る人は、あまりいないかもしれません。「期待はずれ」などを意味するこの言葉は、西洋からきたことわざです。本記事では、「大山鳴動して鼠一匹」の意味や使い方を調べました。

「大山鳴動して鼠一匹」の意味と読み方は?

「大山鳴動して鼠一匹」はことわざですが、正しい意味や使い方を知る人はそう多くないでしょう。この記事で、はじめてこの言葉を見た人もいるかもしれません。「大山鳴動して鼠一匹」は、西洋から来たことわざ。本記事ではこのことわざの意味や使い方を調べましたので、一緒に見ていきましょう。

辞書で確認

大山(たいざん)鳴動(めいどう)して鼠(ねずみ)一匹(いっぴき)
読み方:たいざんめいどうしてねずみいっぴき

事前の騒ぎばかりが大きくて、実際の結果が小さいこと。
[補説] もともとは、ラテン語のParturiunt montes, nascetur ridiculus mus.(山々が産気づいて、こっけいなハツカネズミが一匹生まれる)から出た西洋のことわざ。「大山」は「泰山」とも書く。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「大山」とは、大きな山のこと。「鳴動」は、大きな音をたてて揺れ動くことを表します。大きな山が大きな音をたてて揺れ動いたので何か起こるのかと思ったのに、実際は鼠が一匹出てきただけだったという意味が転じて、事前の騒ぎが大きかった割に結果はちっぽけだったことを表すようになりました。

(c) Adobe Stock

イソップ寓話が由来?

「大山鳴動して鼠一匹」の由来とされるのが、イソップ寓話を経由して広まった西洋のことわざの翻訳だといわれています。

日本には、16世紀末にイソップ寓話とともに入ってきた可能性があるという説もありますが、実証的な裏付けはないとか。今のところ、幕末以降に英語やフランス語などから入ってきたものと推定されています。

参照:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

注意点

「大山鳴動して鼠一匹」の「大山」は、「泰山」と表記することがあります。どちらを使っても問題ないとされていますが、気をつけたいのは「泰山」の意味。中国の山東省中部にある名山「泰山」をイメージするかもしれませんが、それは誤り。この場合は「高く大きな山」を意味しますので注意してください。

また、「泰山」という言葉があることから、由来は中国と考えがち。上述したように、由来となるのは西洋のことわざです。その点も要注意ですね。

「大山鳴動して鼠一匹」はどう使う?

ここからは「大山鳴動して鼠一匹」の使い方を見ていきましょう。例文と会話例を紹介しますので、チェックしてください。

《例文1》新入社員が出社せず、携帯に連絡してもつながらない。何かあったのかと心配していたが、ただの寝坊だった。大山鳴動して鼠一匹とはこのことだ。

誰もがスマートフォンを持つ現代だからこそ、連絡が取れなくなると心配ですよね。メッセージが既読にならない、電話に出ないということがあると、何かあったのかとヒヤヒヤすることも。例文は、新入社員と連絡が取れずに心配したのに、寝坊が理由だったとわかり、安堵しつつもがっかりするさまを表しています。

《例文2》提出書類が見つからない。期限が迫っているので家族総出で探したところ、別のカバンに入っていた。「まさに大山鳴動して鼠一匹、騒ぐ前に冷静になれ」と父に叱られた

期限や期日が迫っているのに、提出物やデータが見つからないというのはよくあることですよね。例文は、大騒ぎをして家族も一緒に探したのに、書類は別のカバンにあり、父親に叱られた様子を表現しています。「大山鳴動して鼠一匹」は、大騒ぎをする前に冷静になれという戒めの言葉として用いられることもあります。

(c) Adobe Stock

「大山鳴動して鼠一匹」の会話例

「大山鳴動して鼠一匹」は会話で使うことができます。会話例は、娘が母に、懸賞に当選したことを話しているとイメージしてください。

娘「このあいだ応募した懸賞に当選したみたい! 豪華プレゼントばかりって書いていたから、すごい賞品が当たるかも!」
母「どんな賞品があるの?」
娘「たしか、ハワイまでの旅行券に、冷蔵庫、パソコン…豪華なものばかりだったよ。私が当選したのは何だろう? ハワイ旅行かも」
母「もしそうだったらビックリね。で、何が当たったの?」
娘「…食器用洗剤1本だった」
母「あらあら、大山鳴動して鼠一匹とはこのことね。でも、食器用洗剤をもらえるのは、とてもありがたいわよ」

何かしらの懸賞や抽選で当選したとわかると、心の片隅で期待しますよね。会話例は、ハワイに行けるかと期待したのに、実際に当選したのは洗剤で、期待はずれだったことを表しています。

母の言うように、もらえるのが洗剤であったとしても、うれしく思う人は多いでしょう。

「大山鳴動して鼠一匹」と似た言葉

「大山鳴動して鼠一匹」と似た言葉を見ていきましょう。紹介するのは「蛇が出そうで蚊も出ぬ」です。

「蛇が出そうで蚊も出ぬ」

「蛇(じゃ、もしくは、へび)が出そうで蚊も出ぬ」とは、蛇が出そうな場所なのに、一匹の蚊さえいない状態を表します。これが転じて、大きなことが起こりそうに見えて、実際は何も起こらないことを意味するようになりました。

「大山鳴動して鼠一匹」と同じような意味を持ちますので、言い換え表現の一つとして把握しておくのもいいですね。

「鼠」を使った慣用句

ここからは「鼠」を使った慣用句を紹介します。

(c) Adobe Stock

「鳴く猫は鼠を捕らぬ」

よくしゃべる者は、かえって実行しないということのたとえとして使われているのが「鳴く猫は鼠を捕らぬ」です。読み方は「なくねこはねずみをとらぬ」。口数が多ければ多いほど、実際に行動に移すことは少ないことを意味する言葉です。

「鼠が塩を引く」

「鼠が塩を引く」とは、小事が積もり積もって大事になることのたとえ。また、少しずつ減っていったあげくに、すっかりなくなってしまうことのたとえとしても使われています。

鼠が塩を引いて行くのは少量ずつだが、それが度重なると、いつの間にか多量になることが転じて、この意味になりました。

「鼠壁を忘る壁鼠を忘れず」

「ねずみかべをわするかべねずみをわすれず」と読みます。「鼠壁を忘る壁鼠を忘れず」とは、鼠は自分がかじった壁のことなど忘れているが、壁は鼠にかじられたことを忘れないという意味。

これが転じて、苦しめられた恨みは長く消えないことのたとえとして用いられています。

最後に

「大山鳴動して鼠一匹」とは、事前の騒ぎばかりが大きくて、実際の結果が小さいことを表します。期待はずれだったときや、予想外に小さな結果だった場合を表す際にたとえとして用いられますが、大騒ぎをする前に冷静になれという戒めの言葉として使われることも。会話で使えることわざですので、正しい意味や適切な使い方を把握しておくといいですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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